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ウルフトーン5 [theories]

トルナボスをつけることにより、ヘルムホルツ周波数を下げることができましたが、もう少しスマートな方法がないかを確認します。スマートという意味は、ギターに本来必要ではない部品を加えないということです。要は外見上何も変わっていない方法を選ぶことができるかということです。



この方法を試してみます。


 バックに重りをつけ、間接的にヘルムホルツ周波数を下げます。この方法が何故可能なのかは、ボディの共振周波数が各々がどう影響しているかを理解する必要があります。


 このためには、2DOFシステムの解析に加えて、サイド、バックの振動を加えた4DOFシステムを理解する必要がありますが、それは別の機会にします。

 エアモードとのカップリングに対してバックが与える影響を利用することができるかを確かめる必要があります。もしバックに重さを追加してバックモノポール周波数を下げることで、「エア」モードの周波数を下げることができるならば、バックブレースを削ってバックモノポール周波数を下げることと同じ効果を出すことができ、これはスマートな方法です。

 モノポール周波数は f=(1/2π)√K/m で決まります。Kは剛性でブレースを削ることはKが下がり周波数も下がります。バックに重さmを追加することでも周波数は下がります。この2つは周波数を下げることに同じ効果があります。

では、実際にバックに重さを加えることで効果があるかを調べていきます。

バックに重り.JPG


ポスター用シリコン接着剤で硬貨をバックロワーボウト中心に固定してヘルムホルツ周波数を含むモノポール周波数の変化を見ました。


    0g 7g 12g 17g
T(1.1)1 Helmholtz 101 100 100  99
T(1,1)2 top-monopole 178 177 175 173
T(1,1)3 back-monopole 222 214 206 201

バックモノポールが21Hz下がったのに対して、ヘルムホルツは2Hz程度しか下がらずほとんど効果は得られず、バックモノポール周波数を下げることで、「エア」モードの周波数を下げることはできません。また、バックがトップモノポール周波数に近くなったせいか、全体の音色(サスティーンがなくなった)変わりました。共振周波数の変更によって失われるトーンとのバランスもよく見ておく必要があります。


 

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