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バック・サイド材の購入2(2022.7) [woods]

トップ材と同様に、バック材を購入する前に考えなければならないことは「厚さ」をどうするかということです。

標準では4.0mmで売られていますが、自分で削るのが結構大変なので、適当な厚さまで削って購入する方法を取っています。
オリジナルギター1 アフリカンマホガニー.JPG
オリジナルギター1のアフリカンマホガニーの最終厚さは2.5mmでした。当時は良く分からず、この値は適当です。
オリジナルギター2 インディアンローズウッド.JPG
オリジナルギター2のインディアンローズウッドは、最終厚さは2.3mmでした。これは、Gore&Giletの厚さ決定法でやってみた結果です。この本に載っています。

木材の購入先は、アイチ木材加工大和マークです。

心配な人は、バックはインディアンローズウッドは2.8mm、その他は3.0mmで購入すれば良いと思います。

サイドは、さらに薄く、インディアンローズウッドは2.5mm、その他は2.8mmで購入すれば良いと思います。

サイドは、厚すぎるとベンディング(曲げる)のに苦労します。

ちなみに、今入手できる材料を調べました。

・アフリカンマホガニー 0.5万円
・メイプル 0.7万円
・インディアンローズウッド 1.0万円
・ホンジュラスローズウッド 2.8万円
・マダガスカルローズウッド 4.1万円

この他 ウォールナット、オバンコール、ゼブラウッド、グラナディーロ、ジリコートなどローズウッドの代替品があります。ブラジリアンローズウッド、ホンジュラスマホガニーは入手が難しそうです。

2017年1月よりすべてのローズウッドがワシントン条約の規制対象となり、ローズウッドの代替材が流行り始めましたが、2018年8月の会議で、ハカランダ(ブラジリアン・ローズウッド)を除くローズウッド種は、楽器として輸出される場合は規制の対象とならないことになりました。

1年半での変更は、ローズウッド材が規制対象にされてしまったので、音楽業界が反対したのでしょうか。「10kg以下はよい」という記載があるので、使用量が少ないと良いのでしょう。気になる人は、経産省ホームページを参照してください。

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トップ材の購入2(2022.7) [woods]

木材を購入する前に考えなければならないことは「厚さ」をどうするかということです。

標準では4.0mmで売られていますが、そのまま購入すると自分で削らなければなりません。
これが結構大変なので、適当な厚さまで削って購入する方法を取っています。

アイチ木材加工大和マークから購入できます。

購入する木材にはランクがあり、価格がかなり違いますが、このランクは見た目です。木目が細かく揃っていて節などがないモノが3Aです。必ずしも、いい木目がいい音がするとは限りません。70%位、相関があるといわれています。

オリジナルギター1(シトカスプルース).JPG
オリジナルギター1(シトカスプルース Bランク品)の完成時の厚さは、2.6mmでした。

オリジナルギター2(エンゲルマンスプルース).JPG
オリジナルギター2(エンゲルマンスプルース 3Aランク品)の完成時の厚さは、2.8mmでした。

某有名メーカーのサウンドホールをくり抜いた後の端材で作ったコースターの厚さは3.2mmでした。

Somogyiは、いろいろな今までの歴史や経験から,、2.4mmから3.3mmといっています。

スプルースを購入する場合は、3.0mmで購入すると後の加工工程が楽です。

ちなみに、今入手できるスプルースを調べました。
・アディロンダック 2.6万円
・ジャーマン 2.0万円
・ルッツ 1.5万円
・ヨーロピアン 1.5万円
・エンゲルマン 1.0万円
・シトカ 0.9万円
・レッドシダー 1.0万円
(ヨーロピアンは、ジャーマン、イタリアン、スイス等の総称らしいです。)

質の良いアディロンダックは入手が難しそうです。

最後に、トップ材を変えたYoutubeのSomogyiのギターのMichael Chapdelainによる比較が実際の音の違いが分かると思います。3 つの異なるトップ材を使用した「同一の」ギターを構築し、結果を比較したといっています。但し、タレガのラグリマという曲はクラシックなので、より柔らかいレッドシダーに好みがいってしまうかもしれませんが、曲調は無視して音の響きを比べてみてください。

シトカスプルース
レッドシダー
ヨーロピアンスプルース 

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フレット両端の足(tongue)を詰める。 [woodwork]

YAMAHA FG-200Jフレット打ち直しでも行いましたが、両端の足を切り、やすりで磨きます。
 これはMUSTの作業ではありませんが、冬になると木が乾燥して収縮するのでフレットワイヤーがフレットボードの両端から出てきて、これが微妙に手にふれてザラザラとして演奏時の違和感になります。

 これを防ぐためには、打ち込む前にフレットワイヤーの両端の足(tongue)を2mm位落としておきます。普通のニッパと金属ヤスリでもできますが、結構地味な作業で心が疲れます。

フレットタングニッパーがあると便利ですが、高いので買うべきか迷っています。

FG-200Jのリペアでは、フレット No.43080Eを使用しました。このJescar EVOは、通常のニッケルシルバー品よりやや硬いので、20フレット分で1日かかりました。

ニッケルシルバーは比較的柔らかいので、サンディングに苦労はなく、20フレットで3時間程度で済みました。この程度でできれば、、フレットタングニッパーは買わないと思います。

足をカット.JPG
まず、足をできるだけカットします。

足の残り.JPG
完全にカットできずに残っている部分をサンディングします。

サンディング.JPG
フレットの端の足がきれいになくなりました。

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フレットの打ち込み [woodwork]

フレットを装着する方法は、ハンマーで叩きこむ方法専用工具を使って押し込む方法があります。

フレット材料の種類による硬さとフレットボードの硬さの組み合わせによって、打ち込み易さが変わります。勿論、フレット溝の幅によっても変わります。
普通のフレットのニッケルシルバータイプは、比較的柔らかいので、ローズウッド材には簡単に打ち込めますが、硬いエボニー材に打ち込むにはかなり大変です。ニッケルシルバーより硬いEVOのフレットは、エボニーでも比較的楽に打ち込むことができます。使ったことがありませんが、ステンレスのフレットならばさらに楽な気がします。但し、フレット自体の加工は硬くて大変です。

資金に余裕のある人は、Stewmacの専用工具を使って押し込む方式の方が硬さによらず安定してできると思います(使ったことはありませんが)。

さて、実際にはどうしているかを説明していきます。

溝切ラジオペンチ.JPG

フレットを打ち込む前に曲率がフレットボードにあっているかを確認します。購入した状態でほとんど曲率はあっていると思いますが、浅い場合は、フレットボードの曲率より少し強めにRをつけます。フレット浮きを押さえるために重要なことです。足つきのフレットにRをつけるわけですから、このように加工した溝切ラジオペンチを使っています。このラジオペンチは、先の曲がったものにフレット足を挟めるように加工されています。

フレットを打ち込む工具.JPG
フレットを溝に打ち込むためには、金属製のハンマーはフレットを傷つけるのでプラスチックハンマーを使います。フレットボードを傷つけることがかなり少なくなります。ネックを支える台は、このネックレストを使用しています。

このようなネックレストもあります。

まず、端から打ち込み、次に真ん中にずらしてを打ち込んでいき、最後に反対側の端を打ち込みます。打ち込みのコツは、フレットボードにハンマーヘッドが当たると痕が付くので、あまりハンマーを振り上げずに10mm位の高さに上げて打ち込みます。叩くというよりも押し込む感じで打ちます。

