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Power Grip [tools/jigs]

Power Grip.JPG
彫刻刀の切り出しタイプが重宝します。左側に刃面があるものもあります。
どちらかがあれば良いと思いますが、「左用と右用を同時に購入したが、左用が使用頻度が多い」という意見がありましたので、左用を使っています。刃長が7.5mmあります。トップやバックの「ブレース接着後のエッジ処理」にはこれがMUSTです。刃先がしっかりとしていて切れ味が良く使いやすいです。ノミにはない小回り感があるので重宝します。写真では分かりにくいかもしれませんが、転がり防止のために柄の部分に平面カットがされています。


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デジタルノギス [tools/jigs]

デジタルノギス.JPG
測定器の必需品は、デジタルノギスです。

トップやバックの厚さ、ボディの厚さ、ネックブロック組立時の各部測定等、あらゆる工程で必要になります。分解能は100μで、精密測定が必要なわけではないのですが、使いやすさから測定値が数字で直ぐに見える必要があります。

以前に、ツール、パーツの中華製はかわないほうがよいといいましたが、これは意外ともっています。

耐久性を考えるなら、樹脂製ではなく、ステンレス製が良いです。

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丸棒 [tools/jigs]

丸棒.JPG
写真左のシロクマ 自然木丸棒150mm ライトオーク BR-35Aです。
径:35Φ 長さ:150mm やすりの芯として使用します。こういうものがないと意外と苦労します。オーク材で硬いことも適しています。このような芯がないと凹んだ面が安定して削れないので、形がまとまりません。布製のベルトサンダー用のやすりを使うと、ノミやナイフの代わりに木を削ぐ為に使用できます。

ヘッドくぼみ.JPG
1.ヘッドの凹み部分
ネックヘッド裏.JPG
2.ネックヘッド裏
ネックのヒールとの繋ぎ.JPG
3.ネックのヒールとの繋ぎ部分
に使用します。

凸上のやすり.JPG
こんな凸上のやすりもありますが、粗すぎてうまくいきません。

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Fクランプ [tools/jigs]

Fクランプは、様々な工程で必要です。

Fクランプ1.JPG
ヘッドプレート接着

Fクランプ2.JPG
ネックブロック接着

Fクランプ3.JPG
ネックブロック組立

Fクランプ4.JPG
フレットボード接着

ダイソーで売っているもので十分です。

10年前は10㎝の長さのものが売っていた(なんと100円!)のですが、今は20cmの一種類(200円)になってしまったようです。

・以前のモノは、力を入れて締め上げると、ねじ山がつぶれてしまったものがありましたが、今はネジ山が太くなり強化され、その心配はありません。

・締め付けネジ先端が、プレス絞り加工になり、平面ではなくなった。また、力が加わる所にはやはり強度不足な感じ。

参考ページです。

複数の工程を平行に進めるためには、20個以上必要です。

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Z ハンディ200 [tools/jigs]

薄刃のノコギリは、補強背のあるもの(刃厚0.3mm)を持っていました。板全般を切るのに使っています。しかし、これでは厚さ40mm以上のブロックは、背が邪魔になって切ることができません。
補強背のないもの(刃厚0.5mm)は、刃厚は厚くなり、少し刃痕があらいですが、刃全体が木材の中に入っていけるので、ネックブロック(厚さ60mm)やネックの厚さ調整(ネック幅120mm)等、木材ブロックを切ることができます。

Z ハンディ200 ー1.JPG
Z ハンディ200 ー2.JPG
Z ハンディ200 ー3.JPG

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fallaway [structure]

fallawayとは、ネックとボディの付け根から、フレットエンドに向かって、0.5mm程度下がる傾斜をつけることです。

弦の振動振幅によるビビリを回避する1つの方法です。

それほど重要ではないという意見もあると思いますが、つけておいて無駄なことはないと思います。15フレット以上はほとんど使用されていないことを考えると、ボディ上にあるフレットにfallawayを付けることに少しは意味があると思います。

