オリジナルギター3 ネック5:外形粗加工 [original guitar3]
1.幅方向最大幅(ネックエンド60mm)の線を引き、その外側2mmを切る。
2.ヘッドの最大幅70mmの線を引き、切る。
3.途中経過
4.反対方向もネックエンド60mmに合わせて切る。
5.ヘッドを斜めに切る。根元のエッジも落とす。
6.ヘッド先端より、厚み17mmでカットする。
7.ヘッド根元をサンディング。
オリジナルギター3 ネック4:カーボンファイバーロッド溝切 [original guitar3]
カーボンファイバーロッドの溝を切っていきます。ビット#650 3.2Φを使用して、深さ9.5mmの溝を、2.5mmx4回に分けて溝切りを行います。
トラスロッドの時と同じように、ルーターベースを一番締めた状態でビットの長さを9.5mmになるように合わせます。4回目の9.5mmの深さを掘るのはこの状態です。1回目は2.5mmにして、両方のネジを締めます。ネジは手で締めただけでは、削る時の振動で緩むのでペンチで緩まないように固く締めることが重要です。2回目は5mm、3回目は7.5mmにして削ります。4回目は9.5mmになるようにして削ります。
オリジナルギター3 ネック3:トラスロッド溝切 [original guitar3]
ネック材2本(1本は単に台としてのダミー)を並べて、その上に幅方向を規制する治具を置きます。この間をドレメルルーターにStewMacのルーターベースを付けて長さ方向にスライドさせます。
ビットは6.4mm(ルータービット654)</a>を使います。
ドレメルルーターは、パワーがないので幅12mm x 深さ10mmの溝を深さ2.5mm x 4回、幅方向に3回、合計12回に分けて溝切りをしていきます。
ルーターベースを一番締めた状態でビットの長さを10mmになるように合わせます。最後に10mmの深さを掘るのはこの状態です。1回目は、このビットを2.5mmにして、両方のネジを締めます。注意するのは、ビットを固定するネジは手で締めただけでは、削る時の振動で緩むのでペンチで緩まないように固く締めることです。2回目は、5mm、3回目は7.5mmにして、削ります。
溝の真ん中を6.4mm幅の溝を削り、左右3mm残った幅を順に削っていき、完成です。
ネック溝切治具の改造 [tools/jigs]
ネックをボディまで入るスルーネック構造にしたため、長さが81mm長くなりました。
補強材の溝もその分長くなり、溝を切るための治具の長さが足らなくなったので、改造します。StewMacのルーターベースを装着したドレメルルーターのガイドとなります。オリジナルギター3 ネック2:部品選定と木材への寸法書き [original guitar3]
今回は、ボディ内までネックを一体化させるので、ネック長さが440.7mm必要になります。
しかし、通常400mm位で、購入する木材によっては長さが足らないものもあります。手持ちのネック部材で長さが足りるモノを選定しました(足りない場合は30mm程度の部材を接着して長さを確保する必要があります)。
ホンジュラスマホガニーAです。もうホンジュラスマホガニーは入手困難です。
セドロタイプなら、入手できますが高いです。長さも650mmなので、ヘッドに200mm取ったとしてもネック長さはとれます。
木材への寸法書きを行いました。
オリジナルギター3 ネック1:ネック全体の加工・組立手順事前検討 [original guitar3]
上の写真のように、オリジナルギター1と2では、ネックの握り部分を整えてからネックレストブロックでフレットボードとネックを挟んでFクランプで留めましたが、幅方向左右の平行度が保てないので、接着面に隙間が発生しました。
今回は、ネックの握り部分を平らのままで、最終厚さ近くにして、フレットボードを貼り付けます。フィンガーボードも表面の曲率をつける前に貼り付けます。
新・ネック製作工程のポイントは、
①トラスロッド・カーボンロッド溝切を最初に行うこと(これは以前と同じ)
②外形を5つ(フレットボード部/ヒール部/ネックブロック嵌合整形/ヘッド繋がり部/ヘッド厚)のブロックに分けて、粗削り・中削り・精密削りと3段階で進めていくこと(これも以前と同じ)
