オリジナルギター3 Voicing計画 [voicing]
ボイシングの手順は習得できたので、3台目は全体の流れを決め、前の結果と比較しながら行います。
ボイシングの流れは、
・(板の状態)
0.トップ・バックの厚みを決定する。
1.トップ(ギター外形加工後、ロゼッタ、サウンドホール加工前)
2.トップ(ギター外形加工後、ロゼッタ、サウンドホール加工後)
3.バック(ギター外形加工後)
4.ブレース付きトップ(ブレースラフカット接着後、スキャロップする。)
5.ブレース付きバック(ブレースラフカット接着後、スキャロップする。)
・(モールドに入れ最終結果を予測)
6.top+side in mold
サイドをモールドに入れ、クランプでトップを押さえつけてタッピングする。
7.top+side+back in mold で最終結果を予測
・(トップを接着後、ボディ形状での最終結果を予測)
8.top+side out mold after glued
9.top+side+back in mold after top-glued
トップとサイドを接着後、モールドから出して行う。
10.(top+side+back taped out mold after top-glued)
バックをテープ止めして、最終結果を予測できるか?
・(トップとバックを接着後、ボディ形状での最終結果)
11.top+back+side out mold after top-back-glued no-bridge
12.top+back+side out mold after top-back-glued taped-bridge+pin
13.ヘルムホルツ周波数の調整
14.塗装後
15.ネック有り無し、ブリッジ接着
今回は、2つやることがあります。
1つは、Brianburns guitarsをまねて、バックをテープで接着して最終結果と比較します。テープ接着で最終確認ができれば、色々な微調がやりやすくなります。
もう一つは、ヘルムホルツ周波数を調整することです。サウンドホール直径を80mmにして、ヘルムホルツ周波数を低くしてから調整できるかを確認します。
板単体でブレースを削るポイントは、
・各ブレースの端を削り、影響の少ないフィンガーブレース、次にトーンブレース、最後にXブレースを削る。モノポールに影響の大きいXブレースを完成させてから、別のブレースを削るとモノポールがさらに下がってしまうので、各ブレースを均等に削っていく。
・全体のバランスが取れている状態で、フィンガーブレースを削ると、クロストリポール(約500Hz)がでるようになる。
・各ブレースの四角い断面から木材を取り除いて、三角形にする。次に高さを下げる。さらに中心の長さを短くする。
具体的には、
①フィンガーブレースを左右4本ともスキャロップする。
②トーンブレース(ダブルX)下の先端を削る。
③トーンブレース(ダブルX)上の先端を削る。
④Xブレース下部分
⑤Xブレース上部分
⑥X全体
⑦フィンガーブレース全体
⑧トーンブレース全体
と全体のバランスを取りながら順番に、山の断面が三角形になるように削っていき、
一通り、削り終えたところで、
①タッピング音を聞いて、
②ロング方向とクロス方向の硬さを見て、
③一番強い周波数を測定します。
このタッピング音+縦横の硬さ確認+周波数特性測定 といった感覚的なものと周波数測定を組み合わせることにより、最適なものができると思います。
手順を決めて、データを積み重ねることで、次のギターでのリファレンスになり、より確かなステップを踏めます。