エボニー材の場合は、硬いので一度に少ししか入っていきません。何回か往復させて全体を打ち込んでいきます。

2割程度打ち込めたら、ここからは、かなり強く打つ必要があるので、フレットを直接プラスチックハンマーで打ち込まずに、木片を介して打ち込みます。

9割程度まではスムーズに打ち込めますが、どうしても最後は0.2mmほど隙間ができます。

ここをぴったりと打ち込むために、フレットセッターを使います。隙間に対してピンポイントで力がかかるのでフレットボードとの隙間がなくなります。

フレットがまだ浮いている状態でこの工具を使うとその部分だけ打ち込まれるので、凹んだ状態になるので注意してください。

1フレットから打ち込むのが短くて慣れやすいのですが、20フレットからやるのが良いかもしれません。高フレットはどうせ使わないので、ミスしても修復しやすいという意味で。通常の長さを購入すると、3本分くらいは余るので、ミスしたら新しいものを使いましょう。


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サイドにトップ・バックを貼る。 [woodwork]

トップやバックの貼り付け自体は、取り立てて複雑なことはありません。
貼る前にモールドに入れたサイドにトップとバックをスプールクランプで固定して、ボイシングをするので、サイドのトップ及びバックのブレースと嵌合する部分の切り込みを入れる等、それまでの準備が大変です。

テールエンド接着.JPG
サイドを作ります。
・サイドはベンディング後、モールドに入れてテール側の木目を合わせます。
・テールエンドの飾りを付けないため、完成時にテールエンドの木目がそのまま出るので、ぴったりと合わせる必要があります。
・木目がずれないように合わせて、サイドの接着と同時にテールエンドブロックを接着します。
・ロワーボウトの厚さを115mm、アッパーボウトは厚さ100mmです。
ネックブロックを接着.JPG
・次にネックブロックをネック側サイドと同時に接着します。
ライニング貼り付け.JPG
・ライニングを貼り付ける前に、厚さを完成時に近づけておかないと、ライニング自体を削ることになります。
・ライニングを貼り付けます。
・サイドの木目に沿った割れ防止のために、スプリントを貼り付けます。
・トランスバースブレース、Xブレース位置に切り込みを入れ、ブレースとライニングを嵌合するようにします。バインディングをしないので、サイドを厚み方向に残して、カットします。ここまでが準備段階です。

トップとの嵌合調整が終わったら、サイドをモールドに固定して、さらに、トップをスプールクランプで留めて、ボイシングを行います。この時点でトップを貼り付ける準備はすべて整っています。

トップ接着内側.JPG
 次に、トップとバックをサイドに固定することで、完成状態でモールドに固定して、ボイシングできるように、バックも貼り付ける状態に加工します。
・トランスバースブレース、第2ブレース、第3ブレース位置に切り込みを入れ、ブレースとライニングを嵌合するようにします。バック側もバインディングをしないので、サイドを厚み方向に残して、カットします。ここでバックを貼り付ける準備も整いました。

モールドを介して、トップ、バックをスプールクランプで留めることにより、トップとバックの周囲をスプールクランプで固定してボイシングします。トップ、バックのボイシングが終了したら、トップを接着します。サイドとトップの嵌合性は確認されているので、接着面を均して隙間を確認します。

トップ接着完成.JPG
接着するときには、モールドを製作した時のギター型の板(12mm)を上からスプールクランプで共締めして留めます。以前の記事にも書きましたが、スプールクランプだけでは、その間が浮き気味になるので、それを抑えるために使います。45%RH以下の低湿で接着するのが良いとされています。
バック貼り付け.JPG
バックもモールドを製作した時のギター型の板(12mm)を介して接着します。
バック側はブレースにもRを付けているので、バックの場合は、周囲に2mm厚のコルクを貼った側を使います。


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ネックブロックをサイドに接着する。 [woodwork]

0.テイルブロックの貼り付け
モールドの中でサイド2枚とテイルブロックを接着します。ブックマッチしたときの木目が一致するように左右の厚み位置を調整します。トップ側はネックでなくなるため、まずトップ側の厚み調整を粗く行い、その後バック側の厚み調整をシビアに行います。
接着前のネックブロック.JPG
1.貼り付け前整形
ネックブロック自体は完成していますが、ネックブロックの前面(サイドに接着する面)に基準面(マジックの線の面)を作り、深さ方向20mmで揃えます。
バック側の木目合わせ.JPG
2.サイド:ブックマッチに貼り合わせる面を合わせる。
モールドを留めたときに、サイドの合わせ具合とモールドの合わせ具合の調整をします。(今回はきついので0.5mm程度削る。)
ネックブロックを仮止め.JPG
3.ネックブロック仮止め
タイトボンドで接着する工程では、必ずタイトボンドを接着する前に仮止めを行い、工程を決めます。タイトボンドが塗った後では、工程に不具合があっても直すことが困難になります。
①タイトボンドがはみだして、モールドと接着しないように、サイドとモールドの間にシートを挟む。
②サイドの周囲に引いた20mmの高さ基準の白線にモールドを合わせる(これはモールドの高さを一定にすることで、モールドの高さ方向のバラツキを抑えるためです)。
③木目のズレがないようにモールドのヒンジを留める。Fクランプでサイドとモールドを留める。(計10ケ所、最後に貼り付けるトップ側が開いている部分をモールドに固定する。
④ネックブロックをあてて、 右側真ん中からFクランプで留める。
⑤左側真ん中を留める。
⑥右側下側を留める。(隙間がある)→隙間をなくす。
⑦真ん中下側を留める。ネックブロックからサイドが少しはがれているのを留める。
⑧左側下側を留める。
⑨右側上を留める。
⑩左側上を留める。
4.ネック取り付け面の平面性を確認する。
5.ネックブロック中心とテールブロック中心を確認する。
  ネックブロックのサイドとトップ側をシャーペンで印をつける。
ネックブロック接着.JPG
6.ネックブロック接着
タイトボンドをネックブロックに塗り、サイドに書いた印に合わせて、仮止めで決めた工程を繰り返す。
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木のロゼッタ [woodwork]

オリジナルギター2では、木を利用しました。音には全く関係ありませんが、この部分に何もつけないとトップのデザインのポイントがなくなってしまいます。何らかの装飾が必要です。
ドレメルルーター.JPG
円形の溝を開ける工具としては、Soundhole and Rosette Routing Jigを使います。これはドレメルルーター用で、とても便利です。

購入済みのLMIのブリッジプレート材(マダガスカルローズウッド)がありましたので、これをロゼッタに使用します。
ブリッジプレート材からの部品どり.JPG
方眼紙にロゼッタの形を書き、これに合わせるようにブリッジプレート材を切って、あてはめていきます。
部品切り出し.jpg
ドレメルルーターで部品を切り出します。
厚さを整える.JPG
MDF材にトップに掘る溝と同じものを作り、部品を当てはめて厚さを削っていきます。ブリッジプレート材だったので4mm→1mmにしました。

溝を開けるのには、少しコツがいります。
ロゼッタ溝加工.JPG
トップ材のサウンドホールの中心にΦ4.5の穴をあけます。裏面からMDF材を当て補強したほうが鉄芯が安定します。
 矢印方向は外側を削る時の方向です。内側は逆方向に削ります。とはいっても、周囲の木目のバリが激しいです。木目がバリとして残るので、事前に丸カッターで周辺をカットしておいたほうがうまくいくと思います。