③ネックの握り部分を平らのままでフレットボードを貼り付けること です。
オリジナルギター2の製作工程を基に、事前に製作手順をシミュレーションして、決めます。
1.木材への寸法書き
サイド基準面を決めて幅70mmの線と中心線を引きます。それと垂直にスコヤを使ってナット位置、14フレット位置(ボディ接続位置)、ネックエンド位置、トラスロッドとカーボンロッドの溝の位置を決めます。ヘッド側にも最大幅の位置、ヘッド先端位置を書きます。
2.トラスロッド・カーボンロッド溝切
基準面と平行に溝を切ります。ドレメルルーターとルーターベースと自作の溝切治具、6.4Φビットを使って、幅12mmx深さ10mmの溝を深さ方向に2.5mmで4回、幅方向に3回、合計12回に分けて溝を切ります。同様に、3.2Φビットを使用して深さ9.5mmの溝を深さ方向に2.5mmで4回に分けて行います。
3.外形粗加工
次に幅を75mm(最大幅はヘッドの70mm)ヘッド部分の厚さ17mm、ネック部分の厚さ20mm(出来上がりの最大厚さは17.5m)に整形します。
への字タイプのネック材を未加工(厚さ27mm、幅120mm程度)のまま購入していましたが、次からは「この寸法で購入すると「外形粗加工」をしないで工数が減ります。」 ヘッド外形とネック幅を粗く合わせます。
4.サブブロック切り出し&接着
サブブロックのボディに入る厚み分の余裕をとって、ボディ端(14フレット位置)位置を決め、接着します。
5.外形粗削り
フレットボード部/ヒール部/ネックブロック嵌合整形/ヘッド繋がり部/ヘッド を粗く加工します。
6.外形中削り
フレットボード部/ヒール部/ネックブロック嵌合整形/ヘッド繋がり部/ヘッド を2mm程度の余裕をもって加工します。
7.トラスロッド&補強カーボンロッド埋め込み
エポキシ接着剤を使って、トラスロッド調整ネジ部に接着剤が入り込まないように、尚且つ、接着後マスキングがすぐとれるようにしておきます。木の蓋は不必要なので省略します。
8.ネックブロック穴開け
①ネックブロックとの嵌合性を確認し、ネックブロックに中心線を引き、ビスの中心に印をつけます。
②ネックと合わせて取り付け角を確認します。
③ネックブロックにΦ2.5ビットで中心穴を開けます。次に、ネックと合わせて、中心をΦ2.5のビットで写します。これでネックとネックブロックとの位置が決まります。
④(ネックブロック側にΦ7.5で取付穴を開けます。)
⑤ネック側にバレルナット用ビスの貫通穴Φ7.5を開けます。
⑥ネック側の中心位置から同じ高さにバレルナットの中心を決め、両側からΦ2.5で中心穴を開けます。
⑦ネック側にバレルナット穴Φ10を両側から貫通させます。
9.外形精密削り
フレットボード部/ヒール部/ネックブロック嵌合整形/ヘッド繋がり部/ヘッド を1mm程度の余裕をもって追いこんで加工します。
10.ヘッド板接着
ヘッド板を平面度を出してから接着します。ヘッドサイズを大きめに接着して、接着後、目標サイズに近づけます。こうすることで、ヘッド板とベースとの間に隙間ができないようになります。
11.フィンガーボード接着
フレットボード曲率表面加工、ネック握り形状加工をする前に、フィンガーボードとネックベースを接着します。クランプの圧力が均等にかかるので、ネックレストブロックを使わなくても隙間ができません。
12.フレットボード部
幅、ヘッド厚み調整 フレットボード接着後、目標寸法に追い込みます。0.5mmの余裕をもって、調整します。
13.フレットボード曲率表面加工
サンディングブロックを使って、表面に曲率をつけていきます。ナット~フレット~サドルまで、スムーズな曲率を付けます。
14.ネック握り形状調整
最後に、ネック形状を整えます。フレットボードは表面が整えてあるので、傷つけないように。 ここまでで、フレットを打ち込む状態になります。
オリジナルギター3 ネックブロック3:部材の微調整・斜め補正部品切り出し [original guitar3]
オリジナルギター3 ネックブロック2:木材の切り出し [original guitar3]
マホガニー材130x130x20と130x130x35で、ネックブロックの部品切り出しを行います。
残っていた端材130x65x20のマホガニー材を使ってテールブロックもできます。
