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木のロゼッタ [woodwork]

オリジナルギター2では、木を利用しました。音には全く関係ありませんが、この部分に何もつけないとトップのデザインのポイントがなくなってしまいます。何らかの装飾が必要です。
ドレメルルーター.JPG
円形の溝を開ける工具としては、Soundhole and Rosette Routing Jigを使います。これはドレメルルーター用で、とても便利です。

購入済みのLMIのブリッジプレート材(マダガスカルローズウッド)がありましたので、これをロゼッタに使用します。
ブリッジプレート材からの部品どり.JPG
方眼紙にロゼッタの形を書き、これに合わせるようにブリッジプレート材を切って、あてはめていきます。
部品切り出し.jpg
ドレメルルーターで部品を切り出します。
厚さを整える.JPG
MDF材にトップに掘る溝と同じものを作り、部品を当てはめて厚さを削っていきます。ブリッジプレート材だったので4mm→1mmにしました。

溝を開けるのには、少しコツがいります。
ロゼッタ溝加工.JPG
トップ材のサウンドホールの中心にΦ4.5の穴をあけます。裏面からMDF材を当て補強したほうが鉄芯が安定します。
 矢印方向は外側を削る時の方向です。内側は逆方向に削ります。とはいっても、周囲の木目のバリが激しいです。木目がバリとして残るので、事前に丸カッターで周辺をカットしておいたほうがうまくいくと思います。

バリの出ない切削方向は、
・削る外側を残したい場合(サウンドホール、ロゼッタ外側)
図の矢印方向
・削る内側を残したい場合(ロゼッタ内側)
図の矢印とは逆の方向
です。

トップにはめ込む.JPG
面積はちょうどぴったり収まりました。マダガスカルローズウッドは木目が綺麗ですが、バリが取り切れません。

ロゼッタ端には、パーフリングを入れた方が境目が綺麗にできます。



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ライニングを貼る [woodwork]

ライニング材はいろいろありますが、これを使用しています。クラシックギター用のリバースタイプがブレースを嵌め込むための切込みがうまく加工できるかもしれません。
ライニングを留める.JPG
ライニングを留めるには、ミニクランプダブルクリップ25mmを使います。

ライニング材をボディにあてて、ミニクランプとダブルクリップを実際に使用して、留めて長さを決めます。長さが決まったら、接着剤で接着する前にクランプを全部使って必ず事前確認を行いましょう。個数が足らなかったり、部材が剥がれていたり、アクシデントがないようにします。

ライニングを貼ること自体は特別な技術は要りません。

重要なのは長さをぴったりに合わせることとボディと隙間ができないようにミニクランプとクリップを密にして留めることです。


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サイドスプリントを貼る [woodwork]

サイドスプリントを貼る.JPG
機能としては、サイドの木目方向の割れ防止です。

D28.JPG
マーチンD28(1983年製)は、幅12mm厚さ1mm以下の薄い板をアッパーボウト頂点から片側10枚、計20枚貼っています。なるべく軽くなるように考えているのでしょう。

オリジナルギター1では、片側6枚で始めましたが、マホガニーのサイド割れが心配になり、12枚に増やしています。

別の機能として、サイドの剛性を上げ、重くし安定させ、モノポール共振範囲を広げるといった意味もあります。

サイドマススプリント.JPG
オリジナルギター2では、片側10枚に加えて、Gore&giletの本で示されているマス(重り)を追加するためのストリップを付けています。マス(重り)を付けることにより、サイドの運動量(重さx速度)が増え、その反動でトップの振動面積が増え、音質が向上するといわれています。剛性を上げるのと同じ効果があるようです。試した結果はいつか報告します。

次はダブルサイドを試してみようと考えています。この場合は、当たり前ですが、サイドスプリントはいりません。

サイドスプリントは、基本的にバックの端材を利用して作りますが、幅はできるだけ細く、8mm以下にした方が無難です。幅広だとボディの曲線にうまく嵌らないことがあります。厚さも2mm以下にした方が良いでしょう。

