Simple model for low-frequency guitar function 2-1 [theories]
Simple model for low-frequency guitar function 2-1
Ove Christensen
Institute of Medical Physiology A, University of Copenhagen
Bo B. Vistisen
The Acoustics Laboratory, Technical University of Denmark
(Received 8 November 1979;accepted for publication 25 May 1980)
Ⅱ章.ギター機能の簡易低周波モデル
「ギター機能の簡易低周波モデル」を示す前に、少し論文から離れて、振動工学の基礎的な内容を理解します。
2マス3スプリングの2DOFモデル
2DOFモデルについては、このサイト(振動・波動の基礎)がわかりやすいので参考にしてください。運動方程式を解くのはこのサイトに任せるとして、今回のモデルは、3スプリングでスプリングが1個足らないので加える必要があります。そうしても結果は、ほぼ同じなので問題ありません。スプリングk3を加えると、
モデルは、このようになります。
何が何に対応するかというと、このm1がトッププレートの質量、Fが弦の振動、m2はサウンドホール周辺の空気の質量になります。後で詳しく説明しますが、まずは振動工学で言われる2DOF(dgree of freedom)モデルを理解します。
つまり、ここで扱うギターのモデルは、一般的に振動工学で言われる2DOFモデルになります。
論文中の図2を見てください。
モデルの前提は、
1.トッププレート共振器は、同等の面積Aと質量mpのピストンが、剛性kpのばねに接続されています。
2.ヘルムホルツ共振器は、サウンドホール面積S、質量maのエアピストンとしてモデル化され、キャビティ内の空気の剛性に抗して振動します。
3.バックプレートは剛性が高く、反射体(振動しない)としています。ここでは触れられていませんが、サイドもバックと同じように振動しない前提です。
4.トッププレートの位置はxp、エアピストンの位置はxa(外向きの動きに対して正の値)とすると、ギター空洞の容積Vの対応する変化は、ΔV= Axp+Sxa です。
5.断熱圧縮の場合、キャビティ圧力の変化は、Δp=-μΔVで、μ=c^2ρ/V と定義します(体積弾性率参照)。この圧力は、AΔpとSΔpの2つの発振器にかかる力を発揮します。よって、一方の発振器の変位は、空洞圧力の変化を引き起こし、それが他方の発振器に力を生じさせます。これはトッププレート共振とヘルムホルツ共鳴の間の結合を表しています。
<参考ページ>
体積弾性率 bulk modulus
完全流体の場合、圧力はすべての面に一様に作用するが、容積Vの流体に微少容積変化dVを与えたときには次式で与えられる圧力変化pが生じる。
p=-K(dV/V)
Kは流体の特性で決まる定数であり体積弾性率、あるいは体積弾性係数と呼ばれるもので単位体積の気体が有するばね定数に対応している.気体の体積弾性率は断熱変化を仮定すると次式で与えられる。
K=γP=ρc^2
ここで、γは気体の比熱比、Pは静圧、ρは密度、およびcは音速を示す。
よって
は、体積弾性率を体積で割ったもの