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使用する木材と入手先 [woods]

0.一般的な知識
柾目と板目.jpg年輪に対して垂直にカットされたものを柾目(黒枠)といい、年輪がそのまま線として断面に見えます。1つの丸太からとれる数が少なく、放射方向の収縮は少なく安定しています。丸太を4等分(横断面が十字形に)して切るのでquarter-sawnといわれます。トップ材、バック材も基本的に柾目を使います。
 それ以外のカットされたものを板目(赤枠)といいます。断面は、地図の山の等高線に似ています。年輪の柔らかい部分が温湿度で収縮するので膨らみやすく、形状は不安定になりやすいです。
 木材は伐採されてから使用するまで、2~3年は乾燥させる必要があり、木材の水分が飛び、セルロースは結晶化し、より軽量、より硬くなります。

1.入手
 個人製作家が入手する単位は、既に板加工されたもので、トップならばブックマッチのセット(2枚)、サイドとバックのブックマッチ(4枚)のセットだと思います。ブックマッチというのはトップやバックは2枚を貼り合わせて使うのでこの単位をそう呼びます。おそらく、隣同士なので木目がそろっています。14~15°の角度のついたヘッド部を有するネック材も購入できます。その他、フィンガーボード、ブレース材、ライニング材、ネックブロック、テイルブロック、ブリッジ材も購入できます。
 
国内での入手先は、アイチ木材加工です。大和マーク等があります。厚み指定加工できます。

購入するときの、ポイントはできる限り、厚さを使用寸法に近づけて購入することです。特に硬い材料であるバック、サイド、フィンガーボードはそうです。また、ブレース材も使用厚さにカットしてもらうと後の作業が楽です。ブリッジ材も出来上がったものを購入するほうが楽です。このようなカット材はすでに数年のエージングは済んだものが販売されているので、すぐに使っても問題ないはずです。
 
2.木材の種類
トップはスプルース、といっても産地毎に、アディロンダック、ジャーマン、ヨーロピアン、エンゲルマン、ルッツ、シトカ等名前が付けられています。あとは、レッドシダー、メイプルなどです。
価格は、一般に上に書いた順に、また、木目のきれいにそろったものが高いのですが、いい音がするかは保証の限りではありません。何かの本、記事に書いてありましたが、70%程度相関があるそうです。

サイド・バックは、ローズウッドで産地毎に、ブラジリアン、マダガスカル、ホンジュラス、インディアン、マホガニーでキューバン、ホンジュラス、アフリカン があります。トップウッドよりも硬く、緻密で、重いのが特徴です。最近では、代替材としてローズウッド以外の種類もいろいろとあります。

ブラジリアンローズウッド(ハカランダと呼ばれます)は、乱獲が酷く、1992年ワシントン条約で新規伐採が禁止され、輸出入ができなくなりました。さらに、ローズウッド全般も規制の対象になりましたが、2019.10.29より規制緩和され、輸出入に関し、楽器は規制されないことになりました。ブラジリアンローズウッド製の楽器は、外為法に基づく輸出入手続が必要です。まあ、ハカランダは高すぎて入手できないので関係ないでしょうが。

フィンガーボードは、ローズウッドとエボニーが一般的です。エボニーは温湿度に対する変化があり適さないという人もいますが、演奏時に弦とのコントラスト(見やすさ)を考えるとローズウッドを使う気にはなれません。

ブリッジ材も同様の理由で割れやすいので使用しないという人がいます。私はむしろ重さでローズウッドにしました。ローズウッドとエボニーで同じ形に作ると10g以上の違いがあります。後で詳しく述べますが、トップ共振周波数で0.5~1Hz/g程度変化します。トップは軽いほうが良いと思います。

ブレース材は、スプルースのブロック材で売っていますが、厚みを9mmに指定して、カットしてもらったほうが後が楽です。

ネックブロック、テイルブロックは、マホガニー材が売っています。これを使いましょう。


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