ライニング幅に合わせて、トップとバックに接着する部分の幅をカットします。
オリジナルギター3 ネックブロック1:木材への寸法書き [original guitar3]
ネックブロックを作っていきます。ネックブロックの塊を単純な直方体に分割して、各部品をマホガニー材から切り出して接着して作ります。ネックをスルーネックにしたので、約60mm幅が80mm位ボディ内に入ります。これを受けるため、ネックブロックも従来のモノよりも一回り大きくなります。前回の端材や購入してあったマホガニー材から直方体を切り出す線を書きました。
こんな深さの板を切る必要があるので、鋸は、写真にあるようなZ ハンディ200(刃の厚みが0.5mmで背の補強のないモノ)を使います。
オリジナルギター3 Voicing計画 [voicing]
ボイシングの手順は習得できたので、3台目は全体の流れを決め、前の結果と比較しながら行います。
ボイシングの流れは、
・(板の状態)
0.トップ・バックの厚みを決定する。
1.トップ(ギター外形加工後、ロゼッタ、サウンドホール加工前)
2.トップ(ギター外形加工後、ロゼッタ、サウンドホール加工後)
3.バック(ギター外形加工後)
4.ブレース付きトップ(ブレースラフカット接着後、スキャロップする。)
5.ブレース付きバック(ブレースラフカット接着後、スキャロップする。)
・(モールドに入れ最終結果を予測)
6.top+side in mold
サイドをモールドに入れ、クランプでトップを押さえつけてタッピングする。
7.top+side+back in mold で最終結果を予測
・(トップを接着後、ボディ形状での最終結果を予測)
8.top+side out mold after glued
9.top+side+back in mold after top-glued
トップとサイドを接着後、モールドから出して行う。
10.(top+side+back taped out mold after top-glued)
バックをテープ止めして、最終結果を予測できるか?
・(トップとバックを接着後、ボディ形状での最終結果)
11.top+back+side out mold after top-back-glued no-bridge
12.top+back+side out mold after top-back-glued taped-bridge+pin
13.ヘルムホルツ周波数の調整
14.塗装後
15.ネック有り無し、ブリッジ接着
今回は、2つやることがあります。
1つは、Brianburns guitarsをまねて、バックをテープで接着して最終結果と比較します。テープ接着で最終確認ができれば、色々な微調がやりやすくなります。
もう一つは、ヘルムホルツ周波数を調整することです。サウンドホール直径を80mmにして、ヘルムホルツ周波数を低くしてから調整できるかを確認します。
板単体でブレースを削るポイントは、
・各ブレースの端を削り、影響の少ないフィンガーブレース、次にトーンブレース、最後にXブレースを削る。モノポールに影響の大きいXブレースを完成させてから、別のブレースを削るとモノポールがさらに下がってしまうので、各ブレースを均等に削っていく。
・全体のバランスが取れている状態で、フィンガーブレースを削ると、クロストリポール(約500Hz)がでるようになる。
・各ブレースの四角い断面から木材を取り除いて、三角形にする。次に高さを下げる。さらに中心の長さを短くする。
具体的には、
①フィンガーブレースを左右4本ともスキャロップする。
②トーンブレース(ダブルX)下の先端を削る。
③トーンブレース(ダブルX)上の先端を削る。
④Xブレース下部分
⑤Xブレース上部分
⑥X全体
⑦フィンガーブレース全体
⑧トーンブレース全体
と全体のバランスを取りながら順番に、山の断面が三角形になるように削っていき、
一通り、削り終えたところで、
①タッピング音を聞いて、
②ロング方向とクロス方向の硬さを見て、
③一番強い周波数を測定します。
このタッピング音+縦横の硬さ確認+周波数特性測定 といった感覚的なものと周波数測定を組み合わせることにより、最適なものができると思います。