この記事を参考にしてください。引用すると、
「私の勝手な意見ですが、fallaway はネックジョイントからが理想だと思います。この場合は14フレットです。たとえ fallaway が施されていたとしても、弦を張った時のネックの前倒しが起こった場合、15から18フレットに弦が振動で当たってビビる場合があります。」
「全く fallaway が施されていないギターもあります。ネック状態が良い場合は弦のビビりは起こりませんが、ネックの状態が悪くなると弦のビビりが起こるので、私の個人的な意見としては、fallaway は施すべきだと考えています。」
全く、この通りだと思います。

fallaway.JPG
オリジナルギター2の写真を撮りましたが、写真では良く分かりません。

P.S.Fallawayに関するこんな記事 もあります。

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ハイフレットはいくつ必要か? [structure]

クラシックギターはバリオスの「森に夢見る」を弾くために1弦が20フレットがあるようです。サウンドホールに沿って指板が丸くなっているため
2弦19f
3弦4弦は18f
5弦6弦は19fです。

アコギはサウンドホールに沿って指板が丸くなっておらず、まっすぐで全弦20フレットが多いようです。

オリジナルでは20フレットのドが必要ですが、「ベストは最上音19フレットのシのバージョンに変える。つまり、編曲するということ。これで弾いても違和感は全くなく、殆どの人はオリジナルと錯覚する」ようです。

自分が今まで弾いた曲の中で最も高いフレットは、サイモンとガーファンクルのスカボローフェア(7カポ)で最後に12フレット(19フレット)のハーモニクスです。しかし、これにはフレットは要りません。

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0フレット注意事項 [structure]

0フレットとナット.JPG

ナットによる弦高調整も必要なく、他フレットと同じ高さと材質でできるわけですから、押さえ易さは当然よくなります。

0フレットの記事で紹介したZero Glide Nutのようなものもありますので、普通のギターで試すことも可能です。」と書きましたが、ナットを加工するのが結構大変です。

0フレットを組み込む時の注意事項は何かというと、

ナットから4mm程度0フレット位置がズレるわけですから、ヘッドとの角度が浅くなり、ナット上(0フレット上)での押し圧が低くなるので、ヘッド全体の高さを低くするか、あるいはネックとヘッドの角度を17°(普通、14°か15°)位にして、チューナー位置を低くすることが必要になります。

サドルの材質は音に関係するのですが、ナットはその影響が少ないと思います。さらに、0フレット構造でフレットが付くので、材質の影響はほぼなくなるので、弦の横方向のガイド位の意味しかないと思います。オリジナルギター2では、手持ちの牛骨を使用しました。

当たり前ですが、ナットでイントネーション調整ができません。

あまりないと思いますが、低フレットでチョーキングとかは弦がずれになりやすいかもしれません。

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鬼目ナット [parts]

ネックのボルトオンーオフ構造を留めるナットとして、木に埋め込むナットが必要になります。これに鬼目ナットを使います。
鬼目ナット.jpg
鬼目ナットの機能は、木にネジを埋め込んでナットを受け側に作ることです。内側に六角レンチが入る部分があり、これを利用して木にねじ込みます。木に食い込ませるときには、タイトボンドをつけて固定します。

ボトルオンーオフ構造
鬼目ナット:オリジナルギター2の写真.JPG
鬼目ナット:オリジナルギター1の写真.JPG

2種類(4セット)のボルトーナットが必要になります。

1.鬼目ナットDタイプM6x16
ネックにはΦ8.5の穴を25mmの深さまで開けます。深さは20mm以上必要で、これが少なすぎると、鬼目ナットが木に最後まで食い込まず、取付け穴が破壊されますので要注意です。ボルトは、六角穴付ボルトM6x40を使います。ボルトの頭が気になる場合は、家具用のジョイントコネクタもあります。

2.鬼目ナットSタイプM5x8
フィンガーボードに付けるネック補強材には、下穴はΦ7.5で、貫通させます。ボルトは、六角穴付ボルトM5x16 を使います。

使い方はここを参考に。
使用する場合は、いくつか買ってみて実際に木に食い込ませてテストしましょう。

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ネックの握り形状治具 [tools/jigs]

ネックの握り形状治具.JPG


所有している shenandoh M000-45(youtube 1:35あたりから)のネック形状に合わせようと、1、5、10フレットの断面のテンプレートを作りました。20年弾いてきたので、個人的に、これ以上の最適なネック形状はないと思います。

まず、紙でその型紙を作ります。各フレットの厚さを測定して、その値を参考に形状断面を紙に写し取ります。紙で作った型を、1mm厚のプラスチックプレートに写します。後でやすりで微調できるように、少し小さめに作ります。1、5、10フレットで同じことを繰り返して、3枚作ります。

