ボイシング3’ [voicing]
昨日投稿した記事は内容が途中のものでした。加筆したものを改めて載せます。
6.top+side in mold
サイドをモールドに入れ、クランパーでトップとサイドを押さえつけます。今まで自由に振動していたトップの端がサイドに固定されたことにより、振動モードが表れるようになります。いわゆるクラドニパターンです。
分かりやすく1次元的に言えば、両端が自由に振動していた棒(弦)が、両端を止められて振動するようになるので、両端が自由に振動していたものと振動モードが変わってきます。
モールド入りサイドにクランプされたトップをインパクトハンマーでタッピングして周波数特性(振動モード)を見ます。トップモノポール、クロスダイポール、ロングダイポール、クロストリポールが確認できます。サイドをクランプで留めていて、かなり重いので、トップモノポール周波数はおよそ50Hz(最終目標との周波数差(①))低い周波数になります。今後、主にこのトップモノポール周波数を見て削るべきかどうかを判断していきます。
小型ワークベンチを2つ並べて、その上にボディを載せてトップ下側に物がないようにします。下に物があると周波数特性も影響を受け、それも含めた共振特性になってしまいます。
この時点では確認するだけで、トップを削るのは接着した後に行います。
7.top+side+back in mold で最終結果を予測
次に、バックも加えて、トップ、サイド、バックをモールドに入れて、クランプして周波数特性(振動モード)を見ます。この時点で接着はしていませんが、最終形(箱型)になっているので、ヘルムホルツ共振も含めた最終形態の振動モードと同じようになります。もちろん、バックの共振モードも出てきます。上図は、ロングダイポールの中心を叩いたものなので、クロスダイポールが出ていませんが、最終形(箱型)のクロスダイポール以外の振動モードがすべて出ています。トップモノポール周波数は、約40Hz低い値になります。
この最終目標との周波数差(②)は前の機種で分かっているので、この時点でブレースを削ることはしません。最終目標との差(①)、最終目標との差(②)の2つの値が出てきますから、前の機種と比較して、どの程度目標周波数からずれているか、どの程度削る必要があるかを確認しておきます。
トップ、バック、サイドを合わせた最終形態で、ボイシング傾向(正しく進んでいるか)が分かったところで、トップをサイドと接着します。
8.top+side out mold after glued
トップを接着後、モールドから出して、周波数特性の確認を行います。この時点の目標との周波数差(③)を見ます。接着すると剛性が高くなり、サイドからモールドが外れるので、クランパーで押さえていた時(①)に比べて、50Hz高くなります。
9.top+side+back in mold after top-glued
さらに、バックを加えて、トップ、サイド、バックをモールドに入れて、クランプして周波数特性(振動モード)を確認し、目標との周波数差(④)を見ます。トップを接着したことで、より最終形態に近くなり、④は②に比べて、少し高くなります。
③と最終目標、④と最終目標との差、前機種(Org.#2)との差を確認しながら、トップブレースを削っていきます。ここでブレーシングをできるのは最後なので、完成まで削ります。バックを接着した後でも、微調はサウンドホールからもできますが。
Org.#3の場合はトップモノポール周波数が196Hzで、Org.#2が179Hzなので、まだ固いことがわかります。(Org.#2の最終モノポールは177Hz)
①フィンガーブレース②トーンブレース(全体を低く)③Xブレースの順で削っていきます。トップモノポール周波数を10Hz以上下げるので、フィンガーブレースやトーンブレースを削ってもあまり効きません。Xブレースのロワーボウト部とアッパーボウト部を交互に少しずつ削っていくことで、モノポールを186Hzにしました。最後、184→186Hzと上がっているのは、 Xブレース、トランスバースブレースエッジをライニングに固定するのを忘れていて後から接着したためです。必要であれば、バックの最終調整も行いますが、ここでは何もしませんでした。
6.top+side in mold
サイドをモールドに入れ、クランパーでトップとサイドを押さえつけます。今まで自由に振動していたトップの端がサイドに固定されたことにより、振動モードが表れるようになります。いわゆるクラドニパターンです。
分かりやすく1次元的に言えば、両端が自由に振動していた棒(弦)が、両端を止められて振動するようになるので、両端が自由に振動していたものと振動モードが変わってきます。
モールド入りサイドにクランプされたトップをインパクトハンマーでタッピングして周波数特性(振動モード)を見ます。トップモノポール、クロスダイポール、ロングダイポール、クロストリポールが確認できます。サイドをクランプで留めていて、かなり重いので、トップモノポール周波数はおよそ50Hz(最終目標との周波数差(①))低い周波数になります。今後、主にこのトップモノポール周波数を見て削るべきかどうかを判断していきます。
小型ワークベンチを2つ並べて、その上にボディを載せてトップ下側に物がないようにします。下に物があると周波数特性も影響を受け、それも含めた共振特性になってしまいます。
この時点では確認するだけで、トップを削るのは接着した後に行います。
7.top+side+back in mold で最終結果を予測
次に、バックも加えて、トップ、サイド、バックをモールドに入れて、クランプして周波数特性(振動モード)を見ます。この時点で接着はしていませんが、最終形(箱型)になっているので、ヘルムホルツ共振も含めた最終形態の振動モードと同じようになります。もちろん、バックの共振モードも出てきます。上図は、ロングダイポールの中心を叩いたものなので、クロスダイポールが出ていませんが、最終形(箱型)のクロスダイポール以外の振動モードがすべて出ています。トップモノポール周波数は、約40Hz低い値になります。
この最終目標との周波数差(②)は前の機種で分かっているので、この時点でブレースを削ることはしません。最終目標との差(①)、最終目標との差(②)の2つの値が出てきますから、前の機種と比較して、どの程度目標周波数からずれているか、どの程度削る必要があるかを確認しておきます。
トップ、バック、サイドを合わせた最終形態で、ボイシング傾向(正しく進んでいるか)が分かったところで、トップをサイドと接着します。
8.top+side out mold after glued
トップを接着後、モールドから出して、周波数特性の確認を行います。この時点の目標との周波数差(③)を見ます。接着すると剛性が高くなり、サイドからモールドが外れるので、クランパーで押さえていた時(①)に比べて、50Hz高くなります。
9.top+side+back in mold after top-glued
さらに、バックを加えて、トップ、サイド、バックをモールドに入れて、クランプして周波数特性(振動モード)を確認し、目標との周波数差(④)を見ます。トップを接着したことで、より最終形態に近くなり、④は②に比べて、少し高くなります。
③と最終目標、④と最終目標との差、前機種(Org.#2)との差を確認しながら、トップブレースを削っていきます。ここでブレーシングをできるのは最後なので、完成まで削ります。バックを接着した後でも、微調はサウンドホールからもできますが。
Org.#3の場合はトップモノポール周波数が196Hzで、Org.#2が179Hzなので、まだ固いことがわかります。(Org.#2の最終モノポールは177Hz)
①フィンガーブレース②トーンブレース(全体を低く)③Xブレースの順で削っていきます。トップモノポール周波数を10Hz以上下げるので、フィンガーブレースやトーンブレースを削ってもあまり効きません。Xブレースのロワーボウト部とアッパーボウト部を交互に少しずつ削っていくことで、モノポールを186Hzにしました。最後、184→186Hzと上がっているのは、 Xブレース、トランスバースブレースエッジをライニングに固定するのを忘れていて後から接着したためです。必要であれば、バックの最終調整も行いますが、ここでは何もしませんでした。
2023-04-17 09:03
nice!(0)
コメント(0)
コメント 0