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ボイシング2 [voicing]

トップ、バックの板厚の調整が終わり、ブレースを貼り付けた後、スキャロップしていきます。
4.ブレース付きトップ(ブレースラフカット接着後、スキャロップする。)
ボイシング:ブレースラフカット.JPG
ブレースは貼り付ける前に、横から見た投影図(山型)に削ってから接着します。貼り付けてからの加工は手間がかかるので。この状態で、周波数特性を見ます。

サウンドホールからトランスバースブレースを持って、ブリッジ接着部をタッピングバーで叩きます。マイクを20㎝位に近づけないとすべての振動は捉え切れません。ここから、ブレースを削っていきます。

ブレースを削るポイントは、
①各ブレースの端を削り、影響の少ないフィンガーブレース、次にトーンブレース、最後にXブレースを削る。モノポールに影響の大きいXブレースを完成させてから、別のブレースを削るとモノポールがさらに下がってしまうので、各ブレースを均等に削っていく。
②全体のバランスが取れている状態で、フィンガーブレースを削ると、クロストリポール (約500Hz)がでるようになる。
③各ブレースの四角い断面から木材を取り除いて、三角形にする。次に高さを下げる。さらに中心の長さを短くする。

オリジナルギター2では、ブレース付きトップのブレースを削る手順を以下のようにしました。
①フィンガーブレースを左右4本ともスキャロップする。
②トーンブレース下の先端を削る。
③トーンブレース上の先端を削る。
④Xブレース下部分
⑤Xブレース上部分
⑥X全体
⑦フィンガーブレース全体
⑧トーンブレース全体
と全体のバランスを取りながら順番に、山の断面が三角形になるように削っていき、一通り、削り終えたところで、
①タッピング音を聞いて、
②両手で軽く曲げてみて、縦方向と横方向の硬さを確認し、
③一番強い周波数を測定します。

このタッピング音+縦横の硬さ確認+周波数特性測定といった感覚的なものと周波数測定を組み合わせることにより、最適なものができると思います。
ボイシング0.jpg
このブレースが調整後です。
ボイシング:トップ.jpg
ボイシング:トップ周波数.jpg
波形の上の写真がブレースを削る前、下の写真が調整後です。さらにブレーシング途中の周波数の変化です。この工程から次工程へ行く判断基準は、最も強い周波数が240Hzを目標にします。
板の厚さを決め、ブレースを貼って、この状態でブレースを削りながら、タッピングして、大体の硬さを決めていきます。周波数特性をみながら、タッピング音で判断します。ある程度まで出来たら、少し硬めでやめます。削り過ぎたら後戻りできないので。

5.ブレース付きバック(ブレースラフカット接着後、スキャロップする。)
ボイシング0-1.JPG
トップと同じようにブレースは貼り付ける前に、横から見た投影図(山型)に削ってから接着します。この状態で、周波数特性を見ます。
ブレース付きバックのブレースを削る手順は、ラジアルブレースを中心(50mm)から両側に落としていき、山型にします。このブレースは、細かな共振を生じさせないためのもので、ローテーションの2回目で最終形態にします。調整するものではありません。
次に第3ブレースの中央の平らな領域は約100mmで、高さは約13mmです。これがデフォルトです。第2ブレースの中心より65mmから始め、最後の15mmは、一定の2mmの厚さで仕上げます。第2、第3の山型の側面を削ることで、最大ピーク周波数を250Hz程度に調整します。ここでも、あまり攻め過ぎないようにします。最終的なチューニングは、ギターンバックを貼り付けた後、サウンドホールからアクセスすることもできます。第3ブレースの平らな部分を減らすことで周波数を調整します。
ボイシング:バック波形.jpg
ボイシング:バック周波数.jpg
波形の上の写真がブレースを削る前、下の写真が調整後です。その下は、周波数の変化です。
これで、トップ、バック単体としては仕上がりました。この後は、トップ、バック、サイドを組み合わせていきます。
この後の工程は、色々なやり方があるようです。私は最初にサイドとトップを接着して、トップの振動モードを調整して、バックを貼り付けていきます。しかし、色々な動画やブログなどをみていると、人によっては最初にバックを接着するやり方もあるようです。

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