SSブログ

モノポールモビリティ [technical terms]

モビリティ(=アドミッタンス)は、システムをどれだけ簡単に駆動できるかを表します。

この逆数は、機械インピーダンスで加振力と応答速度の比です。周波数により、大きさ(振幅)と位相が変わります。

減衰を含む振動2で「減衰を含む振動」について考えました。減衰を含む振動3でもでてきたように、共振時の振幅を制限する唯一のものは減衰だけです。共振時の駆動力は変位と90°位相がずれていて、共振時には、インピーダンスが最小(=アドミタンスが最大)になります。


ここで検討した微分方程式(運動方程式)より導かれる結論は、結局、効率的で高性能なギターが必要な場合は、高い振動感度(モビリティ)が必要となり、


1/√Km

をできる限り大きくすれば、これが達成されます。(Contemporary acoustic guitar design and build 1.4.9 , 1.7.2 より) つまり、大音量が必要な場合は、剛性が低く、軽いサウンドボードが必要です。勿論、壊れないための最小限の剛性は必要です。


Wood for guitarsの音響基準でも述べられているように、モビリティを良くしたレスポンシブ(応答が良い)ギターにウルフノートやイントネーション(共鳴が重なることにより音程がズレること)などの副作用が発生しやすいので、一般的なギターはモノポールモビリティを抑えているといっています。


設計上の注意点は、

i) ギター本体の主な共振周波数をスケールノート上に配置しない。

ii) T(1,1)1 共鳴周波数と T(1,1,)2 共鳴周波数は通常、ギターでは約 1 オクターブの間隔がありますが、音の 2 つのハーモニクスとして、正確に1オクターブ離して配置しない。

iii) T(1,1)3 共振周波数 (存在する場合) を T(1,1)2 に近付けすぎない。 

です。


このトップモノポールの有効質量を最小限に抑え、高いモビリティを確保し、サウンドボードを横切る波がギターのサイドに放散されるのではなく、端に到達したときに効果的にサウンドボードに反射されるようにすることです。

 しかし、高いモノポールモビリティは良い楽器のポイントですが、それだけでは十分ではありません。フレットボード上の全音域でその反応が均一で、すべての音が合い、良い音質を持っている必要があります。したがって、共振の性質と振動の感度を包括的に理解する必要があります。

nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。