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フレット打ち直しのポイント [repair]

フレット打ち直しのポイントは、

1.古いフレットを抜く前の準備

2.フレットタング幅の選定

3.新しいフレットをネック表面の曲面に合わせる。

ことです。

 

まずは、古いフレットを抜きます。

フレットプラー.JPG

これにはフレットプラー(抜きの専用工具)を使います。

フレット抜き後.JPG

ここで注意しなければならないのは、古いフレットボード(特にローズウッド)は脆くなっています。上の写真のようにできれば上出来です。

 表面は乾燥しているので、リンシードオイル(亜麻仁油)を塗り、はんだごてでフレットワイヤーを十分に熱してから引き抜くことです。力任せに引き抜くと間違いなく、縁がふちが欠けます。
しかし、縁が欠けてしまっても大丈夫です。フレット溝を修復することもできます。
修復.jpg
サンディングした時に出た粉をとっておき、タイトボンドに混ぜてパテを作ります。
直尺.JPG

直尺 15cmの厚さはちょうど0.5mmなので欠けたフレット溝に入れて、周りをパテで埋めます。1日置いて後はサンディングすれば修復できます。


 

フレット打ちは新しく打つ時と基本的には同じですが、フレットボードが古くてフレット溝が広がっている場合は、フレットの足の厚みを変える必要があります。

フレットワイヤー.jpg

一般的なスモールタイプ(フレットボード上で高さ1.0x幅2.0)には、2種類あり、三晃製作所のSBB-23(0.6mm)かSBB-217(0.5mm)です。国産で、販売は大和マークです。

 

この2つの違いは、フレットボード溝に入る足の幅です。フレットを打ち直す時は溝が広がっています。ローズウッドの場合は比較的柔らかいので、0.6mmが良いでしょう。エボニー(黒檀)のような硬い木で、特に新しい場合は難しいです。0.5mmが良いかもしれません。古い場合、または何回も打ちなおした場合は0.6mmです。

この0.1mmの差は大きいです。もちろん使用した鋸の厚さによります。0.6mmでも緩い場合はタイトボンドで固定してしまうという手もあります。

 

特にフレットボードが古い場合は、フレットボード表面の幅方向の曲率に合わせないと端が浮いたり、新しく打つフレットの曲率がきつすぎると中央が浮いてしまいます。

溝切ラジオペンチ.JPG
私は溝切ラジオペンチを使って、フレットボードの曲率と同じように少しRをつけておきます。このラジオペンチは、先の曲がったものにフレット足を挟めるように加工されています。フレットベンディングプライヤーもあります。

 

 

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