ヘルムホルツ共振器 [technical terms]
ビンのネックにある空気(の塊)が対象(質量)になります。
ネックを通して外から空気を吹き込むとビンのネックにある空気(の塊)が押し込まれます。ビン内部の空気を圧縮します。その圧力変化で空気(の塊)が押され、元の位置に戻ると、その力がビンの口から外側に少し飛び出します。こんどはビン内の空気が薄くなり、空気(の塊)が吸い込まれます。このようにして、空気(の塊)がバネのように振動します。
ネック内の空気の有効長L、断面積をSとすると、その質量mはSLに空気の密度ρをかけたものになります。
ギターの場合、ビンのネックに当たる部分は、サウンドホールの「中」の空気になるので、表現しにくい形状になっています。また、空気の塊の長さは、2から3mm の厚さになります。近似的に、空気の「栓」の有効長Lは穴の半径の約 1.7 倍としている場合があります。しかし、この式の前提は、空気の動きが管壁の振動に結合しない剛体の管を想定しているため、あまり正確ではありません。
また、前に紹介した論文でも、「開口部の直径よりもはるかに長いネックの開口部に適していて、ネックの長さが小さい場合はかなりの誤差が生じる。サウンドホールの空気の流れの大部分は、開口部のエッジ付近の領域を通過し、中央部分が空気共鳴にほとんど寄与せず、外縁が共振周波数に大きな影響を与える。」と言っています。
また、オリジナルギター3でも経験したように、単にサウンドホール径だけでヘルムホルツ周波数だけを制御しても良い低音は得られないこともわかりました。
オリジナルギター3 voicing13:ヘルムホルツ周波数の調整
オリジナルギター3 voicing19:ヘルムホルツ周波数を変更する。
オリジナルギター3 voicing20:サウンドホール径の調整
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