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オリジナルギター2:ボイシング2 [voicing]

ボイシング2進度.jpg

・(板の段階)
***ボイシング1
0.トップ材・バック材の選定
1.トップ・バックの厚みを決定する。
2.トップ(ギター外形加工後、ロゼッタ、サウンドホール加工後)
3.バック(ギター外形加工後)
***ボイシング2
4.ブレース付きトップ(ブレースラフカット接着後)
5.ブレース付きバック(ブレースラフカット接着後)

・(モールドに入れ最終結果を予測)
6.サイドをモールドに入れ、クランプでトップを押さえつけてタッピングする。
7.サイドをモールドに入れ、クランプでバックを押さえつけてタッピングする。
8.トップ+バック+サイド in モールドで最終結果を予測

・(ボディ形状での最終結果)
9.トップとサイドを接着後、モールドから出して行う。
10.トップ接着、バック、モールド最終結果を予測
11.バック接着、ブリッジなし
12.ブリッジ仮付け+ネック装着
13.塗装後
14.ブリッジ接着、弦張り後


ブレースを貼り付けたトップとバックで共振周波数を見ていきます。

ブレースをどういう形で接着するかというのも問題です。
1台目は、grellierを参考に、ある程度スキャロップしてから貼り付けました。
2台目は、1台目を元に横方向からみた投影図でラフカットしたものをトップに接着しました。まだ、ラフカットしただけですから、周波数的には高い(=剛性が強すぎる)はずです。

4.ブレース付きトップ(ブレースラフカット接着後)
振動音は大きな音ではないので、マイクから25cm位に近づけないと一番強い共振点以外が拾えません。

Mark Blanchard は、この段階でも、クラドニパターンを使っています。タッピングで500Hzまでに10個のピークが測定でき、この10個の目標周波数の範囲を決めて厳しく管理しています。共振の一番強度のある目標周波数(240Hz)より少し高めでやめています。といっても、このピークが何番目なのかによっても目標が違うので難しいです。なので、全体の硬さをタッピング音を聞きながら、決めていきます。

ラフカットしたブレースを接着した次の日は、一番強度のある目標周波数が262Hzでした。まだ硬いので、タッピング音もボッボッとサスティーンがなく聞こえます。また、両手でトップを曲げてみて、同じような硬さになるようにロング方向とクロス方向の硬さも調べます。

まず手始めに
1.フィンガーブレースを左右4本ともスキャロップするが、変化なし
2.トーンブレース下の先端を削るが変化なし

フィンガーブレース.JPG

ブレース付きトップ1.jpg

次の日、ここから本格的にブレースを削るわけですが、
①フィンガーブレースを左右4本ともスキャロップする。
②トーンブレース下の先端を削る。
③トーンブレース上の先端を削る。
④Xブレース下部分
⑤Xブレース上部分
⑥X全体
⑦フィンガーブレース全体
⑧トーンブレース全体

と全体のバランスを取りながら順番に、山の断面が三角形になるように削っていきます。

一通り、削り終えたところで、タッピング音を聞いて、ロング方向とクロス方向の硬さを見て、一番強度のある目標周波数を測定します。

4サイクル、ブレースを削り終えたところで、一番強度のある目標周波数を234Hzまで落としましたが、タッピング音とロング方向とクロス方向の硬さから、まだまだ固いと感じられます。

ブレース付きトップ2.jpg

ここでもう少し削るべきかどうかが分からなくなったため、一時中断。

5.バック(ブレースラフカット接着後のブレース付き)

3ラダー+放射状ブレース(Gore&Gilet の本のやり方)の断面だけをラフカットしたブレースを接着してタッピングします。


バックは、ロング方向の強度は木目だけなので緩い。クロス方向はブレースをスキャロップ途中なので固い。ロング(縦)方向はバックプレート自体の剛性、木目にクロスした横方向の剛性はブレースの剛性を変更することで調整します。

ラフカットしたブレース接着後は、タッピング音もなかなか良く、サスティーンが出ていて、硬さもほぼ良好です。

Mark Blanchard のクラドニパターンの周波数と比べて、中心周波数は250Hz位で、もう少し削る必要があると感じられるので、

順番に
①放射状ブレースを削る。
②第二ブレースを削る。
③第三ブレースを削る。
を削っていきます。

2ラウンド削ったところで、やめておきます。

バック(ブレースラフカット接着後のブレース付き)1.jpg

4’.ブレース付きトップ(ブレースラフカット接着後):追加

単板のデータどり。ボディへの貼り付けを考えて、余分なエッジを10mm程度落としたところ、一番強い共振周波数は259Hzになりました。

ブレース付きトップ3.jpg

Mark Blanchard はこの周波数は239Hz。ここで、オリジナルギター1のボディに貼る前のトップ完成状態のデータを見返すと、231Hzでした。よって、さらに約20Hz下げる必要があるが、ここでやめておきます。

5’.バック(ブレースラフカット接着後のブレース付き):追加

外形整形(周辺を5mmまで落とす)して、ブレースは削らずにみましたが、中心周波数が276Hzにあがりました。但し、タッピング音も良いし、まだ攻める段階ではないので、このままとしました。

バック(ブレースラフカット接着後のブレース付き)2.jpg


ここまでは、トーンウッドの板状態でのボイシングでした。トップ、バック共板状態での目標周波数を決めて、少しオーバービルド気味(まだ追い込まないで、削る余地を残しておく)で次に進みます。


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