バリの出ない切削方向は、
・削る外側を残したい場合(サウンドホール、ロゼッタ外側)
図の矢印方向
・削る内側を残したい場合(ロゼッタ内側)
図の矢印とは逆の方向
です。

トップにはめ込む.JPG
面積はちょうどぴったり収まりました。マダガスカルローズウッドは木目が綺麗ですが、バリが取り切れません。

ロゼッタ端には、パーフリングを入れた方が境目が綺麗にできます。



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ライニングを貼る [woodwork]

ライニング材はいろいろありますが、これを使用しています。クラシックギター用のリバースタイプがブレースを嵌め込むための切込みがうまく加工できるかもしれません。
ライニングを留める.JPG
ライニングを留めるには、ミニクランプダブルクリップ25mmを使います。

ライニング材をボディにあてて、ミニクランプとダブルクリップを実際に使用して、留めて長さを決めます。長さが決まったら、接着剤で接着する前にクランプを全部使って必ず事前確認を行いましょう。個数が足らなかったり、部材が剥がれていたり、アクシデントがないようにします。

ライニングを貼ること自体は特別な技術は要りません。

重要なのは長さをぴったりに合わせることとボディと隙間ができないようにミニクランプとクリップを密にして留めることです。


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サイドスプリントを貼る [woodwork]

サイドスプリントを貼る.JPG
機能としては、サイドの木目方向の割れ防止です。

D28.JPG
マーチンD28(1983年製)は、幅12mm厚さ1mm以下の薄い板をアッパーボウト頂点から片側10枚、計20枚貼っています。なるべく軽くなるように考えているのでしょう。

オリジナルギター1では、片側6枚で始めましたが、マホガニーのサイド割れが心配になり、12枚に増やしています。

別の機能として、サイドの剛性を上げ、重くし安定させ、モノポール共振範囲を広げるといった意味もあります。

サイドマススプリント.JPG
オリジナルギター2では、片側10枚に加えて、Gore&giletの本で示されているマス(重り)を追加するためのストリップを付けています。マス(重り)を付けることにより、サイドの運動量(重さx速度)が増え、その反動でトップの振動面積が増え、音質が向上するといわれています。剛性を上げるのと同じ効果があるようです。試した結果はいつか報告します。

次はダブルサイドを試してみようと考えています。この場合は、当たり前ですが、サイドスプリントはいりません。

サイドスプリントは、基本的にバックの端材を利用して作りますが、幅はできるだけ細く、8mm以下にした方が無難です。幅広だとボディの曲線にうまく嵌らないことがあります。厚さも2mm以下にした方が良いでしょう。

サイドスプリントの数を増やし、厚くして、ダブルサイドのように剛性を上げて、重さを稼ぐ方法もあります。

あまりやりすぎると重くなりすぎて、もち辛くなるので注意して下さい。

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サイドベンディング [woodwork]

ベンディングアイロン.JPG
サイド曲げは、同じ長さや幅でも木材の種類でやり易さが異なります。
この動画のようにベンディング専用治具でやる方法もあり、この方法が確実だと思いますが、かなり大がかりな治具なので、私はベンディングアイロンを使っています。

サイド作図.JPG
サイドに作図する時からの準備が重要です。
000タイプのボディサイズの場合、サイド片側の長さは750mmです。
ネック側始点(木目を左右で合わせるために引き直してます。)から
①アッバーボウトの頂点:125mm
②ウエスト:280mm(〇がついている所、曲げ方向が反対になる。)
③ロワーボウトの頂点:520mm
ベンディングする頂点に木目方向に垂直に線を引きます。そこがベンディングをするときの開始点になります。

曲げる前に木に霧吹きを使って曲げる5分前に水をかけておきます。
曲げ具合を見るために、モールドを用意しておきます。

モールドに嵌める。.JPG
1.ウエストから曲げていきます。ウエストは曲げ方向が他の部分とは逆ですから、作図時にも反対側に線を引いておきます。
 ベンディングアイロンは、高温にしておきます。メモリはMaxから1つ下です。設定温度に達するのに30分位かかります。ローズウッドは、温度を上げ過ぎると焦げやすいのとヤニがアイロンにつきやすいです。両手で力をかけ、ゆっくり曲げていきます。アイロンに木を当てておくと直ぐに水分は蒸発してしまいますから、こまめに霧吹きで水を吹きつける必要があります。ある程度の角度になったら、モールドにあてて確認します。まだ角度が足りないなら、水を吹いて、さらに曲げていきます。

2.次にアッパーボウトに移ります。アッパーボウトの頂点から同じように曲げていきます。円形の形状に合わせてベンディングアイロンに接する点を少しづつずらしながら行います。ウエストと交互にモールドに合わせて曲げ具合を確認しながら行います。

3.最後にロワーボウトの頂点から同じように曲げていきます。形状に合わせて少しづつ接する点をずらしながら行います。

4.全体が整ったら、モールドに嵌めてクランプに止めて一昼夜置きます。

サイド曲げ終了.JPG
マホガニー、ローズウッド、メイプルで経験しましたが、木によって曲げ易さが異なります。マホガニーは脆く曲げるのには注意が必要です。ローズウッドは硬いですが粘りもあり、かなり強く力をいれてもそれなりに曲げることができます。メイプルは木自体が柔らかく、腰もあり曲げ易いですが、癖がつきにくいです。

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サイドの厚さ調整 [woodwork]

サイドの厚さが、音にどう影響するかは難しいものがあります。これに関しては、別の機会に譲ることとして、サイドの厚さはベンディングをやり易さで決めます。

同じ長さや幅でも木材の種類でサイドベンディングはやりやすさが異なります。インディアンローズウッドは粘りがあり比較的曲げやすいと感じました。アフリカンマホガニーは、ローズウッドより脆い感じがします。

厚さはいずれも2.0mmにしました。

電動サンダーを使いますが、それでも結構な工数がかかりますし、粉が飛んで汚れが激しいので、外で行いました。

厚さ指定して購入するのが賢明です。

電動サンダー.JPG
電動サンダーは、BLACK+DECKER KA2000を使っています。底面に専用のサンドペーパーをマジックテープで貼る構造になっています。AMAZONのコメントにもありますが、集塵機能は期待できません。専用のサンドペーパーには、そのための穴が空いていますが、この機能は使っていないので、アマゾンで売っている汎用のアイロン型サンドペーパーを使っています。自分で改造して、掃除機のノズルを直接繋いで使っている人もいるようです。今度試そうと思います。

サンドペーパーの粗さは、#40,#60,#80,#120ともっと細かなものまでありますが、厚さ調整にはこの辺りでしょう。木の表面や種類で必ずしも粗い番手が良く削れるというものではないようです。使い勝手を少し試してみてから、本格的に使います。

音が結構しますので、周辺への注意が必要です。振動が大きく、手がしびれますが、研磨性能は手動に比べて桁違いです。

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穴を開ける。 [woodwork]

ギター製作工程で「穴を開ける」のは大事な工程です。
1.ペグ・チューナー取り付け
2.ネック取り付けブロック
3.ブリッジピン
4.フレットボードポジションマーク
について説明します。

