オリジナルギター4 ボイシング7:ブレース付きバック(ブレースラフカット接着後、スキャロップする。) [original guitar4]
ブレースラフカット接着後、スキャロップしていきます。バックは比較的簡単です。第1ブレースは補強材としての意味しかありませんから、削りません。ラジアルブレースは、モノポールを安定させる効果があり、直接周波数特性には関係ありません。第2、第3ブレースにより、周波数特性を変化させます。
以下の順に削っていきます。
4.ここで測定(①)
中心周波数はほとんど変化していません。タッピング音もサスティーンがあまりありません。
7.ここで測定(⓶)
8.中心周波数が、まだ少し高いのでもう少し削ってOrg.#2、Org.#3と同じようになったところで終了。
オリジナルギター4 ボイシング6:ボディ嵌合調整 [original guitar4]
これから本格的なボイシングを行っていきますが、ここまででボディ、トップ、バックを貼り付けられるまで嵌合調整を行いました。ボディをトップ、バックに嵌合させることで、貼り付ける前にモールドに入れ、クランパーで留めることにより、疑似的にボディを接着した状態で周波数特性を確認できるようにするためです。
トップ、バックは周囲を留める(今まで端が開いていたものが、反射するようになる)ことで周波数特性ががらりと変わります。この状態を接着する前に見極めることで、ボイシングを間違いなく、効率的に進めることができます。
ボイシングの全体像は、オリジナルギター3のボイシングを参照してください。
オリジナルギター4 ボディ7:トップブレース嵌合調整、平面出し [original guitar4]
トップ側にライニングを貼り付けた後、トップをサイドに嵌合させます。ライニングを貼り付けると形全体が少し変形してボディ全体が狭くなるので、微調します。
1.トランスバースブレースを嵌め込めるように両端を削ります。
2.Xブレースのアッパーボウト側は斜めになっていて、嵌合させるのが難しいので、少しずつ合わせていきます。まず、幅方向に入るようにし、その後、高さを削って嵌めていきます。
3.Xブレースのロワーボウト側の幅方向、その後、高さを合わせます。
4.フィンガーブレースの端も内側に入るように削ります。
5.すべてのブレースが嵌合したら、僅かに凸になるように貼り付けたライニングをサンディングして、サイドのトップ側を平面になるように削ります。
6.最後にサイドとバックの中心線を合わせるように、ライニングとブレース端を削って嵌め込みます。
オリジナルギター4 ボディ6:サイドスプリント貼り付け [original guitar4]
次にサイドスプリントを貼り付けます。サイドスプリントにはサイドの端材(マホガニー)を利用します。厚さ2mmx幅8mmx高さ60mmの板を片側に8枚x2=16枚用意します。サイドは場所によって高さが違うので、サイドスプリントもこれに合わせてカットして、ライニング間に嵌め込みます。
タイトボンドで接着しますが、高さをぴったりにすると水分で膨張して入らなくなるので、少し余裕をもって作ります。
オリジナルギター4 ボディ5:トップ側ライニング貼り付け [original guitar4]
トップ側は、リバースカーフライニングを使います。
オリジナルギター4 ボディ4:バックブレース嵌合調整、平面出し [original guitar4]
バック側にライニングを貼り付けた後、バックをサイドに嵌合させます。
ライニングを僅かに凸になるように貼り付けたので、この部分をサンディングして削っていきます。同時にサイドのバック側が平面になるようにサンディングします。
次に第1トランスバースブレースを嵌め込めるようにライニングを削っていきます。
ライニングを貼り付けると形全体が少し変形するので、サイドとバックの中心線を合わせるように、ライニングとブレース端を削って第2ブレース、第3ブレースを嵌め込みます。
オリジナルギター4 ボディ3:バック側ライニング貼り付け [original guitar4]
オリジナルギター4 ボイシング5:バックブレースラフカット接着後 [original guitar4]
構造的には、3台ともブレース3本+ラジアルブレースなので、同じようになりそうですが、Org.#2はタッピングポイントが異なるようです。Org.#3と同じような特性になっています。
これからボイシングしながら、ブレースを削っていきます。
オリジナルギター4 ボイシング4:トップブレースラフカット接着後 [original guitar4]
上がOrg.#3 下がOr.#4
ラフカットしたブレース接着後の削る前の状態で周波数特性を取ります。
