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チルトネック0:初めに [structure]

アコースティックギターの演奏性で気になるのは「弦高」です。経年でフレットボードと弦間が開いてきて押さえづらくなります。この原因は、弦の張力にギターの強度が負けることですが、オリジナルギター2台の製作では、ネック周辺構造の強度を上げることを中心に考えていました。

視点を変えて「調整可能な構造にする」ことを調査してみました。これから紹介することは、もう既に誰かが考えたものです。

最適なアクション(指板からの弦の高さ)を実現するためにギターのネックの角度を調整する方法・構造を「チルトネック」といいます。

チルトネック構造は、1800年代初期のstaufferギターに使用されていました。stauffer(Martinの創始者であるC.F.Martin Sr. がギター技術を教わった人)自身がチルトネック構造を開発したわけではなく、初めてそれを使った人たちの1人で、当時は皆それを使っていたということらしいです。いろいろな方法がありますが、基本はそれほど変わりません。

最近発売されたMartin SC-13Eは、ネック角度を任意に調整できる”tilt neck”構造を含んだものになっていますが、構造はstaufferから引き継がれていることが紹介されています。

フィンガーボードをボディより浮かし、ネックをチルトできることは、昔からある作り方で、現在、一部のルシアが製作するものを除いて、アコースティックギターで市場に出回っているものは少ないと思います。これは、材料が木であり環境変化が大きく、ユーザーレベルでの調整が難しいのではないかと思います。ユーザーにそれを開放すると故障が多くなるのではないかと想像します。ネックのトラスロッド調整でも大変なようですから、いわゆる工業化ができていないのだろう思います。

それはそれとして、自分が弦高を調整すると考えたときに、どんな方法があるのかを調べました。

必ずしも優劣を判断するためではありませんが、チルトネック構造を評価するポイントは、
・調整ボルト以外のボルトを締め直したりする必要があるか?
・弦を緩める必要があるか?(調整のビスが見えることと裏腹、主にサウンドホールからアクセスするために)
・スペーサー(厚さ調整用の板)が必要か?
・工具が必要か?
・弦の有効長が変わらないか?
・音への弊害がないか(ネックとボディが接触しないことによって)?
があります。

このような視点でいろいろなチルトネック構造を見ていきたいと思います。

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