サイドスプリントの数を増やし、厚くして、ダブルサイドのように剛性を上げて、重さを稼ぐ方法もあります。

あまりやりすぎると重くなりすぎて、もち辛くなるので注意して下さい。

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サイドベンディング [woodwork]

ベンディングアイロン.JPG
サイド曲げは、同じ長さや幅でも木材の種類でやり易さが異なります。
この動画のようにベンディング専用治具でやる方法もあり、この方法が確実だと思いますが、かなり大がかりな治具なので、私はベンディングアイロンを使っています。

サイド作図.JPG
サイドに作図する時からの準備が重要です。
000タイプのボディサイズの場合、サイド片側の長さは750mmです。
ネック側始点(木目を左右で合わせるために引き直してます。)から
①アッバーボウトの頂点:125mm
②ウエスト:280mm(〇がついている所、曲げ方向が反対になる。)
③ロワーボウトの頂点:520mm
ベンディングする頂点に木目方向に垂直に線を引きます。そこがベンディングをするときの開始点になります。

曲げる前に木に霧吹きを使って曲げる5分前に水をかけておきます。
曲げ具合を見るために、モールドを用意しておきます。

モールドに嵌める。.JPG
1.ウエストから曲げていきます。ウエストは曲げ方向が他の部分とは逆ですから、作図時にも反対側に線を引いておきます。
 ベンディングアイロンは、高温にしておきます。メモリはMaxから1つ下です。設定温度に達するのに30分位かかります。ローズウッドは、温度を上げ過ぎると焦げやすいのとヤニがアイロンにつきやすいです。両手で力をかけ、ゆっくり曲げていきます。アイロンに木を当てておくと直ぐに水分は蒸発してしまいますから、こまめに霧吹きで水を吹きつける必要があります。ある程度の角度になったら、モールドにあてて確認します。まだ角度が足りないなら、水を吹いて、さらに曲げていきます。

2.次にアッパーボウトに移ります。アッパーボウトの頂点から同じように曲げていきます。円形の形状に合わせてベンディングアイロンに接する点を少しづつずらしながら行います。ウエストと交互にモールドに合わせて曲げ具合を確認しながら行います。

3.最後にロワーボウトの頂点から同じように曲げていきます。形状に合わせて少しづつ接する点をずらしながら行います。

4.全体が整ったら、モールドに嵌めてクランプに止めて一昼夜置きます。

サイド曲げ終了.JPG
マホガニー、ローズウッド、メイプルで経験しましたが、木によって曲げ易さが異なります。マホガニーは脆く曲げるのには注意が必要です。ローズウッドは硬いですが粘りもあり、かなり強く力をいれてもそれなりに曲げることができます。メイプルは木自体が柔らかく、腰もあり曲げ易いですが、癖がつきにくいです。

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サイドの厚さ調整 [woodwork]

サイドの厚さが、音にどう影響するかは難しいものがあります。これに関しては、別の機会に譲ることとして、サイドの厚さはベンディングをやり易さで決めます。

同じ長さや幅でも木材の種類でサイドベンディングはやりやすさが異なります。インディアンローズウッドは粘りがあり比較的曲げやすいと感じました。アフリカンマホガニーは、ローズウッドより脆い感じがします。

厚さはいずれも2.0mmにしました。

電動サンダーを使いますが、それでも結構な工数がかかりますし、粉が飛んで汚れが激しいので、外で行いました。

厚さ指定して購入するのが賢明です。

電動サンダー.JPG
電動サンダーは、BLACK+DECKER KA2000を使っています。底面に専用のサンドペーパーをマジックテープで貼る構造になっています。AMAZONのコメントにもありますが、集塵機能は期待できません。専用のサンドペーパーには、そのための穴が空いていますが、この機能は使っていないので、アマゾンで売っている汎用のアイロン型サンドペーパーを使っています。自分で改造して、掃除機のノズルを直接繋いで使っている人もいるようです。今度試そうと思います。

