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振動モード [technical terms]

振動モードとは、各部が揺れる振動の状態を言います。主に、サウンドボードの振動モードがそのギターの音色を決めるポイントになります。もちろん、それだけで音色が決まるわけではありません。バックの役割やサイドの影響もあります。

 


この記事でも書いたように、ギターの形(いわゆる瓢箪型)をしていて、周囲がサイドで固定されれば、どのようなブレーシングパターンでも大抵はここに書いてあるような振動モードになるようです。トップは、大抵はスプルース(またはレッドシダー)が使われます。木材は普通、木目方向(ロング方向)の剛性が強く、木目に垂直方向(クロス方向)の剛性は弱いのでサウンドボードに起因する振動モード(000の場合、Dタイプではダイポール周波数は、ロング方向がクロス方向より低い周波数になる)の凡その周波数は、


1次:モノポール     200Hz


2次:クロスダイポール  300Hz


   ロングダイポール  400Hz


3次:クロストリポール  500Hz


これより高い周波数モードもありますが、一般に5〜600Hzまでが制御できる周波数と考えられています。


サウンドボード以外の振動モードは、


ヘルムホルツ周波数    100Hz


バックに起因する振動モードの周波数は、


1次:モノポール     230Hz


2次:ダイポール     350Hz


3次:トリポール     450Hz


一般に言われているどのようなバックのブレーシングパターンでもだいたいはこのようになるようです。


これらが組み合わされて、ギター全体の音色が決まります。


平面的に表れる振動モードを見るには、2次元的に表れる平面板の振動を可視化する方法を使います。クラドニパターンと呼ばれています。クラドニパターンは、スピーカーを砂や粉を撒いたトップまたはバックにあてて、周波数を変化させることで、そのパターン(振動モード)が現れ、その振動の状態が分かります。粉体の振動を利用して目に見えない振動を可視化する方法です。これらをまとめることで、そのギターの周波数特性が分かります。



これはオリジナルギター3の周波数特性です。ピークは共振周波数を表しています。300Hz付近のピークがありませんが、これはロングダイポールの振幅が大きくなるポイント1度タッピングした結果です。クロスダイポールが大きく振動する領域をタッピングすれば、その共振周波数が現れます。


 


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