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ライブバック [technical terms]

バックの役割は、反射器(リフレクター)か拡散器(ディフューザー)かということです。
バックを振動させるようにするか、固定して反射させるかという選択です。音を前に飛ばすためには、反射器(リフレクター)を選択した方が良いといわれています。その場合、バックは硬くて重いので、どの木材種が使用されているかは音響的に重要ではありません。

ギター設計においては、バックが二次振動面(弦が弾かれて、直接、力が加わるわけではなく、何かを介して振動が伝わるという意味)として扱われるライブバックにするかどうかをまず決めます。今まで製作した3本のギターは、すべて「ライブバック」にしました。トップよりも少し高い共振周波数を目標にしました。

Mr.Goreは「ピッチが 4 半音高いバックによるモノポール共振周波数を推奨」といっています。Mr.Somogyiは、人によって「バックはトップより2〜7半音の高いピッチを推奨」するといっています。「良く合ったトップとバックの組み合わせをタップすると、洞窟や音響的に生きている部屋で響き続けるようなエコーのようなサスティーンを持つレスポンスが得られる」といっています。

弦から励振されたトップからバックへ振動が伝わる経路は 2 つあります。
1) ボックス内の圧力変化によるもの
2) サイドから伝達によるもの
です。バックが、主にボックス内の気圧の変化によって駆動される場合、サウンドホールから空気を動かし、ギターの出力を向上させることができます。

Mr.Alan Carruthは、「バックレゾナンスは通常、応答曲線の「ディップ」として現れます。内部の空気共鳴 と同様に、高域の共振は「音色」に寄与します。これらのディップは、弦の一部の倍音を他のものより弱くし、各音に独自のサウンドを与えます。」と言っています。

Mr.Trevor Goreは、「ライブバックは「トーン」を与え、硬いバックは振動せず 「ボリューム」を与えます。」と言っています。

ライブバック.jpg
この写真は、オリジナルギター3の塗装後(エボニーブリッジ仮付け)のクロスダイポール(Low側)のタッピングポイントを叩いた時の周波数特性です(トップモノポール周波数が低く出ていますが、ブリッジをエボニーからローズウッドに替える(10g以上軽くする)ことでで10Hz以上あがりました)。
矢印のところがバックモノポールで、ライブバックになっていることを示しています。最終的にT(1,1)2:トップモノポール:184Hz、T(1,1)3:バックモノポール:228Hzになりました。ちなみに、184Hzから4半音離れると235Hzくらいになります。

<参考>
オリジナルギター2-7 構想:3ラダー+放射状のバックブレース
Wood for Guitars3 by Trevor Gore
バックとサイドの機能は何ですか?



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