SSブログ

弦高によって音量や音色は変わるか? その2 [structure]

オリジナルギター4の構造を設計する中で、改めて弦高について調べてみました。簡単に弦高を調節するには「サドルの高さ」を変えることです。


サドルの高さを変えると音にはどう影響するのでしょうか?


今までの私の経験では、「1~4mm程度であればあまり音に影響ない」と感じています。つまり、これ以上サドルが高すぎると、サドルの厚さ、材質、溝の深さにもよりますが、音量が低下するように感じられました。また、いろいろな記事で「サドルを高くして弦の角度を狭くしてサドルにより圧力をかけると良い」ということが書かれていますが、サドルを低くして角度を広くして圧力がかからなくしても音量、音質とも変わったと感じたことはありません。この定説は疑わしく、ある程度の圧力が加わっていれば良いと感じています。


サドルを高くし過ぎると弦の長さが変わってきて、イントネーションにも影響があると思います。


これに関してかなりマッチした答えがありました。アランカルースの意見を要約すると


弦が振動するときに生成される「信号」は 3 つ

1.最も強いのは「横」信号です。弦が上下に動き、ブリッジを上下に引っ張り、トップがスピーカーのコーンのように動きます。これはトップが音を出すための非常に効果的な方法

2.次に強い信号は、平均して横方向の振幅の約 1/7 であり「張力変化」信号です。弦がまっすぐな「静止」位置から変位すると、弦はよりきつくなり、サドルの上部をナットに向かって引っ張ります。これは横方向の動きの全サイクルごとに 2 回発生するため、張力信号は弦の基本音に対して「オクターブ 2 倍」になります。ブリッジを大きく揺らすにはかなりの力が必要です。結局のところ、私たちはそれに抵抗するためにトップスを作ります。また、ブリッジを揺らすと、ロワーボウトの半分が「上」に移動し、残りの半分が「下」に移動するため、多くのキャンセルが発生します。この動きにより、350 Hz (高音の E 弦のピッチ程度) より高い音は、それ以下よりも多くの音を生成します。

3.「縦波」によって引き起こされる弱い信号があります。基本的には、長い管の中の空気中で見られるものに似た弦内の圧縮波です。これは通常、弦の基音の 7 番目または 8 番目の部分音あたりになりますが、弦の張力の影響をあまり受けないため、必然的な関係はありません。また、ブリッジの上部もナットに向かって引っ張られます。私たちの耳は敏感になりがちで不協和音が多くなる高周波域にあるため、この「ジップトーン」は、そのパワーが示す以上に音色を加えることができます。


・6°を越えれば十分。ブレイクアングルは重要ではない。

(6°というのはサドル高1mmでサドルーピン間10mmの場合です。少しでも角度が付いていれば問題ないということです。)


弦を 11mm から 18mm まで上げたところ、人々は違いを聞き取ることができた。2 番目の高調波の出力が大きくなり、縦方向の「ジップ」トーンの周波数でもより多くの出力が得られた。トップが全体的に少し動きにくくなり、人々が聞いていたのは実際のパワーの増加ではなく、倍音レシピの変化であった可能性がある。

 

サドルの上部に下向きの圧力を加えても、サドルの上部に「より多くの音を伝える」ことはできない。静的な力と動的な力の区別を明確にしておく必要があります。信号の動的力は明確に定義されており、ブレーク角度によって変化しませんが、より大きな静的力は変化します。角度が弦をサドルトップに接触させておくのに十分である限り、すべての信号が送信されます。


私の実際の経験とこの結果がかなりあっていて腑に落ちました。

 

nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。