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弦高調整:ギターのプレイアビリティを上げる。 [structure]

プレイアビリティの80%は、これといっても過言ではありません。弦の張力がかかり、強度が足りなければ、ネックは順方向に曲がって、ボディにも力がかかり、弦高が高くなるわけです。

元起きが発生していると、ネックリセットが必要になるかもしれないので、リペアショップに任せた方が良いかもしれません。

そうでなければ、少し技術が必要ですが、ピタリ決まると圧倒的に引きやすくなるのでやってみるべきです。

0.ネックの反りを見る。
まず、弦を張った状態で、ネックの反りがないかを確認します。逆ぞりがないかをまずみます。少しの順ぞりが理想です。弦高を低くしたいため、トラスロッドを回し過ぎていないか、左に回してフリーな状態に緩めてみましょう。弦を張った状態で、どうなっているかを確認します。真っすぐか、少し順ぞり気味にしましょう。トラスロッドを回したら、ネック全体が安定するまで、数日、間を置きましょう。

1.ナットの調整
販売しているギターは、おそらく少し高めに設定してある(販売店で調整するのを前提)ので、まず、ナットを適正な高さにします。これをしておかないと低フレットが押さえにくなります。

①各弦の3フレットを押さえて、1フレットと弦との隙間を見ます。ほぼ隙間がなく、弦がフレットに触れる直前が正しい状態です。
②各弦とも隙間が空いていれば、ナットを外して底面をサンディングする必要がありますが、通常はナットファイルで溝を切りなおします。ナットファイルの価格が高いですが、本気でやるならしっかりしたものをお勧めします。

今ついているナットは、失敗にした時には戻せるように取っておいて、新しいナットを購入したほうが良いです。おすすめのナットは、PQ-M644-00ですが、自分のナットにあったもの(スロット付き、長さ、高さ、幅、1弦から6弦までのピッチ幅を計測)を購入しましょう。

2.フレットの高さバラつきを見る。
弦高確認.JPG
曲尺を使い、前後のフレット3つの高さを見るために当ててみます。各フレットに対して、真ん中、左右、3か所でみます。高いところは、カタカタと音がするので、マジックでチェックします。そこを#240の紙やすりで削り、高さを揃えます。その後、#400の紙やすり⇒スチールウール(百均で売ってます)⇒コンパウンドで、フレットを磨いていきます。

3.弦高を測る。
12フレットと弦の隙間を測り、6弦で2.0mm、1弦で1.6mm位にすると弦を押さえやすくなりますが、まず測定をしましょう。といっても正確に測るにはシックネスゲージが必要になります。先ほどの曲尺でもだいたい測定できます。

4.サドルを削る。
サドル高さは、12フレット上での高さの2倍になります。6弦ならば、
(測った隙間)ー 2mm の2倍分、隙間が3mmだったならば、(3 - 2 ) x 2 = 2mm、
をサドル底面から削る必要があります。

サドルも、失敗にした時には戻せるように取っておいて、新しいサドルを購入したほうが良いです。おすすめのナットは、PQ-9100-00ですが、自分のナットにあったもの(長さ、高さ、幅を計測)を購入しましょう。特にスロット幅とは合わせたおいた方が加工が簡単です。

と書いてみたのですが、結構な作業と高価な工具も必要です。不安に思ったらリペアショップに依頼しましょう。

オリジナルギターでは、これを抑えるために、設計的な対策をとっています。
ネックの順ぞり
①トラスロッドを埋め込んで、ネック補強と順ぞり補正機能を持たせる。
②トラスロッドの両側にカーボンファイバーロッドを入れて、補強する。
ネック元起き
①ネック接続部の隙間・ガタ
ダブテイル等の接着によって起こりやすいので、ネジで留めるボルトオンーオフ方式にする。
②ネックブロックの強度不足
トップ、バックともトランスバースブレースと一体化する。
③ボディの強度
・ブリッジ後ろのトップロワーボウトの膨らみ
・ボディの曲がり
この2つをガチガチに固めてしまうと、ブリッジの振動が抑えられてしまうので、この部分のひずみ量はあるものとして、サドル高さで余裕を持っておきます。設計時には2mm余裕を持たせて、サドル高5~6mmで製作して、最終的に3~4mmになる位にします。

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