サンドペーパーの粗さは、#40,#60,#80,#120ともっと細かなものまでありますが、厚さ調整にはこの辺りでしょう。木の表面や種類で必ずしも粗い番手が良く削れるというものではないようです。使い勝手を少し試してみてから、本格的に使います。

音が結構しますので、周辺への注意が必要です。振動が大きく、手がしびれますが、研磨性能は手動に比べて桁違いです。

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穴を開ける。 [woodwork]

ギター製作工程で「穴を開ける」のは大事な工程です。
1.ペグ・チューナー取り付け
2.ネック取り付けブロック
3.ブリッジピン
4.フレットボードポジションマーク
について説明します。

使用する使用するドリルビットです。
・2mm(これだけ金属用、先がないもの)フレットボードポジションマーク
・2.5mm 径の大きな穴を開ける時に中心に誘い穴を開ける。
・5.0mm ブリッジピン穴 ネック取り付けブロック穴(M5)
・6.0mm ネック取り付けブロック穴(M6)
・7.5mm M5鬼目ナット取付穴 トラスロッド調整穴 ペグチューナー表穴
・8.5mm M6鬼目ナット取付穴 ネック側
・10.0mm ペグチューナー裏穴(推進力のないもの)
・面取り ブリッジピンの面取り用
以前にも書きましたが、何本かセットになったものが売られていますが、使うものと使わないものがはっきりと分かれます。ドリルビットは必要なものだけを購入しましょう。 そうしないと道具箱がビットだらけになります。

1.ペグ・チューナー取り付け
使用するビットは、
・2.5mm 径の大きな穴を開ける時に中心に誘い穴を開ける
・7.5mm ペグチューナー表穴
・10.0mm ペグチューナー裏穴(推進力のないもの)
です。
 ペグ・チューナーGOTOH SGS510Z-S5-L3+R3-Chromeは、ロトマティックタイプで、穴の大きさが決まっています。深さのキャパシティは14〜16mm(GOTOHのどこかの資料に載っていました)なのでヘッド厚みは16mmを想定しています。

チューナー相対位置.JPG
まず、重要なのは相対位置です。これには写真にあるように方眼紙に書いた図をヘッドに貼って決めています。より確実に開けるためには、アクリル板でヘッドテンプレートを作った方が良いと思います。

チューナー深さ.jpg
次に垂直に開けることです。これはボール盤で行うのが確実ですが、もっていないので電動ドリルを使います。
 最初にΦ2.5のビットを使って、中心に貫通穴を開けます。この垂直度が相対位置を決めるのでスコヤなどでガイドして垂直度を確認します。

3番目は深さです。上穴はΦ7.5(図に載っていません)下穴はΦ10のビットを使用します。以前にも書きましたが、穴が貫通しないように推進力のないものを使用します。深さはチューナーの厚みが10mmあるので11mm開けるとして、上穴は5mmの深さです。当然ですが当て木をします。

チューナー仮付け.JPG
チューナー取付穴はΦ2.4なので、ドリルビットは使わずにキリで深さ3mmの誘い穴を開けて後はネジがスクリュータイプなのでゆっくりとねじ込みます。ここも垂直度に注意します。
チューナー取付穴は、写真にあるようにチューナーを仮付けし6個のバランスを確認してから、現物で位置決めをします。

2.ネック取り付け
ネック取り付け1.JPG
ネック取り付け2.JPG
ネック取り付け3.JPG
ネックブロック側には、Φ6.0の貫通穴を2か所、ネック側には、鬼目ナットを取り付ける穴を2か所開けます。最初に、ネックをネックブロックに固定して位置合わせを行ったところで、ネックブロック内側からΦ2.5のビットで中心を決めます。ネックにも穴の中心が写るように開けます。
フレットボード裏を固定する穴1.JPG
フレットボード裏を固定する穴2.jpg
フレットボード裏を固定するΦ5.0の貫通穴を2か所は、部品の段階で開けて置き、最終的にフレットボードに補強部材を固定するときに位置合わせをします・