使用する使用するドリルビットです。
・2mm(これだけ金属用、先がないもの)フレットボードポジションマーク
・2.5mm 径の大きな穴を開ける時に中心に誘い穴を開ける。
・5.0mm ブリッジピン穴 ネック取り付けブロック穴(M5)
・6.0mm ネック取り付けブロック穴(M6)
・7.5mm M5鬼目ナット取付穴 トラスロッド調整穴 ペグチューナー表穴
・8.5mm M6鬼目ナット取付穴 ネック側
・10.0mm ペグチューナー裏穴(推進力のないもの)
・面取り ブリッジピンの面取り用
以前にも書きましたが、何本かセットになったものが売られていますが、使うものと使わないものがはっきりと分かれます。ドリルビットは必要なものだけを購入しましょう。 そうしないと道具箱がビットだらけになります。

1.ペグ・チューナー取り付け
使用するビットは、
・2.5mm 径の大きな穴を開ける時に中心に誘い穴を開ける
・7.5mm ペグチューナー表穴
・10.0mm ペグチューナー裏穴(推進力のないもの)
です。
 ペグ・チューナーGOTOH SGS510Z-S5-L3+R3-Chromeは、ロトマティックタイプで、穴の大きさが決まっています。深さのキャパシティは14〜16mm(GOTOHのどこかの資料に載っていました)なのでヘッド厚みは16mmを想定しています。

チューナー相対位置.JPG
まず、重要なのは相対位置です。これには写真にあるように方眼紙に書いた図をヘッドに貼って決めています。より確実に開けるためには、アクリル板でヘッドテンプレートを作った方が良いと思います。

チューナー深さ.jpg
次に垂直に開けることです。これはボール盤で行うのが確実ですが、もっていないので電動ドリルを使います。
 最初にΦ2.5のビットを使って、中心に貫通穴を開けます。この垂直度が相対位置を決めるのでスコヤなどでガイドして垂直度を確認します。

3番目は深さです。上穴はΦ7.5(図に載っていません)下穴はΦ10のビットを使用します。以前にも書きましたが、穴が貫通しないように推進力のないものを使用します。深さはチューナーの厚みが10mmあるので11mm開けるとして、上穴は5mmの深さです。当然ですが当て木をします。

チューナー仮付け.JPG
チューナー取付穴はΦ2.4なので、ドリルビットは使わずにキリで深さ3mmの誘い穴を開けて後はネジがスクリュータイプなのでゆっくりとねじ込みます。ここも垂直度に注意します。
チューナー取付穴は、写真にあるようにチューナーを仮付けし6個のバランスを確認してから、現物で位置決めをします。

2.ネック取り付け
ネック取り付け1.JPG
ネック取り付け2.JPG
ネック取り付け3.JPG
ネックブロック側には、Φ6.0の貫通穴を2か所、ネック側には、鬼目ナットを取り付ける穴を2か所開けます。最初に、ネックをネックブロックに固定して位置合わせを行ったところで、ネックブロック内側からΦ2.5のビットで中心を決めます。ネックにも穴の中心が写るように開けます。
フレットボード裏を固定する穴1.JPG
フレットボード裏を固定する穴2.jpg
フレットボード裏を固定するΦ5.0の貫通穴を2か所は、部品の段階で開けて置き、最終的にフレットボードに補強部材を固定するときに位置合わせをします・

3.ブリッジピン
このブリッジにはピン穴が途中まで開いており、サドル溝も切られています。
位置決めが重要です。
サドル位置.JPG
サドル位置とブリッジ前端との距離を正確に測定しておきます。
ブリッジ個体間で0.5~1.0mm程度のズレがあります。(写真はスマホのカメラなので上からの位置がズレています。)サドル基準でブリッジ位置を決めます。今回のブリッジは7.5mmでした。
ブリッジ位置.jpg
スケール長:632.5mmとすると、0フレットから14フレットまで:350.7mm
よって、ボディ端(14フレット)からサドル中心まで:632.5-350.7=281.8mm
これに、以下の補正を加えます。
弦の振動補正弦の振動補正:2mm
・1弦から6弦までの斜め補正の1/2:1.5mm
よって、ボディ端からサドル中心は。285.3mm
ボディ端からブリッジ端までは、285.3 - 7.5 = 277.8 mm になります。
ブリッジピンの穴あけ.JPG
この位置に、両面テープでブリッジを留めて、Cクランプで固定して1ピンと6ピンから穴を開けます。
ブリッジボルト.JPG
2ピンから5ピンまでは、ブリッジボルトで留めて穴を開けます。

ブリッジピン穴の仕上げ.JPG
ブリッジピン穴の面取りのビットを3種載せましたが、結論から言うと右端の砥石(カインズホーム)が良いです。左のビットは出来上がりが綺麗にならない、中央は角度が強すぎです。

4.フレットサイドマーク
貝のΦ2mmフィンガーボードポジションマークを使います。
サイドフレットマーク.JPG
フレットボード横に穴開けを行います。これは、電動ドリルは使用せずに、ドリルビットだけを使用して、手で回して穴を開けます。この方が間違い(薄いところで削り過ぎる)が少ないです。オリジナルギター1では、フレットボードはローズウッドだったので問題ありませんでしたが、黒檀(エボニー)は固いため、木工用のΦ2.0のビットでは先端が折れます。
金属用ビットΦ2.0を使いましょう。

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ネックヒールとボディの曲面の隙間をなくす。 [woodwork]

ネックとボディの接する部分の加工にはちょっとしたコツが必要です。

分かってしまえばあたり前のことですが、オリジナルギター1を作るときには、これを理解していなくて隙間をなくすのに苦労しました。オリジナルギター2ではうまくできました。

ネック側の接触面.JPG
周辺を残してノミで中心部分をえぐり取ります。ボディ側は曲面なのでネック側の接触面が平らならば、当然隙間ができるわけです。内側をえぐることにより接触する面の周辺がボディ曲面と接して、ピッタリします。後は、ボディとネックの隙間に#400の紙やすりを入れて、引き抜くようにすればさらに接触度が上がり、隙間がなくなります。

ヒールとボディの曲面の隙間.jpg
さらに気を付けなければならないことは、ヒールのボディ密着部は緩やかに湾曲しているのでサイドばかりを気にしていると、ヒールに削った跡が残ってしまうことがあるので注意します。写真は少し残っています。この程度であれば、均してヒールキャップで隠すこともできます。

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ネックブロック組立 その1 [woodwork]

ネックブロック.JPG
オリジナルギター2は、ボルトオンーオフ構造で進めます。

ギターのすべての部品(トップ、バック、サイド、ネック、フレットボード)が集まるところなので、様々な制約を受けます。

ネックとボディが接続される周辺(部品)寸法は、
①ネックの仕込み角度
②ネックに埋め込むトラスロッドの深さ
③トップの平面性
fallawayをどうする?
等、すべて絡んでいるので、全体の調整をどう進めていくか試行錯誤しながら進めています。

ルーターで加工するのが常套手段ですが、持っていないので、手持ちの道具でどうできるかを考えながら進めました。

ネックブロックをいくつかの直方体に分けて、タイトボンドで貼り付けることにします。

部品切り出し.JPG
マホガニーのブロックから全部で6つの部品を切り出し接着します。

ネックブロック第一部材接着.JPG
フィンガーボードがボディに入る部分を受けるところです。

ヒール部分接着.JPG
バックに接着するヒール側の部材とネックが収まる部材を接着します。

全体接着.JPG
ネック部分が収まるとこをには、ダミー部材を入れて、寸法を確保します。すべてのパーツを合わせて完成です。

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フレットボードの作り方3 [woodwork]

