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ボイシング1 [voicing]

ボイシングとは、ギターのトップやバックをタッピングして聞こえてくる音からその特性を判断して、より良い音に持っていく一連の工程をいいます。3台を作り終えて、ボイシング工程はほぼ固まってきました。ボディサイズ(000サイズ)は変えていません。厚さはディープサイズでほぼ同じです。オリジナルギター3のボイシング記事で載せたような手順で進めます。16工程あります。
ボイシング工程.jpg
・(板の状態)
・(モールドに入れ最終結果を予測)
・(トップを接着後、ボディ形状で最終結果を予測)
・(トップとバックを接着後、ボディ形状での最終結果)
の4つの形態でボイシングを行います。

0’.トップ、バックの厚さを決める前に、「音作り」という意味では、木材の選定(購入段階)から始まっています。軽い音を響かせたいならば、シトカスプルース+アフリカンマホガニー(オリジナルギター1はこれでした)、ハリのある伸びがある音ならば、エンゲルマンスプルース+インディアンローズウッド(オリジナルギター2、3)の組み合わせを選んでいます。購入するときには、厚さ指定をしましょう。厚さを薄くする作業は意外と大変なので、目標の厚みまでギリギリにして購入することがベターです。オリジナルギター2と3で使用した、エンゲルマンスプルーストップは2.8mm 、バックのローズウッドも2.8mmに指定して注文しました。結果的にローズウッドはもう少し薄くても良かったと思います(最終的にOrg.#2は2.3mmとOrg.#3は2.0mm)。

0.トップ・バックの厚さの決定
トップ材とバック材が入手できたら、次は厚さをどうするかということです。トップ・バックの厚さの決定方法は、Gore&Giletの本の中で、ブックマッチする前の長方形に切ったトップ材のタップ音の周波数から剛性を算出し、厚さを決定する計算方法が載っています。知りたい方はを購入してください。

1.(2.)トップ(ギター外形加工後、ロゼッタ、サウンドホール加工後)
ボイシング0-2.JPG
この本の方法ではなくても、行う方法があります。ブックマッチした後は、最低周波数が30Hz程度に下がるので、測定ができません。ギターの形に外形加工するとタッピング周波数は50Hz程度に戻ってくるので、この時の最低周波数を測定します。アッパーボウト中心端を親指と人差し指で挟み、ロワーボウトの中心を叩きます。アッパーボウトを斜めに持ったり、ロワーボウトを持ったりすると特性が変わるので注意します。
 Mr.TomMillerは「ロンググレインの振動周波数を52Hzまで薄くする」と言っています。ちなみにOrg.#2は54Hz , Org.#3は65Hzでした。#3は少し厚すぎると思いますが、既に厚さは決定しているので、ここでは厚さの調整は行いません。
 サウンドホールを開けることによって縦方向の剛性が低下し、モードの周波数が低下するとも言われますが、私が測定したときにはあまり変わりませんでした。最低周波数を50Hz台になるようにしておけばいいと思います。
 最初のうちは感覚がないのでどうすればよいかわかりませんが、2台目、3台目になってくると、前のデータと波形を記録しておくことで、次にその値にすればよい、あるいはタッピング音の感じが分かってきます。

3.バック(ギター外形加工後)
トップで行ったことを、バックにも行います。Mr.TomMillerは「ロンググレインの振動周波数を43Hzまで薄くする」と言っています。Org.#2 , Org.#3共、54Hzでした。Org.#2とOrg.#3は、同時期に購入した木材(ローズウッド)で、既出の厚み決定法で最適厚みが2.3mm と2.0mmで異なりましたが、板の振動特性は同じでした。それなりに正しく調整できているということでしょうか。既に厚さは決定しているので、ここでは厚さの調整は行いません。




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