手順を決めて、データを積み重ねることで、次のギターでのリファレンスになり、より確かなステップを踏めます。
オリジナルギター3 ダブルレイヤーサイド材の購入 [woods]
ダブルレイヤーサイドの内側をメープルにするかローズウッドにするか迷いましたが、柔らかさと軽さで、メイプルにしました。
アイチ木材で、厚さ1.8mmで指定して購入しました。
間に挟む基材は、美濃和紙 森下紙(手漉き)を購入しました。手漉きにこだわったわけではなく、リーズナブルな価格で選びました。
ブリッジプレート押さえ治具スリム化 [tools/jigs]
ブリッジプレートを裏から押さえる治具の改良を行いました。
理由は、サウンドホール直径の初期値を80mmにする必要があるためです。
サイドにトップ、バックを貼り付けBoxにした後、ブリッジを貼り付ける時に使う治具なので、サウンドホールから出し入れできなければなりません。
機能は損なわずに幅を短くし、角を落として、80mmのサウンドホールから出し入れできるようにしました。
スプレッダースリム化 [tools/jigs]
この話は長く、少し複雑です。
オリジナルギター3では、サウンドホールによるヘルムホルツ周波数調整機能を試してみます。
ヘルムホルツ周波数は、OOOサイズでは、およそ100Hz位です。
これを低音が十分にでる80Hzくらいに設定しようとする と、ヘルムホルツ周波数はサウンドホールの直径に比例するので、通常100mmで設定していたサウンドホールを80mmにする必要があります。
よって、オリジナルギター3では、サウンドホール直径の初期値を80mmにすることにしました。初期値というのは、製作途中でボイシングを行いながら、トップ、バックをサイドに貼った後、塗装する直前にBox状態で実際のヘルムホルツ周波数を確認して最終的な直径を決めようと考えています。
サウンドホールを80mmにするということは、デザイン的に今一つです。これは承知の上で進めています。
それよりも、現実的な問題として、いろいろな治具の改良(スリム化)が必要になります。
今までサウンドホール直径は100mmを前提にしていました。
スプレッダーが80mmのサウンドホールからでるようにしなければなりません。
ということで、スプレッダーのスリム化を行いました。
強度的には問題ないと考えています。余計な贅肉をとったというところです。
ネック補強材溝切治具の改造 [tools/jigs]
自作のネック補強材溝切治具 for ドレメルでトラスロッド溝切を行っていましたが、今回ネックをボディ側ののトランスバースブレースまで伸ばすので、補強材の溝も長くなります。
写真は溝を切っているところです。
ドレメルルーターをスライドする長さを60mmほど長くしました。
今回、ネックはヘッドを除く平らな部分が440.7mm必要なので、購入するネック材(有効長さは400mmなので)によっては長さが足らないものがでてくるので購入時には注意が必要です。または、継ぎ足す必要があります。
オリジナルギター3 予算と足りない部品の購入 [original guitar3]
オリジナルギター3の部品代です。木材は4年前に購入したものなので、今購入すると1~2割高くなると思います。
足りない部品を購入します。
1.ハードメイプル Side/Back
ダブルサイドの裏面に使用します。2台分取れます。1.8mm厚で購入します。アイモクは、厚み加工無料です。
サイズ 600(長)×2.0(巾)×1.1(高)mm タング幅は0.5mm が2本必要です。
素材はニッケルシルバー。
今回のネックはボディまで入るスルーネックなので、それに合わせて、補強材としてサイズ480X9.5X3.2mmのものを2本購入します。
4.ジョイントコネクター丸ナット JRN (-) [ムラコシ製] M6×30 (2個)
ネック固定用ボルトとして使用します。
5.Gotoh / ゴトー SG510 Series for Standard Post SGS510Z (Gold / L5) [対応ヘッド: L3+R3 ] 《ギターペグ6個set》
ペグ・チューナーは、色々なものを模索中です。完成1ヶ月前に購入します。
オリジナルギター3 設計図作成7:ヘッドとブリッジ [design drawing]
オリジナルギター3 設計図作成6:トップとバックのブレース配置 [design drawing]
