ミッシングファンダメンタル [technical terms]
ギターの音は倍音で構成されますが、その最低音(基本周波数)が音の高さになります。しかし、基本周波数を除いた倍音構成を聴いても、存在しないはずの基本周波数が知覚されるということ。例えば、360Hz、480Hz、640Hzという周波数成分を持つ倍音構成を聴くと、基本周波数としてこれらの最大公約数である120Hzの音が知覚されるということです。
ミッシング・ファンダメンタルの応用としては、
・ヒトの声の基本周波数は300Hz未満。それに対して電話が伝送可能な周波数帯域は大体300Hzから3500Hz。基本周波数は伝送されなくても声に含まれる300Hz以上の倍音列が伝送されるので電話越しに聴こえる声の高さは直接会って聴く場合と変わらない。
・100Hz以下の周波数の音を再現できない小さなスピーカーやイヤホンでも、倍音列を上手く調整した音を再生すれば低音域を聴くことができる。
があるそうです。
こんなことがあるのかと思った時、ふと気が付いたことがありました。オリジナルギター2の強制振動テストで、テスト前は「6弦G(=98Hz)がヘルムホルツ周波数(=97.5Hz)と近いため詰まり気味でした」が、テスト後「G(98Hz)にサスティーンがあるように聞こえるようになったのは3倍波である294Hzのサスティーンが良くなったためで、97.5Hzが良くなったわけではない」とあるのも、この影響があるのかもしれません。
色々なサイトで紹介されているので、興味のある人はどうぞ。
Missing Fundamental(ミッシング・ファンダメンタル)
ドを鳴らしていないのにドが聞こえる「ミッシング・ファンダメンタル」
特に聴覚の場合は、物理量と心理量を区別しなければならないようです。
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