ネックを削る時に、形状はこれで問題ありませんが、厚さはノギスで正確に測る必要があります。

最後はネックを握った感触で仕上げます。




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ヘッドプレート [woods]

ヘッドプレート用板というのが2~3mmで100x200mmの大きさで売られています。

これを買わなくても、バックの端材でできます。基本はバック材と同じ材質を選ぶのですが、何を選ぶかは完全に好みです。

バックの端材.JPG

この辺りを使います。次はそうするつもりです。

経験的に厚さは薄く(2mm程度)したほうが良いでしょう。厚くするとチューナーとの角度が浅くなって、ナットを抑える力が弱くなります。


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ヘッド・デザイン [structure]

ヘッドの形.JPG

ヘッドの形とブリッジの形が、ビルダーのIDになると思います。

ヘッドのいろいろについては、この記事を見てもらうとして、

チューナー位置が左右対称で、ヘッド上での弦の干渉を抑えようとすると、幅を広くするか、先細りにするかしかありませんから、個人ビルダーは似たようなデザインになると思います。

中期(1999年製)のsomogyi(youtube 0:47から)Jeff TraugottNISHIHARA GUITARS 、OGINO GUITARSASTURIAS GRAND SOLOシリーズがそうです。

先細りにするデザインは、1970年代の初期のYAMAHAに使用されましたが、先端の長さが短いところが不評だったようですが、チューナ位置から見れば合理的です。

およそ200x80mmのサイズが「への字ネック材」として取れる寸法(もちろん補助材を追加すれば幾らでもできます)なので、幅はネック幅+10mm=70mmとしました。ナット端から40mmピッチに縦方向に配置していき、3弦と4弦用のペグチューナー同士が干渉しないように、先細りのデザインにします。おおよその位置を決め、加工を簡単にするために、円と直線だけの幾何学的なデザインにしました。厚さは15mmです。

ペグ・チューナーは、基本はGOTOH SGS510Z-S5-L3+R3-Chromeを使用します。ペグが大きいL5タイプ、Goldタイプ、回転数が15回転(Zなし)も選べます。

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白蝶貝 [parts]

白蝶貝のポジションマーク.JPG

フレットボードのポジションマークに使っています。地味ですが、大事なものです。

真っ白なプラスチックメキシコ貝等を考えましたが、これにしました。

ポジションマークやフレットボードの装飾を派手にしているものもありますが、フレットボード表面(指で押さえる所)には、弦の視認性を第一に考えて何も付けない方針です。

3,5,7,9,12,15フレットのサイドに白蝶貝2mmを埋め込んでいます。


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フレットワイヤー [parts]

フィンガーピックスタイルのアコースティックギター用では、これら以外は要らないのではないかと思います。
1.一般的なスモールタイプ(フレットボード上で高さ1.0x幅2.0)
SBB23.jpg
SBB217.jpg

三晃製作所のSBB-23(0.6mm)かSBB-217(0.5mm)です。国産です。販売は大和マークです。

この2つの違いは、フレットボード溝に入る足の幅です。フレットボードはエボニー(黒檀)やローズウッドのような硬い木なので、この0.1mmの差は大きいです。リフレット時で既にフレットが打たれた後であれば、溝が既に広がっているので、0.6mmです。新しく溝を切ったならば、0.5mmでしょう。もちろん使用する鋸の厚さによります。

他のメーカーではJim Dunlop、Jescarなどがあります。

2.Goldタイプ
43080.jpg

ギター全体のデザインから、シルバーではなくゴールドを使いたいと思うことが結構あります。その時には、Jescar No.43080Eを使います。Jescar EVO“Ni-Free” Goldです。通常のシルバー品よりやや硬いです。



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フレットボード材 2022.5 [woods]

フレットボードはオリジナルギター1にはローズウッド、オリジナルギター2にはエボニーを使いました。

ローズウッドとエボニーが一般的です。エボニーは温湿度に対する変化があり適さないという人もいますが、弦を押さえるときの視認性を考えたら、エボニー以外の選択はないと思います。ボディとのデザインを考えれば、ローズウッドを選ぶというのもありかもしれません。

最近ではこのエボニーの品質が問題となっています。アイチ木材加工大和マークでも良質のものが品薄になっています。2022/5の時点で、どちらも「エボニー 2A」は品切れ、A材はありますが、大和マークによると「木材の値上がりが起きました3年程前より木材全般の品質が落ちてきており、特にエボニーに関しては良質のものの割合が芳しく低くなりました。」だそうです。