9.フレットワイヤー20個の切断
フレットワイヤーは、一般的なスモールタイプ(フレットボード上で高さ1.0x幅2.0)は、国内メーカーでは三晃製作所、タイプはSBB-23(0.6mm)かSBB-217(0.5mm)です。販売は大和マークです。
 この2つの違いは、フレットボード溝に入る足の幅です。フレットボードはエボニー(黒檀)やローズウッドのような硬い木なので、この0.1mmの差は大きいです。リフレット時で既にフレットが打たれた後であれば、溝が既に広がっているので、0.6mmです。新しく溝を切ったならば、0.5mmでしょう。特にエボニーは硬いので0.5mmを使用したほうが無難です。もちろん使用する鋸の厚さによります。海外メーカーではJim Dunlop、Jescarなどがあります。

Goldタイプもあります。Jescar EVO“Ni-Free” Gold No.43080Eです。通常のニッケルシルバー品よりやや硬いです。

フレットキーパー.JPG
ワイヤーを1~20フレットにあった長さにカットした後、フレットキーパーに納めます。フレットは各々長さが異なるので、フレットがバラバラにならないための治具を用意しておくことは重要です。これに順番にフレットを差しておきます。

使用する工具類は、ここを参照。

10.フレットに曲率をつける
溝切ラジオペンチ.JPG

フレットを打つ前に、フレットボードの曲率より少し強めにRをつけます。フレット浮きを押さえるために重要なことです。足つきのフレットにRをつけるわけですから、このように加工した溝切ラジオペンチを使っています。このラジオペンチは、先の曲がったものにフレット足を挟めるように加工されています。フレットベンディングプライヤーもあります。

11.フレット端の足を詰める。
端切り.JPG
両端の足を切り、やすりで磨きます。これはMUSTの作業ではありませんが、冬になると木と金属の膨張率(収縮率)の違いでフレットワイヤーがフレットボードの両端から出てきて、これが微妙に手にふれてザラザラとして違和感になります。これを防ぐためには、打ち込む前にフレットワイヤーの両端の足を2mm位落としておくのが良いです。普通のニッパと金属ヤスリでもできますが、これだけで1日かかります。フレットタングニッパーがあると便利です。

12.フレットを打ち込む。
フレットを溝に打ち込むためには、金属製のハンマーはフレットを傷つけるのでプラスチックハンマーが必要です。

押し込むタイプの工具が販売されていますが、ハンマーで済ませています。

まずは、端から打ち込みます。次に反対側の端を打ち込み、最後に真ん中を打ち込みます。打ち込みのコツは、フレットボードにハンマーヘッドが当たると痕が付くので、あまりハンマーを振り上げずに10mmの高さに上げて打ち込みます。叩くというよりも押し込む感じで打ちます。

ネックに貼り付ける前に、フレットボード単体の方が打ちやすいですが、通常はネックに付いた状態でフレットを打ち込みます。短い1フレットから順に打っていったほうが慣れてくるのでいいと思います。

打ち込み終わったら、フレットの両端をフレットカッターででっぱりを切り取ります。切くずは危ないのでしっかりと回収しましょう。

13.マスキングテープを貼る。
マスキングテープ.JPG
ネックと平行にフィンガーボード側面が隠れるように、ネックエンドまで貼り、そのあとでフレット間をマスキングしていきます。

14.フレット端処理
フレットレベラー(に取っ手を付けました)で側面を平らにし、
角度60°でヤスる治具.JPG
次に端をフレットボードとの角度60°でヤスる治具(これもフレットレベラーに取っ手を付けた自作です。市販もされています。)で揃えます。

15.フレットの高さを揃える。
すべてのフレット端処理が終わったら、フレット高さの調整をします。フレットレベラーでトップを粗く高さ調整し、平らにします。

曲尺で確認.JPG
小型曲尺を使用して、両隣のフレット合わせて3フレットで高さがそろっているかを見ます。押さえつけて高さが違うとカタカタと音がします。フレットの真ん中、左端、右端の3カ所で確認します。フレットが高い箇所にはマジックペンなどで印をしておきます。

フレットファイル.JPG
その後、フレットファイルでフレットの山を丸く整えていきます。フレットファイルは、幅が広めの物を使います。スモールサイズ(幅2mm)用はピッタリすぎて動きません。

16.フレットを磨く
#400.JPG
スチールウール.JPG
紙ヤスリ(#400)⇒スチールウール⇒コンパウンドの順にフレットを磨いていきます。この順番は、ギター工房オデッセイさんのリペア情報を参考にさせていただきました。

17.さらにエッジを丸くしていきます。
仕上げ.JPG
ここの工程はフレットワイヤー一本一本についてやっていくので、すごく時間がかかります。但し、ここでワイヤーのエッジを丁寧に丸く仕上げておくかどうかで演奏性が全く違います。

18.溝を埋める。
溝を埋める。.JPG
最後に、フレットとフレットボードにできた隙間をパテで埋めていきます。パテは、フレットボード表面をサンディングするときに出る粉を集めておきます。これにタイトボンドを混ぜて作ります。この隙間を埋めるのは、外観の問題です。固まったらサンディングします。




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フレットボードの作り方2 [woodwork]

5.外形カット
溝が切り終わったら、中心線を真ん中にして、斜めにカットします。完成寸法は、0フレットで幅43mm、エンドで幅60mmです。両辺に2mmの余裕をもってカットします。鋸は、レザーソー 180mm 薄刃を使います。
エボニーやローズウッドは硬いですが脆いので、切る方向以外に力がかかると折れるので注意します。

6.整形
・ナット接触面(基準面)
0フレットとナット接触面は4mmあります。ナット接触面を平らにします。
・サンドペーパーで両辺幅方向に1mmの余裕をもって整えていきます。モールドを作った時に残った端材(600 x 45mm)に#60の紙やすりを貼って使用しています。
・エンド
20フレットを最終フレットとして考えると、エンドは454.7(4+350.7+100)mmになります。ここをどうするかは、全体のデザインによります。サウンドホールの端にぴったりの長さです。

7.ネックに貼る。
これから後の工程(フレットボード表面に曲率をつける、フレットを打ち込む)は、ネックに貼って一体化してから行います。ネック側の握り整形をする前(ネックが平らなうち)に、フレットボードと接着します。接着時の隙間をなくします。
ダミーナット.JPG
まず、ヘッド板は接着済みなので、ダミーのナット(5mm幅)をヘッド板とフレットボードで挟み込んでフレットボードの位置決めします。
ネックに貼る.JPG
Fクランプを左右交互に隙間なく。留めていきます。トラスロッドが金属で、補強ロッドがカーボンなので、木との接着性を考えて、エポキシ接着剤を使います。接着工程の前に必ず同じ工程をシミュレーションします。これをしないと、接着剤を付けた後に、クランプが足りなかったり、うまく止まらなかったりして、苦労します。

8.曲率をつける。
サンディングブロック10Rと12Rに紙やすりを貼って使用します。
10Rと12Rが裏表のものを使用しますが、サンドぺーパーを貼る時には、貼る前にマスキングテープを貼ってから両面テープを貼ります。 剥がすときに苦労しないように。

まず、12Rを使って全体を整えます。次に0フレットから8フレット当たりに10Rで少し強めの曲率を付けます。計算上は0フレットは9.5Rですが、10Rにしました。境目は握りやすさで決めていきます。



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フレットボードの作り方1 [woodwork]