ブレース配置です。オリジナルギター2とほぼ同じです。
Xブレースは、LMi図面から変えていません。500x20x9mmが9本、購入時に加工済みです。
ダブルXの位置と角度ですが、クロスダイポールとロングダイポールの間隔を広げるためにトーンブレースの「X」を縦長にしようと思いましたが、何も根拠(データ)がないので、同じ角度にしました。位置は、第一トーンブレースの位置にしました。
結果的に、Headwayと似てしまいました。
バック側は、オリジナルギター2と完全に同じで、Gore &Giletの本の受け売りです。3本ラダー+放射状ブレースです。
P.S. 14FジョイントのマーチンOOOオーディトリアムをベースにしたフルサイズの図面は、ここからも購入できます。
オリジナルギター3 設計図作成5:ブレース加工 [design drawing]
ブレース加工図です。オリジナルギター2と基本的に変わりませんが、ブレースは500x20x9mmが9本、購入時に加工済みです。加工費用は、100円/カットなので、+800円で、2000円でした。この内、トップとバックを合わせて8本使用します。
1枚目の図面は、各ブレースの長さ、鋸による1次加工図です。高さは17mmに揃えます。
今回は、トーンブレースをダブルXにしますが、板取りに大きな変更はありません。
2枚目は、オリジナルギター2で作った横からの投影図を基に加工したトップブレースの外形を写した実体図です。
3枚目は、同じくバックブレースの実体図です。マリッジストリップ(バックのブックマッチ部に内側から貼る補強材)は、トップの端材を利用します。
加工を効率的に進めるため、ブレースを貼り付ける前にここまで加工します。ポイントは、貼り付け時にクランプを留める場所を平面で残しておくことです。
オリジナルギター3 設計図作成4:ダブルレイヤーサイド [design drawing]
ダブルレイヤーサイドの内側をインディアンローズウッドにするかメープルにするか考えましたが、密着性を考えて、表のインディアンローズウッドが固いので、柔らかいメープルにします。値段もこれが一番安い。ローズウッド2枚は重すぎるという懸念もあります。
通常のバック&サイド材を購入して、サイド材だけ使用すると、バック材が余ってしまうので、2分割することを考えました。バック材を幅方向に2分割、サイド材を長さ方向に2分割することで、バック&サイド材1セットで2台分取れます。サイドに切れ目が入りますが、サイドスプリントの補強材で繋ぎ目を隠します。
板取りは、ベンディングするときのやり易さを考えて、長さ方向に少し余裕を見ています。
バック材から360mm x 115mmが4枚、サイド材から420mm x 120mmが4枚とれるので、2台分が賄えます。
オリジナルギター3 設計図作成3:ネック [design drawing]
ネックブロックの記事でも書いたように、ネック接続回り、取り付け方法をゼロベースで設計し直します。
方針は、
・ネックとボディ接続全体に剛性の連続性を持たせる。
・設計・加工・調整・取り外しが簡単にできる。
・ハイフレットへアクセスしやすくする。
・ボルト等の留め具を表面に出さない。
です。
今回のネックは、ボディに入ってからサウンドホール前までネックベースが繋がっているスルーネック構造にします。
補強材は、トラスロッドとカーボンファイバーロッド(CFR)をいれます。CFRは、ネックベース全体に入れます。これにより14フレット(ボディ端)での曲がりが押さえられると思います。そのしわ寄せ(というか力)は、ボディ側に来ると思いますが。
fallawayはネック側(フレットボード)で取ります。
ボルトオンオフは、フェンダーの構造が最もシンプルですが、バック側のボルトを隠すことができなかったので、チルトネック構造にあるようなT字形で、サウンドホール内側からのアクセスにしました。
図面には書いていませんが、ネック側にバレルナットを仕込む10mmの貫通穴が2個開きます(ネックブロック記事参照)。
完全なヒールレス構造は取りませんでした。デザイン性を考えて、ネックが最大で10mmボディからでるようにしました。