ネットで色々調べてみると、「エボニー(黒檀)は、アフリカ中部(カメルーン)、マダガスカル、インドなどの限定された熱帯雨林にしか自生しない、希少な種で、マダガスカルエボニーについては、ワシントン条約の附属書IIに登録されています。
 実際に使われるエボニーの黒いA級品は1割で、残りの9割は廃棄されていたそうです。弦楽器以外にも家具、装飾品、ピアノの黒鍵にも使われ、各産地の黒檀を切り尽くしたため、カメルーンは地球上に唯一残された、合法的に黒檀の商業伐採ができる国になっています。
 この状況に対して、テイラー・ギターズは、黒檀を卸していたスペインの企業との合弁で、カメルーンの木材加工工場を買収して、伐採の認可システムを強化して、違法伐採を排除し、合法に認可を得て切った木材だけを受け入れる体制を作り、所有の加工工場では、そのときからそれまで使われなかった黒くないまだらのB級黒檀も使うようになった」そうです。

参考記事:絶滅危機の黒檀取引を変えたギター工房


 なので、「品質が落ちてきた」というのは「まだらのエボニーが増えた」ことによるもので、上のような背景があります。それを許せばまだ使用できるということでしょうか。

前にも紹介しましたが、エボニーの代替材で、リッチライトというものがあります。大和マークで取り扱っています。ブラックダイヤモンドが、2,200円なので、エボニーのA材(まだらなもの)と同程度の価格で買えます。パルプとフェノール樹脂から作られる人工素材です。

「強度や色味に個体差が無く一定で、木材で起こる狂いの影響が少なく寸法安定性に優れており、指板材として活用した際のフレット周りについても、冬季などに多い乾燥時のフレット飛び出し(冬に乾燥すると木は水分が飛び収縮するが、金属はそのままなため、フレットエッジから飛び出す)や、フレット打ち替え時の溝の痛みが少ない」そうです。

色も選べるようです。

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ペグ・チューナー [parts]

ペグ・チューナーは、基本はGOTOH SGS510Z-S5-L3+R3-Chromeを使用しています。ペグが大きいL5タイプ、Goldタイプ、回転数が15回転(Zなし)も選べます。

GOTOHは、今更説明するまでもないのですが、日本製の性能の良いチューナーメーカーです。

なかでも510シリーズは、ほとんどのビルダーが使用しています。

購入先はいろいろあるのですが、最近では楽天市場のクロサワ楽器店が受注生産をまとめて扱っているので、リーズナブルな価格で買うことができます。納期は3週間くらいかかります。

Gotoh / ゴトー SG510 Series for Standard Post SGS510Z (Chrome / L5) [対応ヘッド: L3+R3 ] 《ギターペグ6個set》【ONLINE STORE】(受注生産品)がお勧めです。

8,759円(2022.5現在)とは510シリーズとしては格安です。

自分のオリジナルギターに使うなら、これ一択です。オープンバギアが良いとかいうよりも、安定した動作を優先するべきです。

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カーボンファイバーロッド [parts]

カーボンファイバーロッド CFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastics)は、日本発の材料で、軽量で強度が高いので、航空宇宙分野や釣り具をはじめ、様々な物に利用されています。

カーボンファイバーロッドをネックに入れる理由は、ねじれを防ぎ、順ぞりをなくすことです。大和マークでも売っているものなので、使用している人も多いと思います。

カーボンファイバーロッド 630X9.5X3.2厚mmを半分に切って使用しています。切るにはカナノコが必要です。カーボンロッド専門商社に10mm X3.0mm厚mm もありますが、ここから購入したことはありません。

http://okumuraguitars.blog13.fc2.com/blog-entry-96.html
http://okumuraguitars.blog13.fc2.com/blog-entry-99.html

カーボンファイバーロッドをネックに入れるのに否定的な意見もありますが、このページでかなり効果がありそうだったので、オリジナルギターに使用しています。

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トラスロッド [parts]