3.ブリッジピン
このブリッジにはピン穴が途中まで開いており、サドル溝も切られています。
位置決めが重要です。
サドル位置.JPG
サドル位置とブリッジ前端との距離を正確に測定しておきます。
ブリッジ個体間で0.5~1.0mm程度のズレがあります。(写真はスマホのカメラなので上からの位置がズレています。)サドル基準でブリッジ位置を決めます。今回のブリッジは7.5mmでした。
ブリッジ位置.jpg
スケール長:632.5mmとすると、0フレットから14フレットまで:350.7mm
よって、ボディ端(14フレット)からサドル中心まで:632.5-350.7=281.8mm
これに、以下の補正を加えます。
弦の振動補正弦の振動補正:2mm
・1弦から6弦までの斜め補正の1/2:1.5mm
よって、ボディ端からサドル中心は。285.3mm
ボディ端からブリッジ端までは、285.3 - 7.5 = 277.8 mm になります。
ブリッジピンの穴あけ.JPG
この位置に、両面テープでブリッジを留めて、Cクランプで固定して1ピンと6ピンから穴を開けます。
ブリッジボルト.JPG
2ピンから5ピンまでは、ブリッジボルトで留めて穴を開けます。

ブリッジピン穴の仕上げ.JPG
ブリッジピン穴の面取りのビットを3種載せましたが、結論から言うと右端の砥石(カインズホーム)が良いです。左のビットは出来上がりが綺麗にならない、中央は角度が強すぎです。

4.フレットサイドマーク
貝のΦ2mmフィンガーボードポジションマークを使います。
サイドフレットマーク.JPG
フレットボード横に穴開けを行います。これは、電動ドリルは使用せずに、ドリルビットだけを使用して、手で回して穴を開けます。この方が間違い(薄いところで削り過ぎる)が少ないです。オリジナルギター1では、フレットボードはローズウッドだったので問題ありませんでしたが、黒檀(エボニー)は固いため、木工用のΦ2.0のビットでは先端が折れます。
金属用ビットΦ2.0を使いましょう。

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ネックヒールとボディの曲面の隙間をなくす。 [woodwork]

ネックとボディの接する部分の加工にはちょっとしたコツが必要です。

分かってしまえばあたり前のことですが、オリジナルギター1を作るときには、これを理解していなくて隙間をなくすのに苦労しました。オリジナルギター2ではうまくできました。

ネック側の接触面.JPG
周辺を残してノミで中心部分をえぐり取ります。ボディ側は曲面なのでネック側の接触面が平らならば、当然隙間ができるわけです。内側をえぐることにより接触する面の周辺がボディ曲面と接して、ピッタリします。後は、ボディとネックの隙間に#400の紙やすりを入れて、引き抜くようにすればさらに接触度が上がり、隙間がなくなります。

ヒールとボディの曲面の隙間.jpg
さらに気を付けなければならないことは、ヒールのボディ密着部は緩やかに湾曲しているのでサイドばかりを気にしていると、ヒールに削った跡が残ってしまうことがあるので注意します。写真は少し残っています。この程度であれば、均してヒールキャップで隠すこともできます。

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ネックブロック組立 その1 [woodwork]

ネックブロック.JPG
オリジナルギター2は、ボルトオンーオフ構造で進めます。

ギターのすべての部品(トップ、バック、サイド、ネック、フレットボード)が集まるところなので、様々な制約を受けます。

ネックとボディが接続される周辺(部品)寸法は、
①ネックの仕込み角度
②ネックに埋め込むトラスロッドの深さ
③トップの平面性
fallawayをどうする?
等、すべて絡んでいるので、全体の調整をどう進めていくか試行錯誤しながら進めています。