ヘッドデザインは前機種と同じですが、ヘッド上のチューナー位置を下げて、ナットでの弦の曲げ角が、なるべく大きくなるように、16mmと厚くしてあります。
今回の特徴は、ネックとボディの接触を取り付け面だけしたことです。ネックはトップとボディと接触しません。隙間が空きます。隙間を埋めるためのパーツも用意しましたが、デザイン性も含めて外見をどうするか作りながら考えていきます。
バレルナット [parts]
オリジナルギター3 設計図作成2:ネックブロック [design drawing]
ネックの取り付け方法をゼロベースで設計し直します。
いろいろな部品が集まるという意味での複雑さはここに集約されるのでなるべく簡単な構成にしようと考えています。
方針は、
・ネックとボディ接続全体に剛性の連続性を持たせる。
・設計・加工・調整・取り外しが簡単にできる。
・ハイフレットへアクセスしやすくする。
・ボルト等の留め具を表面に出さない。
です。
ネックは、ボディに入ってからもサウンドホール前までネックベースが繋がっているスルーネック構造にします。
フェンダーのように裏面からボルトで留める構造も考えましたが、ネック裏面のボルトが隠せないこと、ネック内部の構造物(トラスロッドとカーボンファイバーロッド)との干渉が避けられず、諦めました。
ボルトオンオフ構造は変えないで、チルトネック構造にあるようなT字形でボディに留める方法を考えました。
チルトネックと同じように、ボディの内側からアクセスして2本のボルトでネックを留めるようにします。チルトする構造を入れないだけです。
ネックの取り付け角度の調整は、ネックとネックブロックの取り付け面だけで決まります。ナットには家具などに使用されているバレルナットを使います。このナットを使うことにより、ネック取り付け角度が変わっても、ナットが回転することにより、常にボルトとナットが垂直になります。
チルトはしませんが、取り付け角度を調整できるようにネック側を加工します。
今回は完全なヒールレス構造は取りませんでした。デザイン性を考えて、ネックが最大で10mmボディからでるようにしました。
オリジナルギター3 設計図作成1:レイアウト [design drawing]
今回から、7回に渡ってつくった図面を上げていきたいと考えています。
まず、レイアウトから。
長手方向の寸法を決めていきます。0フレット仕様を組み込みます。
スケール長は、000タイプ:632.5mmです。
14フレット接続なので、ボディ端(=14フレット)を基準点Aとして、
左側はネックで14フレットから0フレットまでが350.7mm
0フレットからナットまで4mmとして、ネック側の寸法は決まります。
ネック側ヘッドは、200x100mmの中に入ればOK。ヘッド図面で詳細を決めます。
ネック幅は、0フレットで43mm、14フレットで56mmとします。
右側はボディで、632.5mm-350.7=281.8mmがサドル位置になりますが、1弦のデッド(振動しない)部分を2mm取ります。弦には振動しない長さがあり、1弦で2mm、6弦で5mmというのが経験的にわかっています。この差はサドルを斜めにすることで補正します。5mm-2mm=3mmなので、サドルの1弦部分からサドル中心までは1.5mm、でボディ端(=14フレット)から281.8mm+2+1.5=285.3mmがサドル中心(B)になります(右上の詳細図参照)。
000タイプのセミディープボディにしました。ボディ長は488mm。
幅はアッパーボウトで284mm、ロワーボウトで488mm。
これで、長手方向を中心に全体のレイアウトが決まりました。
オリジナルギター2とまるで同じです。
P.S.ギターのフレット間隔については、ここを参照してください。
オリジナルギター3ー11:構想;まとめ [original guitar3]
・「ダブルX」は私にとっては新しい試みですが、世の中では行われていることであり、音が良くなるというよりも、安定して、ブレーシングのやり易くなるということでしょうか。
・「演奏しやすくする」という意味では、ネックの付け根をすっきりさせ、ヒールレス構造を取り入れてみたいと考えています。フェンダーのようなシンプルな構造をヒールレス構造と合わせて「シンプルネック構造」を実現したいと考えています。
・「フレット端の球形処理」は地味ですが、演奏性の向上が期待できます。