Org.#2はブレース構造が通常のXブレース+平行トーンブレースなので、比較はしにくいのですが、Org.#3と今回のOrg.#4は、ダブルX構造なので比較できます。Org.#3に比べて、中心周波数が333Hz→393Hzと高い(硬め)です。これは、Xブレースのロワーボウト部に凹部を作らなかったためと考えられます。
これからボイシングしながら、ブレースを削っていきます。
オリジナルギター4 トップ15:ブレースとボディの嵌合調整 [original guitar4]
ここでミスに気がつきました。今回、レイズドネック構造でトップにかなり角度がついているので、トランスバースブレースの貼り付け面とトップ面にその角度をつけて貼り付けるように考えていましたが、これを忘れました。よって、この角度をどこかで吸収しないと隙間が開いてしまいます。苦肉の策でネックブロックのトランスバースブレースの接着面をサンディングして、この角度をつけて吸収しました。
オリジナルギター4 バック10:ブレースとボディの嵌合調整 [original guitar4]
オリジナルギター4 トップ14:ブリッジプレート、サウンドホール補強材接着 [original guitar4]
オリジナルギター4 トップ13:ブレース接着 [original guitar4]
トランスバースプレースから全ブレースを一気に接着します。トランスバースブレースは、ボディをトップに載せてその外形の正確な位置を写します。その線に沿って左右を斜めにカットしてから接着します。同じようにXブレース、トーンブレース(第2Xブレース)の両端をカットしてから接着します。
接着前に必ずシミュレーションを行い、手順に問題ないか確認しておきます。合わせて、ブリッジプレート、サウンドホール補強材を正確に整形しておきます。
トランスバースブレース、Xブレース、トーンブレース(第2Xブレース)、フィンガーブレースの順で接着していきます。Xブレースとトーンブレース(第2Xブレース)には、カムクランプのコルクとブレースが接着しないようにビニールシートを挟んで接着します。
オリジナルギター4 バック9:第2、第3ブレースとラジアルブレース接着 [original guitar4]
トランスバースブレース(第1ブレース)とマリッジストリップの貼り付け状態を確認後、第2、第3ブレースとクロスする部分を第2、第3ブレースの幅分だけ削ります。
今回、バックは平面ですが、経年で凹面にならないように第2、第3ブレースにわずかに曲率をつけておきます。
これらを貼り付け、同時にラジアルブレースを貼り付けます。
オリジナルギター4 バック8:トランスバースブレースとマリッジストリップ接着 [original guitar4]
ラジアルブレースの角度50°の取り方に間違いがありました。水平線に対して50°ではなく、垂直線に対してでした。配置はあっていますが、角度記入位置が間違っています。間違ったまま進めるとクロスダイポールは共振周波数が低くなり、ロングダイポールは高くなると考えられます。
ラジアルブレースの位置を修正した後、マリッジストリップ+トランスバースブレース(第一ブレース)を先に接着して、トランスバースブレース(第一ブレース)とネックブロックとの位置関係を決めます。
オリジナルギター4 ボディ2:ネックブロックとトップ側を平面に揃える。 [original guitar4]
ネックブロックのトップ側とテールブロックとの高さを揃えます。
ネックブロックとトップのボディ厚は、ネックヒール側76mm、テール側96mmが設計値です。テールブロックの高さを設計値に合わせると、ネックブロックの高さが不足しています。補正するための板を貼り付け、トップとボディを揃えます。ネックブロックに高さ補正の2mm厚パッチを貼り付けます。
貼り付けた後、サンディングして高さをテールブロックに合わせます。
テールブロックで4mm浮くところまでネックブロックの高さを合わせました。
さらにトップ全体を同じ平面内にあるように合わせていきます。最も突出しているウエストを削っていき、全体を見て高さを合わせます。ボディのロワーボウトの外側の縁も高いのでこの部分を削ります。一部の部分に固執するとエッジができるので注意します。
最後にひっくり返して、トップの平面性を確認します。
オリジナルギター4 ボディ1:ネックブロックとバック側を平面に揃える。 [original guitar4]
サイド⇒ボディに呼称を変えます。
ネックブロック底面とバックは完全に平面にする設計なので、ネックブロックとバック側の平面度を揃えます。
その前に反対側のネックブロックとトップとの位置関係を確認します。
ボディ厚は、ネックヒール側76mm、テール側96mmが設計値です。これに合わせてネックブロックのトップ接着面の角度を決めていますが、この延長線上にテールブロックの接着面が来ているかを確認します。
