チューニング 1 [theories]
今は電子チューナーを使って開放弦をあわせるのが普通だと思いますが、私がギターを始めた頃は、音叉(A=440Hz)で5弦を合わせて、それを基準にユニゾンで合わせるやりかたでした。
6弦5フレット(A)と5弦開放(A)
5弦5フレット(D)と4弦開放(D)
4弦5フレット(G)と3弦開放(G)
3弦4フレット(B)と2弦開放(B)
2弦5フレット(E)と1弦開放(E)
を合わせて終了です。この方法自体には問題ありませんが、1回1回のチューニング精度が甘いとズレがどんどんと積み重なっていくことになります。
次に行った方法は、ハーモニクスを使った方法です。
音叉(A=440Hz)で5弦を合わせて、それを基準に
①6弦5フレットと5弦7フレットのハーモニクス
②5弦5フレットと4弦7フレットのハーモニクス
③4弦5フレットと3弦7フレットのハーモニクス
④3弦4フレットと2弦5フレットのハーモニクス
⑤2弦5フレットと1弦7フレットのハーモニクス
結論から言うとこれはNGです。ハーモニクスを鳴らすのが正しいように思い込み、これをやっていました。今にして思えば、純正律と平均律がわかっていませんでした。ハーモニクスは純正律でフレットは平均律でできているので両方を合わせたこの方法は機能しません。
この辺りのことが分からない人は、しっかり純正律と平均律の違いを学ぶか、この方法をとらずに電子チューナーを使ってください。
では、何がどうマズいかを考えると、
①5弦 7 フレットの倍音は、Aの5度、つまりE になります。これは純正律です。これ(純正律5 度)に6弦5フレットの倍音(E)を合わせると、平均律5度より純正律5度は2セント高いので、6弦開放(E)は平均律の Eよりも 2セント高くなります。②③⑤は反対に2セント低くなります。
3弦4フレットの倍音は、Gの3 度、つまり B になります。これは純正律です。純正律の3度は平均律よりも13.7セント低いので、2弦5フレットの倍音(B)を G の純正律3 度にチューニングすると、2弦開放(B)は 13.7セント低いまま(上の写真)になります。
平均律でできているギター(フレット)のチューニングにはオクターブ以外の倍音は使えません。しかし、「3弦4フレット(B)と2弦開放(B)」をユニゾンで合わせれば、だいたい合わせることはできます。正確な微調整ができないということです。
参考ページ:Tuning The Guitar
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