トラスロッドは何種類かありますが、全体像やその違いが知りたい人は、このサイトが分かりやすいです。

このうちの1Wayタイプ(チャンネルロッド)と 2Way Hot-Rod について、詳しく見ていきます。

オリジナルギターで使用しているのは、トラスロッドNo.SHC-340で、1Wayタイプ(チャンネルロッド)です。このタイプは、順ぞりしか補正できません。ロッドがコの字型のアルミの箱に組み込まれていて、この中に少し撓んでセットされています。ネジを右方向に回すと撓みがなくなり、アルミの箱が締め付けられて真ん中が凸状になり、順ぞりが補正できます。実際に効く角度は100°程度です。これ以上強く回すとネジが破壊されます。

ネックの補強にトラスロッドの両脇にカーボンファイバーロッド 630X9.5X3.2厚mmを組み込んでいますから、調整するということではなく、「初期の順ぞりを補正し、曲がらないように補強する」といった意味合いです。

今は使うつもりはありませんが、2Way Hot-Rodがどういうものか実際に購入して動きを確認しました。

ブラス(真鍮)製のブロックが両脇にあり、2本のロッドがついています。ロッドの両端はネジ状になっていて、組み込むとき下側になる方に、六角レンチで回すナットが溶接されています。

動きを見てみます。両脇のブラス製ブロックを固定して、両方のロッドが撓まないようにしてニュートラル状態を作ります。この時どこにも力はかかっていません。

この状態から両方に回すことができます。まず、左回りに回すと、ナットがついている側(組み込むとき下側)が撓むので、順ぞり方向(つまり逆ぞりを補正する方向)になります。角度にしてほぼ180°回ります(やや回し過ぎかもしれません)。

元のニュートラル状態に戻して、今度は右回りに回すとナットがついている側(組み込むとき下側)が縮むので、逆ぞり方向(つまり順ぞりを補正する方向)になります。角度は100°位回ります。

両方合わせて3/4回転位回ります。これ以上強く回すとネジが破壊されます。

組み込み方は、zinguitarsに詳しく載っています。

1Wayタイプ(チャンネルロッド)は340mmにナットの長さがプラスされて370mm、2Way Hot-Rodは372mmでほぼ同じ長さです。ナット長を入れて、325mm、410mmも用意されています。

2Way Hot-Rodは、456mm、610mmも用意されています。エレキギターによく使われるようで、ネックを補強するのではなく、補正することを前提とした使い方です。

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チルトネック7:まとめ [structure]

6つの事例を見てきましたが、さらに、ここに載せなかったいくつもの事例があります。今のルシアが行っているチルトネック構造は、基本的に19世紀に開発された構造(stauffer とHowe-Orme)を真似ています。あるいは、それらから派生しています。

どれもネックとボディがボルトでしか接続されないので、音への弊害がないかが懸念されますが、完全にないとは言い切れないが、ほぼ関係ないということでしょう。

構造的にTaylorが採用しているボルトオン構造のスペーサー(調整用の板)は必要ありません。

・調整ボルト以外のボルトを締め直したりする必要があるか?
・弦を緩める必要があるか?(調整のビスが見えることと裏腹、主にサウンドホールからアクセスするために)
・工具が必要か?
・弦の有効長が変わらないか?

については、その目的(ただの調整か積極的に演奏中にアクションをかえたいか)と「ユーザーができるようにするか」という点にかかっていると思います。

6つの比較表.jpg

最後に6つの比較表を載せておきます。各写真はホームページから拝借しました。

「自分が弦高を調整すると考えたときに、どんな方法があるのか」という視点でさらに考えてみたいと思います。

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チルトネック6:goreguitars [structure]

を紹介したTrevor Goreもチルトネック構造のギターを作っています。但し、この本には、チルトネック構造のことは載っていません。2014年頃に開発したといっています。本の出版は2011年ころ。

AGFで、「これは、アクションを調整するためのツールを必要とせず、構築が非常に簡単で(これが本当の秘密です!)、ピッチだけをユーザーが調整できる。ヨー、ロール、ストリングの長さを(ビルダーが)簡単に(再)調整できます。 」と言っています。

フレットボードの平面は傾斜するのではなく「垂直に」移動するそうです。

ウェブサイトのフォトギャラリーのSmallBodyClassicalにもっと多くの写真があります。」と言っているので見ると、中の構造は良く分かりませんが、木製の円盤の一部が見えます。おそらくこれを回すのでしょう。

ユーザーが、工具を使わず、簡単に(数秒で)、概観を損なわずに、機能を達成しています。

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チルトネック5:RickTurner [structure]

