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オリジナルギター3:強制振動テスト1 今までのまとめ [tests]

完成後、一年近く経っているオリジナルギター3に強制振動テストを行います。


今までの振動テスト結果をまとめると、

・強制的に振動を与えることによって、木材の特性tanδが小さくなり、サスティーンが伸びるようになります。これは確実ですが、時間がたつとその影響が少し戻ることも分かっています。


・振動の与え方は、弦を張った状態で、トップ、バックは何も触れさせないで、伝振動スピーカー(ピタっとスピーカー(ブルー))を付けてギターがスピーカーとして機能するような大きな音で行います。曲はなんでも良いと思います。


・部屋で昼間活動している時間以外は鳴らし続けます。テスト時間の目安は、トップ、バックとも100時間です。YAMAHA FG-200Jでは400時間、オリジナルギター1では100時間行いました。


・ FG-200Jは合板なのか芳しい結果は得られませんでした。オリジナルギター1,2ではサスティーンが良くなりました。オリジナルギター2では、ヘルムホルツ周波数97.5Hzは変化しないが、G(98Hz)にサスティーンがあるように聞こえるようになりました。これは、3倍波である294Hzのサスティーンが良くなったためで、97.5Hzが変化したわけではありません。ミッシングファンダメンタルの影響でしょう。


*ピタっとスピーカーは、廃番になっています。同じようなものはネットでは見つかりませんでした。

 

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オリジナルギター2:強制振動テスト [tests]

強制振動テストを行い、音質の変化、周波数変化を確認しています。

テスト前は、6弦G(=98Hz)がヘルムホルツ周波数(=97.5Hz)と近いため詰まり気味でした。

・バック 15時間/日で約1週間 合計96時間
・トップ 15時間/日で約1週間 合計109時間

弦を張った状態で、トップ、バックは何も触れさせないで、ネックエンドとテールエンドを木の上に置いて、バック、トップの中心に伝振動スピーカー(ピタッとスピーカーplus)を付けてギターがスピーカーとして機能するような大きな音で行います。

部屋の天井裏の物置で、昼間活動している時間以外は鳴らし続けました。

バックの経過は、
・36時間で、サスティーンが効くようになってきている。
・バックモノポール243Hzが強くなっている。
・コードストロークのバランスが良くなった。ヘルムホルツ周波数97.5Hzは変化しないが、G(98Hz)にサスティーンがあるように聞こえるようになったのは3倍波である294Hzのサスティーンが良くなったためで、97.5Hzが良くなったわけではない。

トップの経過は、
・サスティーンが伸びて、コードストロークにバランスが取れてきた。

オリジナルギター2 強制振動テストによる周波数特性の変化.jpg

周波数特性的には、バックの第2周波数が249Hz→234Hzに変化しました。
294Hzのサスティーンと関係あるのでしょう。

まとめると、
・モノポール周波数特性の変化はない。
・サスティーンが良くなった。
・ヘルムホルツ97.5HzでGと被っているが、2倍音、3倍音のサスティーンが伸びて、気にならなくなった。
・446,482,533,605Hz等のピークがでてきている。

強制振動テストをやると気付くことですが、常に振動を与えているので、テスト最中や直後は木が軟化しているように感じます。これは恒常的な変化ではなく、テストをやめると完全ではないですが、元に戻っていきます。

ヤマハの改造ギターオリジナルギター1強制振動テストでも載せましたが、「tanδ(粘性を弾性で割ったもの)が振動時間の増加につれて、ほぼ指数関数的に減少し、1~2時間で一定値に落ち着く」らしい。簡単に言うとネバネバ感がなくなるということです。サスティーンが増すのはそういうためでしょう。

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オリジナルギター1強制振動テスト:音を良くする。 [tests]

オリジナルギター1に対しても強制振動テストを実施してみました。
ロワーボウトの中心に伝振動スピーカーを付け、強制加振させて音の変化を確認しました。2020/9/13-18の間で100時間 行いました。

結果は、「6弦の倍音、サスティーンが良くなっている。」ということです。
でも、劇的によくなるというレベルではありません。

新しい木材といっても、使用した木材は10年位板のままで倉庫にあったものですから、かなり古く変質した後だからということかもしれません。

しかし、完成時に初めて弦を張った時に新しい発見がありました。弦を張って10分くらいの間に音の響きがみるみる変わりました。こういうことがあるということは何かの記事で知ってはいましたが、ギター製作をした人でないと経験できないかもしれません。

強制振動テストによる効果についてまとめておくと、「tanδが振動時間の増加につれて、ほぼ指数関数的に減少し、1~2時間で一定値に落ち着く」らしい。tanδは粘性を弾性で割ったもので、簡単に言うとネバネバ感がなくなるということです。サスティーンが増すのはそういうためでしょう。

次機種でも確認していきます。
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YAMAHA FG-200J 強制振動テスト [tests]

強制的にトップを振動させて、音に馴染ませる(何かが変化している)ことによって、鳴りが良くなることが知られています。

ネット情報ですが、某国内ギターメーカーは出荷前にクラシックを聴かせるそうです(これで本当によくなるかどうかはわかりません)。

で、確認してみました。

ロワーボウトの中心に伝振動スピーカーを付け、強制加振させて音の変化を確認しました。
鳴らした音の周波数帯域を測定すると、150~15KHzを中心に帯域が伸びています。音量は部屋にいると相当うるさいといった程度。

かなり古いものであり、トップ、バックとも合板であることからあまり期待していませんでしたが、400時間加振してみました。

結果は、
・100時間程度で高音(1,2,3弦)のサスティーン改善が見られた。
・300時間を超えたところで、全体のバランスがよくなったが、それなりのレベル。ハコ鳴り感はない。低音6弦3Fデッドポイントがかなり解消された。
・400時間で相対的に低音が出るようになったからか、高音の倍音があまり響かなくなった。

強制的に振動させることによって、粘性が減って振動が長続きするようになったということでしょうか? サスティーンは良くなります。でも、劇的によくなるというレベルではありません。デッドポイントが解消されたのは、よくわかりません。全体的に150~15KHzの音に対しては、馴染んだということでしょう。

tanδ(=粘性/弾性)が1~2時間で減少して落ち着くという報告もあります。10年くらいの長期的に変化するという現象とは違うと思いますが。

新しい木材に対してどうなるか、今後オリジナルギターでさらに確認していきます。


伝振動スピーカー


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