1.フレットボード材購入時にすること
 厚さを5.8mmに指定して購入します。フレットボードを含むネックの仕上がり厚さを、1フレットで20.5mm、7フレットで21.5mm、10フレットで22.5mmとすると、1フレットで15mmはネックベース(フレットボードを除く)として割り当て、5.5mmがフレットボードになります。
 こう考えると、市販されているものは8mmありますから、6mm以下にしてもらわないと硬い木材を自分で削らなければなりません。
 トラスロッド厚さが12mmなので、1フレット位置での厚さ余裕は3mmしかありませんから、溝が深すぎないように注意します。

2.寸法決定

フレットボードスケール長.jpg
スケール長とネック幅(ナット部の幅43mm、フレットエンドの幅は60mm)を決めると他は自動的に決まります。今のギターの計算例です。各フレットまでの距離は、よく言われるように 2^(1/12)=1.05946309..ですから、スケール長をL0とすれば、1フレット目は、サドルから L0 / 1.05946309.. =L1の距離になるように、2フレット目はサドルからL1/1.05946309..=L2の距離になるようにすればよいわけです。フレット間隔がなぜそうなるかはこのページを参照してください。
フレットボードの曲率は、こう計算します。

3.基準面を決める。
まず基準面を決めるために、エッジをベニヤ板(ボディのモールドを作った時に残った端材 600 x 45mm)に紙やすり#60を貼ったものでヤスリがけします。後ででてくる治具Fret Slotting Miter Boxを使用するためには、フレットに対して垂直な基準面が必要になります。

4.作図
この基準面に平行に70mm幅の線をシャーペンで引きます。次にスコヤ
を使って、横方向の基準線(ナット接触面)を引き、そこから4mmが0フレットの位置です。全長は454.73mmです。
幅方向に中心線(両端から35mm)を引き、さらに、0フレットで43mm、エンドで60mmになるように、両端に斜め線を引きます。

各フレット間隔の線は、フレット溝切にFret Slotting Miter Boxを使うため、引く必要はありません。

表中のフレット幅はフレット間隔に比例して計算してあります。

4.溝切り
フレット用の溝を切っていきます。フレット溝切にFret Slotting Miter Boxを使います。使い方を書きましたので見てください。
 これは、使用している治具の中で最も優れモノの1つです。スケール長は、Martin short 24.9inch(632.46mm)と long 25.4inch(645.16mm)のピッチのテンプレートがありますので、このどちらかにするならば、治具が自動的にやってくれます。他のフレットピッチのテンプレートのオプションもありますので、それがよければStewMacから購入してください。

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ネックの握り形状の調整 [woodwork]

ネックの握り形状の調整は最後の工程になります。

ネック途中の状態.JPG
勿論、途中でフレットボードを貼り付けやすいように、真ん中だけ平面を残してここまでは削ります。
フレットボードは表面が整えてあるので、傷つけないように。

工具としては、シントー のこヤスリ L E2101タジマサンダー荒目 SA-50Aを使います。

形状は、個人の好みですが、所有している shenandoh M000-45(youtube 1:35あたりから)に似せるために、ネックテンプレート(形状治具)を作りました。ヘッドとの繋ぎ部分、ヒールとの繋ぎ部分は中々図面には表しにくいので、自分の感覚で仕上げます。

各フレット位置の厚さ.jpg
中心の高さを決め、この程度の値まで追い込みます。そこに中心線を書いておきます。この線は最後まで消えません。

ネック途中の状態2.JPG
次に鋸ヤスリとサンダーを使って、1フレット、5フレット、10フレットのネックテンプレートをあてながら、形状を整えていきます。中心よりもエッジから削ります。

鋸ヤスリは思った以上に削れるので、最終段階では使いません。

ネック握り形状完成.JPG
最後は#180の紙やすりで全体を整えます。


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フレットボード接着の順序 [woodwork]

フレットボード接着はネックの握り加工前に行います。

オリジナルギター1,2では、ネックの握り加工をした後に行いましたが、たとえ ネックサポート治具を使用したとしても接着面に均一に力を加えることは難しく、その結果、フレットボードとネックベース間に隙間が発生しやすくなります。フレットボード側も表面を曲率加工する前に、ネックベースに接着します。

フレットボードとネックベースを別々に完成状態に近づけて接着していたのを、接着してから形を整えていくというように順序を変更したので、ネックの組立工程もかなり影響を受けます。

フレットボードとネックベースを接着してから、ネック形状を整えるということは、フレットボード表面を傷付けないよう注意する必要があります。


接着剤は「エポキシ系」を使います。

接着面は、木(マホガニー)とアルミ(トラスロッド)とカーボンファイバーロッドです。なんでも対応できるエポキシ系にしました。

オリジナルギター1と2ではトラスロッドとカーボンファイバーロッドに木の蓋をしたので、100%木と木の接着だったので、タイトボンドを使用しました。(トラスロッドとカーボンファイバーロッドの埋め込みには勿論エポキシ系接着剤を使用しています。)この蓋は必要ないです。むしろ、木は柔らかいので無いほうが良いです。

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ネック外形精密削り [woodwork]

ネックをフレットボード部/ヒール部/ネックブロック嵌合整形/ヘッド繋がり部/ヘッドの5つの部分に分けて整えていますが、出来上がりからの余裕を1mm程度に加工します。

ネック精密削り出来上がり寸法.jpg
1.フレットボード部の厚み出しと幅加工を行います。最終的な調整はフレットボードを貼り付けた後行うので、ある程度余裕をもっておきます。サンディングバータジマサンダー荒目 SA-50Aを使います。

フレットボードを貼り付けのために平面に.JPG
ネック中心部は、フレットボードを貼り付けのために、平面にしておきます。

2.ヒール部幅方向を14フレットで58.5mm ネック端で59.7mmまで削ります。 ネックブロックに入るようにこの部分は最終寸法まで調整します。

ネックブロック仮付け.JPG
3.ネックブロック仮付け
ネックブロックに仮付けし、嵌合具合をみます。

ヘッド精密加工後.JPG
4.ヘッドの凹部を丸棒にやすりを付けて、整えます。ヘッド厚は14.6〜14.8mmにします。ここでもサンディングバーとタジマサンダー荒目 SA-50Aを使います。

5.ヘッドとネックの繋がり部も丸棒にやすりで整えます。


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トラスロッド&補強カーボンロッド埋め込み [woodwork]

トラスロッド&補強カーボンロッド埋め込み.JPG
トラスロッド&補強カーボンロッドの溝は、ネックサイドとの平行が出ているネック加工工程の最初に行います。埋め込みは、ネックの握り加工を行う前に行います。

溝加工が終わった後、2つのロッドを埋め込んでいきます。

オリジナルギター1と2では、ロッドを埋め込んだ後、その上に木で0.5mm厚の蓋を作っていましたが、この蓋自体に意味がない、というよりスプルースやシナ材などの柔らかい木で作ったのでは、クッション材となりかえって良くないのではと思い、やめました。

よって、深さはトラスロッド10mm、カーボンロッド9.5mm面一に合わせて溝は作っておきます。

木同士の接着ではタイトボンドを使うのですが、アルミとカーボンと木の接着には、エポキシ接着剤を使います。エポキシ接着剤は隙間に入り込んで圧力がかからなくても固まるので、ここには適しています。