RickTurnerは、アコースティックギターというよりもオリジナル・エレキギター製作者のようです。ホームページブログです。
以下、その抜粋です。
トップの指板とヒール面およびボディ端との間のギャップがあります。
縦方向に3カ所のボルト(一番上は2本)が並んでいて、
1.2本のネジが、指板のすぐ下のネックの両側にあり、ピボットポイント(支点)として機能し、ネック全体を出し入れでき、イントネーションを調整します。
2.真ん中のボルトは実際にネックの角度を設定するものです。
3.ヒールキャップに近い方は、ネックを固定するネジです。
Howe Ormeギターのヒンジをボルトに交換して、ヒンジポイント自体を出し入れできるようにすることで、イントネーションの全体的な調整だけでなく、ネックの角度とヨーの完全な調整も可能になります。

当然ですが、StaufferHowe Ormeからヒントを得ているようです。

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チルトネック4:Dooling guitars [structure]

Dooling guitarsです。

この記事が詳細を説明しています。

ネックとネックブロックを上側のボルトとバレルナットで固定し、下側のもう一本の家具用ボルトで調整する。

この下側のボルトは、ネックヒールの外側から六角レンチで回すようになっている。ヘッドが薄く平らにできていて、家具用ボルトが両側からプラスティックワッシャーで挟み込まれており、その間にばね効果のある波ワッシャーが圧縮され入っている。この波ワッシャーとプラスティックワッシャーが滑ることで、ボルトはある程度の力で回すことができ、弦の張力がかかっているので、ガタつかずネックの隙間を広げたり、狭めたりして、角度調整ができる。

支点はネックの上部のフィンガーボード下に、左右2本のセットネジと金属受けがある。これで左右のバランスをとっている。

調整機構としては問題ないと思いますが、ネックと周辺構造の強度としてはどうなんでしょう。

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チルトネック3:Howe-Orme [structure]

Howe-Ormeは、1850年頃の楽器製造販売会社の名前に由来しています。楽器は、マサチューセッツ州ボストンのエリアス・ハウ カンパニーによって製造されました。

フィンガーボード端からテールまで、弦の下でトップに沿って縦方向に隆起していることが特徴で、1890年代にはネックは簡単に取り外し可能であり、それらの角度は分解することなく調整することができました。

Staufferと異なるのは、ヒールに蝶番(金属プレート)が付いており、ここが支点になっています。この蝶番と木製のだぼによってボディに取り付けられていて、2本のボルト(ピアノアクションアジャスター)で角度を調整できます。Staufferとは支点と調整する場所が反対です。

この方式の問題点は、アクションを調整すると、演奏弦全体の長さの変化が大きいのではないかということです。


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チルトネック2:stauffer [structure]

ヨハン・ゲオルグ・シュタウファー(Johann Georg Stauffer)はウィーンの弦楽器製作者で、Martinの創始者であるC.F.Martin Sr. がギター技術を教わった人です。

StaufferとHudsonStreetMartins(Martinの前身)とのX線写真の構造比較 が出ています。この写真はシュタウファーギターのクローンで、初期のC.F.Martin Sr.のギターのようです。といっても、シュタウファーがチルトネック構造を開発したわけではなく、初めてそれを使った人たちの1人で、当時は皆こういう構造を使っていたということらしいです。

昔の時計のゼンマイを巻くキーで、内部のネックブロックのネジ付きナットを通るロックネジを回します。ネジを締めると、ネックが弦の張力に逆らって、逆反り方向に動きます。緩めると、弦の張力で順ぞり方向に動きます。ネック下にピボットポイント(支点)があり、それを基準に動きます。2つのX線写真の違いがあるのはこの部分で、上の写真では、金属で支点を補強しているように見えます。

同時にフィンガーボードがボディから浮いているので、そういう効果(サウンドボードの振動を抑制しない)も狙った物なのでしょうか。

弦の順ぞりを補正しようと考えていますが、そもそもチルトネック構造は、積極的にアクション(弦高)を変えるための物のようです。

今のルシアが行っているチルトネック構造は、基本的にこの構造から派生しています。あるいは真似ています。

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チルトネック1:Fender [structure]

直ぐに思いつくのは、エレキのフェンダー社のマイクロチルト構造です。
(歴史を順に遡ったりはしません。自分が取り入れるために考えた順に紹介していきます。)