ルーターで加工するのが常套手段ですが、持っていないので、手持ちの道具でどうできるかを考えながら進めました。

ネックブロックをいくつかの直方体に分けて、タイトボンドで貼り付けることにします。

部品切り出し.JPG
マホガニーのブロックから全部で6つの部品を切り出し接着します。

ネックブロック第一部材接着.JPG
フィンガーボードがボディに入る部分を受けるところです。

ヒール部分接着.JPG
バックに接着するヒール側の部材とネックが収まる部材を接着します。

全体接着.JPG
ネック部分が収まるとこをには、ダミー部材を入れて、寸法を確保します。すべてのパーツを合わせて完成です。

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フレットボードの作り方3 [woodwork]

9.フレットワイヤー20個の切断
フレットワイヤーは、一般的なスモールタイプ(フレットボード上で高さ1.0x幅2.0)は、国内メーカーでは三晃製作所、タイプはSBB-23(0.6mm)かSBB-217(0.5mm)です。販売は大和マークです。
 この2つの違いは、フレットボード溝に入る足の幅です。フレットボードはエボニー(黒檀)やローズウッドのような硬い木なので、この0.1mmの差は大きいです。リフレット時で既にフレットが打たれた後であれば、溝が既に広がっているので、0.6mmです。新しく溝を切ったならば、0.5mmでしょう。特にエボニーは硬いので0.5mmを使用したほうが無難です。もちろん使用する鋸の厚さによります。海外メーカーではJim Dunlop、Jescarなどがあります。

Goldタイプもあります。Jescar EVO“Ni-Free” Gold No.43080Eです。通常のニッケルシルバー品よりやや硬いです。

フレットキーパー.JPG
ワイヤーを1~20フレットにあった長さにカットした後、フレットキーパーに納めます。フレットは各々長さが異なるので、フレットがバラバラにならないための治具を用意しておくことは重要です。これに順番にフレットを差しておきます。

使用する工具類は、ここを参照。

10.フレットに曲率をつける
溝切ラジオペンチ.JPG

フレットを打つ前に、フレットボードの曲率より少し強めにRをつけます。フレット浮きを押さえるために重要なことです。足つきのフレットにRをつけるわけですから、このように加工した溝切ラジオペンチを使っています。このラジオペンチは、先の曲がったものにフレット足を挟めるように加工されています。フレットベンディングプライヤーもあります。

11.フレット端の足を詰める。
端切り.JPG
両端の足を切り、やすりで磨きます。これはMUSTの作業ではありませんが、冬になると木と金属の膨張率(収縮率)の違いでフレットワイヤーがフレットボードの両端から出てきて、これが微妙に手にふれてザラザラとして違和感になります。これを防ぐためには、打ち込む前にフレットワイヤーの両端の足を2mm位落としておくのが良いです。普通のニッパと金属ヤスリでもできますが、これだけで1日かかります。フレットタングニッパーがあると便利です。

12.フレットを打ち込む。
フレットを溝に打ち込むためには、金属製のハンマーはフレットを傷つけるのでプラスチックハンマーが必要です。

押し込むタイプの工具が販売されていますが、ハンマーで済ませています。

まずは、端から打ち込みます。次に反対側の端を打ち込み、最後に真ん中を打ち込みます。打ち込みのコツは、フレットボードにハンマーヘッドが当たると痕が付くので、あまりハンマーを振り上げずに10mmの高さに上げて打ち込みます。叩くというよりも押し込む感じで打ちます。

ネックに貼り付ける前に、フレットボード単体の方が打ちやすいですが、通常はネックに付いた状態でフレットを打ち込みます。短い1フレットから順に打っていったほうが慣れてくるのでいいと思います。

打ち込み終わったら、フレットの両端をフレットカッターででっぱりを切り取ります。切くずは危ないのでしっかりと回収しましょう。

13.マスキングテープを貼る。
マスキングテープ.JPG
ネックと平行にフィンガーボード側面が隠れるように、ネックエンドまで貼り、そのあとでフレット間をマスキングしていきます。

14.フレット端処理
フレットレベラー(に取っ手を付けました)で側面を平らにし、
角度60°でヤスる治具.JPG
次に端をフレットボードとの角度60°でヤスる治具(これもフレットレベラーに取っ手を付けた自作です。市販もされています。)で揃えます。