写真は、埋め込み後の状態です。フィンガーボードをいっぺんに接着しようとも思いましたが、別々に行いました。

トラスロッドエンドに気泡ができていますが、これはエポキシ接着剤で埋めました。

ポイントは、トラスロッド・ネジ部に接着剤が入り込まないようにマスキングして、なおかつ、組み込んでフレットボードを貼った後、マスキングがすぐとれるようにしておくことです。



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ネック:ヘッド加工 [woodwork]

への字材 を購入し、サンディングバーを2枚並べて、その上を滑らせるように切りっぱなしの表面を均して整えます。

厚さは、GOTOHSG510シリーズの使うことを前提に考えて、ヘッド厚のキャパシティは、15~15.5mmが最適です。ヘッドプレート分を2mm取って13~13.5mmがヘッドベース厚分になるので、削り代の余裕を見て16mm厚にカットします。カットには鋸:Z ハンディ200が適しています。購入時に16mmに指定してもよいかもしれません。

ヘッド側面を斜めにカット.JPG
ヘッド形状をシャーペンで写した後、側面を斜めにカットします。

ナット位置までを斜めにカット.JPG
さらに、ナット位置までを斜めにカットします。

16mm厚にカット.JPG
16mm厚にカットします。完成時にヘッドプレートと合わせて16mmとすると2.5mm程削る必要があります。

繋目処理.JPG
繋目をやすりで落とします。

ヘッド凹部を削る.JPG
ヘッドとナットまでの凹部を丸棒に、やすり#60を巻いて削ります。

ヘッドプレート設計図貼る.JPG
ヘッドプレート購入するか、または、バック端材を使ってヘッドプレートを作ります。
厚さは2~2.5mmです。これに設計図を貼り付けます。この時に両面テープを直接木に貼り付けると剥がすときに苦労するので、マスキングテープを貼ってから両面テープを貼り、設計図を貼ります。この目的は、ペグ・チューナー位置を相対的にズレないようにすることです。また、ヘッドに接着して、外形整形の基準位置にします。ヘッド根元の凹部の基準にもなります。

ヘッド板接着.JPG
ヘッドベースの中心とヘッドプレートの中心を合わせてヘッドプレートを接着します。
タイトボンドを使いますが、間に隙間ができないようにFクランプとクリップでしっかりと留めます。隙間ができそうなところには、Fクランプを追加します。

ヘッド繋目.JPG
ヘッド厚を確認し、15.5mmに仕上げます。裏面を削りますが、ネックとの繋目がスムーズになるように注意します。

ペグチューナーの取付穴の中心を目打ちで印をつけ、ヘッド外形が整ったら、ヘッド型紙剥がし、チューナー取り付け穴加工をします。

Φ2.5で中心穴を貫通させる.JPG
Φ2.5で中心穴を貫通させ、Φ7.5で表側から4mmの深さで開け、

Φ10で裏側 深さ13mm.JPG
Φ10で裏側 深さ13mmで開けます。Φ7.5では穴径がギリギリなので、表側からリーマーで穴を大きくします。

チューナー仮取り付け.JPG
チューナーを仮取り付けします。ヘッド厚さのキャパシティが取れているかを確認します。15~15.5mmが最適です。

最後に、ヘッド表面、側面、丸い先端をやすり#240で仕上げます。


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ネック外形中削り [woodwork]

ネックは全体を調整しながら、4段階(粗加工→粗削り→中削り→精密削り)で仕上げていきます。

外形を粗く整えた後、さらにやすりで形を整えていきます。フレットボード部/ヒール部/ネックブロック嵌合整形/ヘッド繋がり部/ヘッド厚を2mm程度の余裕をもって加工します。

仕上がり寸法.jpg
仕上がり寸法を確認しておきます。

フレットボード部幅調整.JPG
1.フレットボード部幅、厚み調整
幅は0フレットで46mm、ネックエンドで60mmになるようにサンディングバーで整えます。厚みは18mmにします。

R面とヒールのつなぎ形状.JPG
2.ヒール部
R面とヒールのつなぎ形状だしを行います。窪んだ面を削る時には削る時にはやすりと丸棒を使います。3次元的に変わる形状なので断面は図面で表せますが、微妙な形状の加工は感覚で行います。

ネックブロック仮付け.JPG
3.ネックブロック仮付け
ネックブロック幅を14フレットで59mm、それよりボディ側で59.5m幅にし、ネックブロックに嵌合させます。ボディ側はネック取り付け穴を開けるため、14フレットからネックエンドまで平行にしておきます。

4.ヘッド厚は15.5mmにする。
サンディングバーで、平面に整えます。

5.ヘッドとネックの繋がり部分を整えます。
ここもやすりと丸棒を使います。この段階では削りすぎないようにします。

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ネック外形粗削り [woodwork]

外形を粗く切り出した後、さらに鋸とやすりで形を整えていきます。
仕上がり寸法.jpg
仕上がり寸法を確認しておきます。

ヒールとネックとのつなぎ形状.JPG
1.ヒール部
ヒールとネックとのつなぎ形状を整えます。

フレットボード部19mmにする.JPG
2.フレットボード部
厚さを19mmにします。

ネックの粗削り終了.JPG
3.ヘッド部
ヘッド部は、1mmの余裕を残して円形に削ります。

4.ネックブロック接続
厚さを18mmにして、ネックブロック接続面を出します。

ネックの粗削り終了。


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ネック外形粗加工 [woodwork]

ネックの外形作図後、ネックの外形を整えていきます。
ネック外形粗加工、粗削り、中削り、精密削りと4段階に分けて進めます。
第一段階として、トラスロッドとカーボングラファイトロッドの溝加工後、鋸で粗く外形を切り出します。

幅を70mmにカット1.JPG
幅を70mmにカット2.JPG
①幅を70mmにカットする。
フレット部とヘッド部を含め、全体を幅を70mmにします。

ネック両側面を斜めに切断.JPG
②ネック両側面を斜めに切断
ナット幅44mm ネックエンド60mmの線を引き、その外側2mmのところを斜めにカットします。

ヘッドの斜めカット.JPG
③ヘッドの斜めカット
ヘッドも先端から最大幅70mmまで2mm程度の余裕をもって斜めカットします。

ヘッドの厚さ加工.JPG
④ヘッドの厚さ加工
ヘッド部の厚さを16mmにカットします。仕上げは14mmなので、2mm余裕を見ています。

ネックサブブロックカット.JPG
⑤ネックサブブロックを42mmにカット
への字ネック材にはヒール用材としてネックサブブロック(70x85x104mm)が付属しています。このブロックを厚みを半分にして42mmにします。これを厚さ42mmにカットします。

ヒール部カットライン.JPG
⑥ヒール部カットライン
42mmにカットしたサブブロックをネックに合わせてヒール部を作るためのカットラインを入れます。

ボディ側を19mmの厚さにする.JPG
⑦ネック:ボディ側を19mmの厚さにします。

ネックサブブロック接着.JPG
⑧ネックサブブロック接着
外形加工が終わったら、補助ブロックを接着します。接着面を良く濡らし、タイトボンドで接着し、一昼夜おきます。

ネック粗加工完成.JPG
ネック粗加工が終了しました。

P.S. への字タイプのネック材を未加工(厚さ27mm、幅120mm程度)のまま購入していましたが、幅を75mm(最大幅はヘッドの70mm)ヘッド部分の厚さ17mm、ネック部分の厚さ20mm(最大厚さは17.5m)に整形して購入すると「外形粗加工」をしないで工数が減ります。

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トラスロッド・カーボンファイバーロッドの溝 [woodwork]

