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Fret Slotting Miter Box [tools/jigs]

当初、フレットボードはローズウッドで製作していました。この時の方法は、材料の片面を基準面にして、スコヤで間隔を測りながら位置決めをして、鋸で切るという方法でした。で、失敗しました。

何が大変かというと
①0.1mm単位での間隔を出せない。
②片側だけの抑えでは安定して溝が切れない。
③深さの制御ができない。
ということです。

stewmac fret 治具1.JPG
これは直ぐにStewMacの治具StewMac Fret Slotting Miter Box with Japanese Fret Sawを購入しました。値段は高価ですが、それに替えられない価値があります。日本の鋸、弾くときに切れる、がついています。

テンプレートがついていて、標準でMartin short 24.9inch と long 25.34inchの溝があり、どちらかのスケールであればこれで問題ありません。gibsonとかのテンプレートもあります。各フレット間隔が溝で切ってあり、それを基準位置に合わせることで、いちいちフレット間隔を気にする必要がなくなります。当然精度も問題ありません。鋸の左右上下に8つベアリングがついており、鋸の歯が固定できるので安定します。また、上のベアリングと鋸の刃の上についている厚い部分がストッパーになり、深さも一定になります。

使い勝手で1つ問題があります。出来上がりは問題ないのですが、鋸の刃の引き出し、上下方向が固定されているため、固い木を切る時には力がいります。特に上のベアリングと鋸のストッパーの金属同士がこすれて、金属くずがでます。

また、アルミのテンプレートにフレットボード材を両面テープで固定するわけですが、まずマスキングテープを貼ってから両面テープを貼らないとテンプレートから木材を引きはがすのに苦労します(紙やすりと同じ)。

鋸刃の厚みは0.023"=0.584mm ですが、フレットSBB-23(0.6mmの足幅) ではきついのではないかと思います。SBB-217(0.5mmの足幅) をお勧めします。

出来上がりは綺麗に狂いもなくできるので満足しています。

話しをフレットボードの溝切に戻しますが、この治具を買ってから、新しくエボニー材を使おうと思い、加工しました。エボニー材は、ローズウッドに比べ、演奏時に弦とのコントラストがついて見やすいという利点があります。

エボニーの加工状況を書きますと、
エボニー1.JPG
まず基準面を決めてやすります。
エボニー2.JPG
次に、白鉛筆 で寸法を直接入れます。エボニーやローズウッド等は白が見やすいです。左側が基準面になります。基準面の反対側は溝を切る前に切り落としておいた方が、溝切の時に長さが短くなり、負荷が減ります。
stewmac fret 治具2.JPG
基準面を壁側にして、テンプレートに木材をセットします。この時、木材の厚みt=5.5mmとすると、フレット足は1.5mm程度ですから、2.5mmの溝を切ります。鋸のストッパーをテンプレートの厚さ2mmと木材の残す量3mmを加えた5mmにセットします。その後、0フレットの位置をだし、0フレットの溝を切ります。斜めにならないように、木材とテンプレートの平行度に注意しましょう。
 固い木なので、かなり力がいります。刃の厚み方向にあまりリジッドに締めすぎると動かなくなるので注意してください。
基準面の反対側をカット.JPG
溝が切り終わったら、反対側をカットして外形出しが終わりました。

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