・ビルダーのIDであるヘッドとブリッジは変えません。オリジナルギター2と同じデザインを踏襲します。
・ボディの外形も000タイプで、低音を重視するのでディープボディ(ロワーボウト120mm程度)は変わりませんが、ヘルムホルツ周波数の調整方法を考えます。
・スケールも、24.9inch(=632.46mm)で変えません。
・Voicingは、進め方の手順もオリジナルギター2のやり方を踏襲します。brianburnsguitarsを参考にして、バックをテープで貼ってVoicingができるか確認したいと思います。
・日記について、オリジナルギター2のやり方と同じように進めます。
ちなみに、Abitはオリジナルギター1の、Barはオリジナルギター2の略称です。
オリジナルギター3ー10:構想;オリジナルギター2の改善点 [original guitar3]
オリジナルギター3ー9:構想;塗装目止め Z-POXY [original guitar3]
オリジナルギター3ー8:構想;フレット端の処理 [original guitar3]
kobayashiguitarsのブログを見て、フレット端の処理を変えてみようと思いました。上の写真は、試しに端材でやってみました。
前に製作した2台は、製作した斜めレベラー治具でフレット端を60°に斜めにしてその縁を磨いていました。ほとんど問題はないのですが、演奏性を考えてさらに高みを狙います。
島村楽器店でもこの処理をやってくれますが、費用は7万円だそうです。確かにちょっと考えただけでも、すごく時間がかかりそうです。
気になるのは、フレットを打ち込んでからこの処理をすると、どんなに注意をしてもフレットボード側が傷ついてしまうということです。作業手順などをよく考えてから進めるようにします。
P.S. 上の接写写真は、拡大鏡をスマホカメラの前において撮りました。簡単にできます。
オリジナルギター3ー7:構想;Soundhole径調整 [original guitar3]
この周波数を低く設定できれば、豊かな低音の響きが期待できます。
ヘルムホルツ周波数は、サウンドホール面積Sの1/2乗(直径の長さ)に比例し、ボディ容積Ⅴの1/2乗に反比例し、ボディの剛性αに比例します。
ヘルムホルツ周波数:f∝ α*√ (S / V)
体積比、剛性を5%アップと仮定し、サウンドホール径をふって計算すると
方針として、サウンドホールの機能として、ヘルムホルツ周波数を調整できるように、80mmで設計して、100mmまで広げられるようにしておきます。
サウンドホールを80mmで設計するということは、スプレッダーやブリッジ押さえ治具を80mmでも出し入れできるようにしておく必要があります。
オリジナルギター3ー6:構想;共振周波数の設定 [original guitar3]
オリジナルギター1、オリジナルギター2と今回の3台目の共振周波数目標共振周波数目標、参考までに
Somogyiの共振周波数も載せました。Somogyiの周波数は完成状態ではないので、これより高くなると思われます。
目標といっても、コントロールできそうなのは、モノポール周波数の3つです。
Gore&Giletによると、ヘルムホルツとメインモノポールの組み合わせは、90Hz:170Hz
、95Hz:180Hz、100Hz:190Hzのいずれか、この周波数にバックモノポールT(1,1)3を4半音高く設定するのが良いといっています。
ただ今までの経験により、ヘルムホルツ周波数を低くするには、基本的にはボディサイズとサウンドホール径によって決まるので、最初から作戦を考えておかなければ、うまくいかないように思います。
ダイポール以上の周波数は、目安程度です。
値そのものよりも、1000Hzまでに可能な限り多くの共鳴ピークを詰め込むことが大事です。各周波数がお互いにかぶらないように、スケールトーンに落ちないように注意します。
今回は、ダブルXを考えているので、その結果がどうなるかが楽しみです。
また、トップのモノポールモビリティ(可動性=インピーダンスの逆数)を良くするために、ブリッジはなるべく軽くできるようにします。とりあえずは前回未使用のエボニー(31g)で進め、最終的にローズウッド(20g)に変更するかどうか判断します。