フェンダーネックはネジで本体に固定されているので、これを簡単にユーザーが調整できるように、1971年にストラトキャスターをネックプレートに切り替えたと同時にMicro-Tiltを導入しました。

ネックプレートの小さな穴から六角レンチでネジを締めると、ビス先がネックヒールの下部に取り付けられた金属プレートを押して、ネックの角度を変えることができる構造です。

これは最も簡単な方法で、基本構造が異なるアコースティックギターには直ぐには応用できません。

アコースティックギターのネック構造をフェンダーエレキのようにしてしまうという考え方もありますが、変更点や変更の度合いが大きすぎて躊躇してしまいます。しかし、ネック構造を簡単にするというポリシーにはあっています。


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チルトネック0:初めに [structure]

アコースティックギターの演奏性で気になるのは「弦高」です。経年でフレットボードと弦間が開いてきて押さえづらくなります。この原因は、弦の張力にギターの強度が負けることですが、オリジナルギター2台の製作では、ネック周辺構造の強度を上げることを中心に考えていました。

視点を変えて「調整可能な構造にする」ことを調査してみました。これから紹介することは、もう既に誰かが考えたものです。

最適なアクション(指板からの弦の高さ)を実現するためにギターのネックの角度を調整する方法・構造を「チルトネック」といいます。

チルトネック構造は、1800年代初期のstaufferギターに使用されていました。stauffer(Martinの創始者であるC.F.Martin Sr. がギター技術を教わった人)自身がチルトネック構造を開発したわけではなく、初めてそれを使った人たちの1人で、当時は皆それを使っていたということらしいです。いろいろな方法がありますが、基本はそれほど変わりません。

最近発売されたMartin SC-13Eは、ネック角度を任意に調整できる”tilt neck”構造を含んだものになっていますが、構造はstaufferから引き継がれていることが紹介されています。

フィンガーボードをボディより浮かし、ネックをチルトできることは、昔からある作り方で、現在、一部のルシアが製作するものを除いて、アコースティックギターで市場に出回っているものは少ないと思います。これは、材料が木であり環境変化が大きく、ユーザーレベルでの調整が難しいのではないかと思います。ユーザーにそれを開放すると故障が多くなるのではないかと想像します。ネックのトラスロッド調整でも大変なようですから、いわゆる工業化ができていないのだろう思います。

それはそれとして、自分が弦高を調整すると考えたときに、どんな方法があるのかを調べました。

必ずしも優劣を判断するためではありませんが、チルトネック構造を評価するポイントは、
・調整ボルト以外のボルトを締め直したりする必要があるか?
・弦を緩める必要があるか?(調整のビスが見えることと裏腹、主にサウンドホールからアクセスするために)
・スペーサー(厚さ調整用の板)が必要か?
・工具が必要か?
・弦の有効長が変わらないか?
・音への弊害がないか(ネックとボディが接触しないことによって)?
があります。

このような視点でいろいろなチルトネック構造を見ていきたいと思います。

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トップのネック下を浮かす意味 [structure]

トップサウンドホールを含むアッパーバウトの強度を上げるためにこのルシアは、ネックブロックからバックに伸びるバーによる補強していると考えられますが、それに関連する機能として、フィンガーボードのボディ上になる部分(14フレット~20フレット)をボディから数mm浮かして、さらにトランスバースブレースものぞいて、アッパーボウトの振動面積を広げています。

アッパーバウトは面積も小さいので、音響的には無関係と考えていましたが、このルシアはそこを利用するような構造にしています。そうしたいから、ネックブロックをできる限り小さくして、補強として、このバーを使っているのでしょう。(チルトネック構造にしています。)

アッパーバウトは、音に影響はあるのでしょうか?
これについてアラン・カルースという有名なルシアが、考えを述べています。

要約すると「低周波数(1kHz以下)では振動することができないので、アッパーバウトのサウンドボードの貢献はそれほど多くはない。但し、クラシックギターでは、A=440(1弦Eの5フレット)の出力のピークが、ある条件がそろったとき影響することがあり、ロングダイポール共振は350Hz位ですから、この辺りに色を添えるのに役に立つ。スチール弦ギターは、Xブレースであるため、それが得られないので意味がない」そうです。

高周波的に色を添える可能性があるということでしょう。 どうなんでしょうね。

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ネック取付周辺及びアッパーボウトの強度 [structure]