15.フレットの高さを揃える。
すべてのフレット端処理が終わったら、フレット高さの調整をします。フレットレベラーでトップを粗く高さ調整し、平らにします。

曲尺で確認.JPG
小型曲尺を使用して、両隣のフレット合わせて3フレットで高さがそろっているかを見ます。押さえつけて高さが違うとカタカタと音がします。フレットの真ん中、左端、右端の3カ所で確認します。フレットが高い箇所にはマジックペンなどで印をしておきます。

フレットファイル.JPG
その後、フレットファイルでフレットの山を丸く整えていきます。フレットファイルは、幅が広めの物を使います。スモールサイズ(幅2mm)用はピッタリすぎて動きません。

16.フレットを磨く
#400.JPG
スチールウール.JPG
紙ヤスリ(#400)⇒スチールウール⇒コンパウンドの順にフレットを磨いていきます。この順番は、ギター工房オデッセイさんのリペア情報を参考にさせていただきました。

17.さらにエッジを丸くしていきます。
仕上げ.JPG
ここの工程はフレットワイヤー一本一本についてやっていくので、すごく時間がかかります。但し、ここでワイヤーのエッジを丁寧に丸く仕上げておくかどうかで演奏性が全く違います。

18.溝を埋める。
溝を埋める。.JPG
最後に、フレットとフレットボードにできた隙間をパテで埋めていきます。パテは、フレットボード表面をサンディングするときに出る粉を集めておきます。これにタイトボンドを混ぜて作ります。この隙間を埋めるのは、外観の問題です。固まったらサンディングします。




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フレットボードの作り方2 [woodwork]

5.外形カット
溝が切り終わったら、中心線を真ん中にして、斜めにカットします。完成寸法は、0フレットで幅43mm、エンドで幅60mmです。両辺に2mmの余裕をもってカットします。鋸は、レザーソー 180mm 薄刃を使います。
エボニーやローズウッドは硬いですが脆いので、切る方向以外に力がかかると折れるので注意します。

6.整形
・ナット接触面(基準面)
0フレットとナット接触面は4mmあります。ナット接触面を平らにします。
・サンドペーパーで両辺幅方向に1mmの余裕をもって整えていきます。モールドを作った時に残った端材(600 x 45mm)に#60の紙やすりを貼って使用しています。
・エンド
20フレットを最終フレットとして考えると、エンドは454.7(4+350.7+100)mmになります。ここをどうするかは、全体のデザインによります。サウンドホールの端にぴったりの長さです。

7.ネックに貼る。
これから後の工程(フレットボード表面に曲率をつける、フレットを打ち込む)は、ネックに貼って一体化してから行います。ネック側の握り整形をする前(ネックが平らなうち)に、フレットボードと接着します。接着時の隙間をなくします。
ダミーナット.JPG
まず、ヘッド板は接着済みなので、ダミーのナット(5mm幅)をヘッド板とフレットボードで挟み込んでフレットボードの位置決めします。
ネックに貼る.JPG
Fクランプを左右交互に隙間なく。留めていきます。トラスロッドが金属で、補強ロッドがカーボンなので、木との接着性を考えて、エポキシ接着剤を使います。接着工程の前に必ず同じ工程をシミュレーションします。これをしないと、接着剤を付けた後に、クランプが足りなかったり、うまく止まらなかったりして、苦労します。

8.曲率をつける。
サンディングブロック10Rと12Rに紙やすりを貼って使用します。
10Rと12Rが裏表のものを使用しますが、サンドぺーパーを貼る時には、貼る前にマスキングテープを貼ってから両面テープを貼ります。 剥がすときに苦労しないように。

まず、12Rを使って全体を整えます。次に0フレットから8フレット当たりに10Rで少し強めの曲率を付けます。計算上は0フレットは9.5Rですが、10Rにしました。境目は握りやすさで決めていきます。



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