ネック製作で最初にやる工程です。ネック材の右側に平らな面が残っている段階で溝を切っていきます。
ルーターベース.JPG
ルーターを持っていないので、ドレメルミニルーターにルーターベースを付けて使っています。

トラスロッド溝切.JPG
ネックは450mm程度あるので、これに真っすぐに溝を切っていくにはそれなりの治具が必要になります。ルーターベースの上下幅74mmに合わせて平行に動くように、モールドを作った時に余ったベニヤ板で、長さ475mmの枠をつくりましたが、今回は、ネックをボディまで食い込ませるようなスルーネック構造にしたため、枠の長さを40mm広げました。

これをネック材2本を並べた上にセットします。一本は使用するネック材、もう一本は高さを合わせるための台として使います。

トラスロッドの溝から加工します。

トラスロッドの組み込む方向は、調整ナットがボディ側になるようにしています。0フレット位置から10mmボディー側に入ったところから、ネックエンドまでスルーさせます。
ドレメルミニルーター用#654 Φ6.4のビットを使って、溝切を行います。
 ドレメルミニルーターはパワーがないので、トラスロッド幅12mmx深さ10mmの溝を深さ方向に、2.5mmx4回、幅方向に3回(Φ6.4なのでうまく微調すれば、2回で済むかもしれません)、合計12回に分けて溝切をしていきます。まず、ルーターベースの高さ調整ネジを一番締めた状態でビットの長さを10mmになるように合わせます。最後に10mmの深さを掘るのはこの状態です。1回目は、このビットを深さ2.5mmにして、両方のネジを締めます。ネジは手で締めただけでは、削る時の振動で緩むのでペンチで緩まないように固く締めることが重要です。2回目は、5mm、3回目は7.5mmにして掘ります。まず、溝の真ん中を6.4mm幅の溝を削り、左右3mm残った幅を順に削っていきます。

次に、カーボンファイバーロッドの溝を加工します。

カーボンファイバーロッドロッドは、0フレット位置から10mmボディー側に入ったところから、ネックエンドまで、410.7mmの長さで溝を掘ります。

ビットは#650 3.2Φを使用します。深さ9.5mmの溝を深さ方向に2.5mmx4回に分けて行います。トラスロッドの時と同様にルーターベースを一番締め状態でビットの長さを9.5mmになるように合わせます。最後はこの状態で掘ります。1回目は、このビットを2.5mm、2回目は5mm、3回目は7.5mm、4回目(最後)は9.5mmになるようにします。

大量の木屑がでるので、こまめに掃除機で吸い取ることが失敗を防ぎます。

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バックブレースをスキャロップする。 [woodwork]

バックブレーススキャロップ完成.JPG

バックブレースをどんな手順でスキャロップするかを載せておきます。

バックも、どのブレースも均等に削っていきます。

第1ブレースは、スキャロップしません。角材のまま補強材として使います。

第2ブレースは、左右とも中心より65mmからスキャロップを始め、最後の15mmは、一定の2mmの厚さにします。

次にラジアルブレースを中心(50mm)から両側に落として、山型にします。
第3ブレースの中央の平らな部分は約100mmの長さで、高さは約13mm、両脇は高さ20mmです。最終的なチューニングが必要な場合は、ギターが完成した後、フィンガープレーンまたは研磨紙を使用してこの高さを減らすことで行います。

ラジアルブレースは、2回目の測定で最終形にしておきます。ラジアルブレースは周波数を調整するというより、モノポール周波数を安定する目的で貼るので、調整する前に最終形にしておきます。

周波数は、第2、第3ブレースの山型の側面を削ることで調整します。

バック共振周波数.jpg

共振周波数の中で4番目が最大ピークで240Hzになるように進めます。

何番目かが不確かなので、勿論タッピングしてみて、そのサスティーンを聞きます。

ボーン、ボーンという感じで鳴ってくれば、完成が近いです。

トップと同様に板の状態では、攻めません。削り過ぎは取り返しがつきません。



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トップブレースをスキャロップする。 [woodwork]

スキャロップブレースをどんな手順で進めるかを載せておきます。

ブレースを高さ、幅方向にシェイピングして削っていくのを「スキャロップする」といいます。
「ホタテ貝」という意味があり、削られたブレースを意味します。

ブレース加工.JPG

私は、トップやバックに貼り付ける前に、横から投影された形にノコギリとノミとやすりで形を整えておきます。

この投影図はどう作るかというと前のオリジナルギターのものを使用しています。
なので、正確に言うと2台目からしかできません。

これをブレース接着位置に貼り付けてからブレースを削る工程に入ります。

トップブレース位置.JPG

モノポール周波数に影響の少ないブレースから削ります。フィンガーブレース→トーンブレース→Xブレースを1サイクルとして、少しずつ削っていきます。

1.フィンガーブレースを左右4本共両サイドを斜めに削る。
2.トーンブレースの上下の先端を削り、両サイドを斜めに削る。
3.Xブレース ロワーボウト
4.Xブレース アッパーボウト

1サイクル削ったら、タッピングして共振周波数測定、タッピング音を聞いて「硬さ」を調べます。手で曲げてみて、縦方向と横方向の硬さを調査します。

これを繰り返します。

トップブレースの周波数特性.jpg

最終的なブレース付きトッププレートの周波数特性です。低周波から4つ、または5つめの最大ピークが240Hz程度になるようにしています。

これは完成時の周波数特性で、板単体ではここまで攻めません。

最大ピークが260Hz程度、少し硬い程度でやめています。

削り過ぎたら戻すことはできないので、完成する少し前でやめます。

top+side in mold.JPG
次のステップとして、サイドをモールドに入れて、トップをスプールクランプで固定(top+side in mold )して、トップの周囲を固定して周波数特性をみます。
ここから、
・トーンバー全体をシェイピング
・フィンガーブレース全体をシェーピング
・Xブレースをアッパーボウト部を三角形に、ロワーボウト部も三角形に削ります。

バックプレートの単体ができたら、バックもスプールクランプで留めて(top+side+back in mold )、最終結果を予測します。

完成したら、モールドから外し、ブレース付きトップの単体で周波数特性を見ると、最大ピークが240Hzになっています。


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バックブレースを貼る。 [woodwork]

バックトランスバースブレースとマリッジストリップを接着.JPG
バックはトランスバースブレースが3本ありますが、第一トランスバースブレースとマリッジストリップを接着して、バックとサイド(ネックブロック)の位置調整をします。

トランスバースブレースとラディウスブレース接着.JPG
第二トランバースブレース接着、第三トランバースブレース接着、ラディウスブレースを同時に貼ります。

バックブレース完成.JPG
バックブレースを貼り終えました。


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トップブレースを貼る。 [woodwork]

ブレース加工.JPG

トップやバックに貼り付ける前に、横から投影された形にノコギリとノミとやすりで形を整えておきます。この投影図はどう作るかというと前のオリジナルギターのものを使用しています。
なので、正確に言うと2台目からしかできません。

トランスバースブレースだけを接着.JPG
まず、トランスバースブレースだけを接着して、トップとサイド(ネックブロック)の位置調整をします。

ネックブロックとトップのクリアランスを確認.JPG
ネックブロックとトランスバースブレースのクリアランスを確認する。

ブレース接着.JPG
残りのブレース接着を同時に接着します。

ブリッジプレート、サウンドホール補強材接着.JPG
最後にブリッジプレート、サウンドホール補強材を接着します。


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