音響機器測定の進歩とシステム設計 [papers]
ADVANCES IN ACOUSTIC INSTRUMENT MEASUREMENTS AND SYSTEM DESIGN
L. Ausiello, Solent University Southampton
V. Hockey Official Martin & Co. Repairs, vincehockey@talktalk.net, Southampton
Proceedings of the Institute of Acoustics Vol.42. Pt.3. 2020
この論文では、製作したアコースティックギターのインパルス応答(IR)を収集するためのサインスイープベースの測定装置を使って、ギターを分解してその前後で周波数特性に変化があるかを見ています。
・弦の張力がサウンドボードに与える影響
・ニス(ポリウレタンラッカー)有無
・ギター本体からバックを取った(ヘルムホルツ周波数の有無)
・Xブレースシステムの上側のトーンバーの有無
・ブレースの重量とプロファイル
・バックの周波数応答
・バックのブレースパターンの変更
「調査結果は、このアプローチが成熟しており、響板の望ましい周波数応答を達成するために、FEMシミュレーション、コンピューター支援機械加工、および追加の製造と組み合わせられる」
「この方法で収集された応答は聴覚化と創造的な目的に使用できるため、ギターメーカーとプレーヤーのコミュニティは、定量的データをプレーヤーの好みと関連付けるという難しいタスクを進めることができる」と言っていますが、まだインパルス応答の測定システムをつくったという域を出ていないので、測定されたデータをどう解釈するか、今後どう改良していくが課題だと思います。
Vice Hockey さんは、著名なGuitar builderです。話は本題とズレますが、分解に使用されたギターの周波数特性のトップモノポール周波数より低い180Hzがバックのモノポール周波数だとしたら、少し珍しいギターだと思います。