オリジナルギター4 ネック23:ネックの残務まとめ [original guitar4]
ネックの形状も完成に近づいてきて、トップ、バック、サイドのボディの作業に移る前に、残務をまとめておきます。
・ヒール形状調整(サイド整形と同時に行う)
今回はヒールレス形状なので、サイドのネックとの嵌合は10mm程度です。しかもネックとサイドが3次元的に重なるので、完成時に現物で合わせることにしています。
・フレット打ち込み
これは特に目新しいことはありません。オリジナルギター3で行った「端を丸形に加工したフレット」と同じようにします。フレットをJescar No.43080E Gold にしようかと考えています。但し、硬いので加工が大変です。
・チューナー穴開け
これも目新しいことはありません。
チューナーには、GOTOH SGS510Z-L5-L3+R3-Goldを使用します。
・ネック取り付け角度調整
ネック側の取り付け面の調整でネック仕込み角度が決まる構造なので、サイドが完成してから、調整を考えています。
・フレットマーク入れ
今回もネックサイドに白蝶貝を考えています。
さらに、フレット面R、平面性確認と握り形状微調整は仕上げの段階で行います。
オリジナルギター4 ネック22:ネック握り形状調整 [original guitar4]
ネックエンドも整形しました。レイズドネック構造のため、ネックエンドがトップの上に出るので、トラスロッド調整穴のカバーを考える必要があります。ここで6弦0フレット側が中間フレットに比べて高いのを修正しました。さらに
fallawayを0.2mm程つけました。
オリジナルギター4 ネック21:フィンガーボード部幅調整とR表面加工 [original guitar4]
オリジナルギター4 ネック20:フィンガーボード接着 [original guitar4]
オリジナルギター4 ネック19:ネック補助材の接着 [original guitar4]
オリジナルギター4 サイド11:サイド厚さ調整とネック取り付け部調整 [original guitar4]
バック側の面+2mmを基準として、厚さを調整します。数mm余裕を見てのこぎりでカットします。ヒール(ネック嵌合)は、設計値76mmに対して79mm、テールエンドは、設計値96mmに対して100mm。
ネックを取り付けるために、ネックヒール側とサイドをあわせながらネックヒールを削ります。フェンダータイプのヒールレスネック完成です。
ヒールレスだけではなく、レイズドネック構造にもなっています。
ネックを取り付ける部分の余分なサイド材を取り除きましたが、ネック側の曲面と微妙にずれました。最終的に表面に出る部分なので、口輪を作り修正する予定です。
ネックブロックの底板はネック取り付け調整のため、まだ接着しないで置きます。
オリジナルギター4 サイド10:ネックブロック貼り付け [original guitar4]
ネックブロック貼り付け前にサイドの貼り合わせる面を調整します。この貼り合わせ部分は最終的に外から見えるのでぴったりと合わせる必要があります。少しきついので0.5mm程度両方を削って合わせます。ネックブロックとエンドブロックの高さを合わせます。底面から2mmをネックブロック貼り付け位置の基準にします。
接着前に仮止めを行い、工程を決めます。
①サイドとモールドが接着しないように間にビニールシートを挟みます。
②サイドの周囲に引いた基準線(底面から10mmと70mm)にモールドを合わせます。これを怠るとサイドが捻れてしまうので注意します。
③Fクランプで左右裏表4ケ所ネックブロックとサイドをモールドに留めます。
④バック側の底面がサイドとネックブロックの間が隙間ができるので、クランプして隙間をなくします。
⑤トップ側の隙間はわずかなのでタイトボンドで埋め、そのままにします。
⑥仮止めでネックブロックの位置が決まったらサイドにシャーペンで印をつけておきます。
⑦タイトボンドをネックブロックに塗り、書いた印に合わせて、サイドに合わせます。
仮止めで決めた工程を繰り返して接着します。
オリジナルギター4 ネック18:ヘッド部整形 [original guitar4]
オリジナルギター4 ネック17:ヘッド突板接着 [original guitar4]
オリジナルギター4 ネック16:外形精密削り [original guitar4]
オリジナルギター4 ネック15:外形精密削り - ヘッド部加工 [original guitar4]
ヘッド部を整形していきます。ヘッド突板を貼り付けるので、書いていたカットラインがなくなるため、ヘッドトップに中心位置を移しておきます。