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オリジナルギター2-20 設計図作成2:ネック取付角度 [original guitar2]

ギター設計の中で最も重要な部分のネック取付角度を決めます。

ネック接合角度については、何度も書いていると思いますが、この構造設計が長期間のメンテナンス性やプレイアビリティを決めます。フィンガーピッキングを主とするプレーヤーには、限りなく弦高を低く設定したいでしょう。

そのためにはこの角度を少し深めにつける必要があります。

おそらく、昔と今ではこの角度設定は違うと思います。
一般にローフレットしか使わなかった時代は、ハイフレットの押さえ易さは気にならなっかった。

Shenandoh M000-45 は1993年頃に買いましたが、000タイプにもかかわらず、かなり浅くできています。

今の設計は、弦高を低く設定できるようにかなり深くします。

簡単にいうと、フィンガーボード面上の延長線上にブリッジ上面を設定すれば(ブリッジ高=0mm)、12フレットで弦高を2mm(これにフレット分を1mm加える)にしたければ、ブリッジ上では、2倍の高さが必要になるので、サドル高を4mm(=2mm x 2 )にフレット分1mmを加えて5mmにすればよいことになります。

実際には、以下のようにしました。

2.ネック取り付け角度.JPG

フィンガーボード厚:5mm
ボディ端からサドルまでの長さ:285.3mm(前回のレイアウト設計より)
ボディ端がサウンドホールまでの長さ:100mm(前回のレイアウト設計より)

トップに対する仕込み角度を仮に1.00°とし、この角度をつけてフィンガーボードを取り付けると、サウンドホール端(ボディ端から100mm)でトップとの隙間が、
100 x tan(1.00°)=1.75mm 開いてしまいます。
これを解消するために、14フレット位置(=ボディ端)でネック取り付け高さを、この分下げて取り付けます。
サドル位置のフィンガーボード取り付け面の延長線の高さは、
(285.3-100)xtan(1.00°)=3.2mm
12Fでの弦高を2mm、フレット高を1mmとすると、サドル位置では弦高が4mm、フレット高分を1mmで5mmになります。
弦高の延長線上のサドル位置の高さは、
フィンガーボード厚+仕込み角度分+弦高+フレット高=5+3.2+4+1=13.2mm

Fallawayを0.5mm取ると、角度にしてarctan(0.5/100)=0.29°
よって、ネック取り付け高さを0.5mm上げて、1.25mmにして、角度を1.00-0.29=0.71°にします。
サドル位置の高さも、0.5mmプラスされて、13.7mm。

一方、ブリッジ厚は9.0mmとすると、ブリッジ面からのサドル高は、13.7-9.0=4.7mm。

設計的にはこうなりますが、加工精度で角度がこのようにぴったりとはならないので、常にこの値が保たれているか、加工途中でチェックする必要があります。




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