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ビンテージ処理4 [woods]

ビンテージ処理について調べてきましたが、最終的にこの処理によって木材の振動的性質はどうなるかを整理しておきたいと思います。

ビンテージ処理とは、

1.自然乾燥して、水分を安定させる。

2.無酸素状態で数時間、熱(120〜200℃程度)をかける。

(この段階で、変性して、安定する。)

3.もう一度、湿度をかけ、水分を安定させる。

で、ダナ・ボジョアも言っていますが、「炭」を作る工程と似ています。

 

その条件を変えて、どの程度まで行うかということだと考えると、

①密度が下がる(水分が減り、軽くなる)

②剛性が下がる?

③粘度が下がる

④性能が安定する。

がどの程度まで変化するかということだと思います。

 

ギターの振動的性能にどれが一番影響するかというと、

①水分が減って重さが軽くなるのは確実で影響が大きいと思います。

②「剛性が下がる」のは、必ず起こることではないと思います。硬くなったりする過程で、剛性が上がることも下がることもあるのではないかと思います。

③通常の環境下では、粘度は下がると思います。

④性能が安定するとは思いますが、これはすべての細胞が結晶化するわけではないので、処理条件によっては、高湿度環境に置くと戻ってしまうこともあるのではないかと考えられます。

 よって、確実に言えること粘度が下がって重さが軽くなるのではないかと思います。ギターの音的に言えば、サスティーンが良くなり、音量が増える(音圧があがる)のではないかと思います。これはあくまでも私の私見です。

と考えていたらこんな記事がありました。『熱処理などによって音響変換効率が向上しても、その効果の一部は高い湿度に曝されることによって消失します。木製楽器の品質を維持するためには、高い湿度に曝すことを避け、常に気乾状態で保存するのが望ましい』といっています。『「熱処理によって古材を再現した」と謳っている楽器もありますが、その効果のほとんどは一時的なものと推測されます。』とも言っていますが、これは少し言い過ぎだと思います。同じ投稿者で木材物性の経年変化を予測するための時間ー温度ー湿度換算則という論文があります。論文中で気になったのは、

・熱処理による物性変化は質量減少率の関数である。

・処理温度が150℃を越えると化学変化に質的違いを生じる

・経年による木材のヤング率の変化と質量減少率の関係は湿度により大きく異なる。通常の湿度(30~60%RH程度)では、ヤング率(≒強度)は数%上がり、tanδ(≒粘度)は数%下がる。


熱処理時の湿度により、結果が大きく異なるようです。


やはり重さが軽くなることだけは確実に言えることだと思います。

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