ネックーボディ接続部とボディアッパーボウト(upper bout)の弱いところに弦の張力による応力が集中し、結果的に「元起き」といわれる現象になります。

ダブテイル構造には本質的な問題点があり、個体によりバラツキが大きく元起きの原因になります。これを補正するのに、某有名メーカー製のギターでネックリセットをしようとしたら、紙が挟まって補正されていたという話はよく聞きます。

勿論、しっかりと組み立てれば問題ないのですが、個体バラつきがあり、弱い原因になるのでしょう。

これに対応するために、ボルトオンーオフ構造が生まれ、構造的な問題もなくなっています。

ネックの初期順ぞりをトラスロッドで補正、カーボングラファイトロッドで補強して、ボルトオンーオフ構造にした後で、残る弱い部分は、アッパーボウトです。

ネック接合部がボルトオンーオフ構造で強化されると、弦の張力は、サウンドホールを含むアッパーボウトに集中します。

ネックブロックからサイド、バックに伸びるバーによる補強はアッパーボウトを補強していると考えられます。「バック構造全体が非常に強力になる」そうです。まあ、ここまでやるかどうかです。このルシアも使っています。

わたしは、アッパーボウトの補強は、設計図にあるようにネックブロックをトップのトランスバースブレースに接着させ、バック側もバックのトランスバースブレースに接着し、これらをサイドスプリントで繋ぐようにしています。

ブリッジ周辺は強化しすぎると音に関係するので、ブリッジパッチを広くすることくらいです。

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ネックジョイント方法2 [structure]

アコースティックギターを使用していて、操作性で気になるのは「弦高」です。経年でフレットボードと弦間が開いてきて押さえづらくなります。この原因は、弦の張力にギターの強度が負けることです。

強度不足の場所は、
①ネック
②ネックーボディ接続部
③ボディアッパーボウト
④ブリッジ周辺
です。

②③を合わせて「元起き」とか言ったりします。今回は②③に関連する「ネック取付構造」についてです。

各々の対策は既に記事にしてありますが、
対策は、
①強度を上げる。
②調整可能な構造にする。
の2つです。

「ネックとボディの取り付け角度を調整できるような構造にする。」といっても
 ・専門のリペアが必要 ボルドーオンオフ構造
 ・ユーザーが可能 チルトネック構造 
に分けられますが、これらは既に何人ものルシアに検討され、実現されています。

今までのアコースティックギターのネック取付構造についての歴史をまとめると以下のようになります。

弦の張力に耐える
ネックとボディが一体構造(クラシックギター)
組立効率のアップ(ネックとボディの組立工程を分ける)
ダブテイル構造(Martinの採用している構造)
調整の難しさと「元起き」の根本的な問題
★ボルトオンーオフ構造
弦高を現場で変えたい(クラシックギター)
★チルトネック構造

いずれの構造も、いろいろな問題を抱えながらも実際に世の中に出回っているので、致命的な欠点はないといえるかもしれません。

私のオリジナルギターの方針は決まっていて、ボルトオンーオフ構造です。

ネックは、1way調整機構のトラスロッド+その左右にカーボンファイバーロッドを埋め込む構造です。

2台ともこの構造で作ってきて初期的な問題はありませんが、経年変化はまだ良く分かりません。

次のステップとして、
・ボルトオンーオフ構造をもっと簡単に
・チルトネック
を考えてみたいと思っています。

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ヒールレスネック [structure]

アコースティックギターのネック構造についてのトピックです。Martin SC-13E のヒールレスネックです。

日本でもひらみつギター内田ギター等、何人かのルシアにも採用されています。特徴は、ハイフレットの操作性=押さえやすさで、カッタウェイとかしなくても押さえやすいのでしょう。

Gore&Gilletの本でもヒールレスネックについて言及しています。「音響的には問題ないが、視覚的に物足りないヒールデザインは、多くの市場で受け入れられなかった」と言っています。

エレキでもこんなことをやっている人がいます。

Martin SC-13Eのヒールレスネックは、それだけが目的ではなく、ネック角度を任意に調整できる”tilt neck”構造を含んだものになっています。「湿度で膨張することでネックも反り、弦高が高くなり演奏性が損なわれる」のを補正するためとしています。また「専門のリペアが必要なのはこれまでと変わらない」らしい。要はユーザーが調整できないということ。

ネックについては、構造と操作性の観点からもう少し調査してみます。

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