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オリジナルギター1-15 ボイシング1 [original guitar1]

全体20191108.jpg
ネックのボルトオンーオフ構造、ボディ、トップ、バック取り付け調整が終わり、いよいよボイシングをする工程になりました。

2019年11月に
1.部材として行う。
2.表板をブックマッチした後に行う。
3.ブレースを接着する前にトップ、バックだけで行う。
4.ブレース接着後、トップ、バックだけで行う。
5.バックをつける前にトップ・サイドをモールドに固定して行う。
*ステップ4と5は交互に行うことができる。
6.トップをサイドに接着後、行う。
7.バックを接着後、ボックスになった時点で行う。
既にブレース接着までおこなっていたため、ステップ4以降を行う。
という計画を立てています。

ここからが最も悩む工程です。ブレーシング済みのトップとバックがあり、「とっかかり」をどうしたら良いかが分からず、様々なアプローチを考えています。「ブートストラップ」をどうしたらよいかということで、6ヵ月悩んで、いろいろな資料なり、情報を調べています。

・タッピング音による判断
どんな本を読んでも「タッピング音を聞いて判断する」ということが書かれています。トントントンがトィーントィーントィーンに変化する点とか、最適な音になるポイントを探すとか表現していますが、なかなか初心者には分かりません。もっとはっきりと定量的でないと理解はできないと思います。何回か作り上げた人なら、なんとなく分かります。私も2台目の時は、なんとなく分かりました。ただ、この表現だけで理解するのは無理があるでしょう。どうしたらよいか「この先に進むのに躊躇している」というメモが残っています。

・chladoniと周波数解析
これは定量的な目標ができますが、いろいろな工程で具体的な数値目標を示しているのは、chladoniを応用したMark Blanchardの記事しかありません。ここでも経験という問題があります。Markも100台くらいのギターを作り続けて、その経験から良いギターのパターンを見つけたということを言っています。また、chladoni装置はスピーカーを使用しており、大きな音が出ます。ヘッドホーン(耳を傷めないための消音器として)をしないと宇宙人が襲ってきたかと隣人からクレームがくるということが書かれていたので、それも躊躇させる原因でした。かなりの大きな音を出さないとうまくできません。少し試してはみましたが、大きな音に耐えられませんでした。

一方、インパルス応答による周波数解析は、より具体的で定量的な値で比較できます。

chladoniも結局は共振周波数を見ているわけですから、その目標値はMark Blanchardを参考に、自分のインパルス応答による共振周波数とを比較することで対応できるとまで考えられませんでした。

オリジナルギター#2では、これ参考にしています。

タッピング.jpg
tappingは指で行うと400Hz以上の高周波がうまく出ないので、tapping stick(28cmの木に消しゴムをつけたもの)を使用し、トップの端を摘まんで、Xブレース交点とブリッジの中心を叩く。バックも端を摘まんで、上から3番目と4番目のブレーシング位置の真ん中を叩く。ということをやってみました。

トップは540Hz、バックは446Hzがピーク。既存ギターの共振ピークが、箱にはなっているが200~300Hzにあるので高すぎる⇒オーバービルド、重すぎる=硬すぎる、ということか?
と結論付けています。

・物理的な測定
各ギターの寸法.jpg
共振周波数の結論を裏付けるために、別な方法で硬すぎるかどうかというのを判断したいと思いました。ブレーシングした状態のトップ自体の厚さとブレーシングの厚さを入手できる図面のブレースの寸法と比較してみました。

これを判断するためには、重要ポイントがあります。剛性∝(高さ)の3乗という法則です。つまり、幅と長さが同じならば、高さの比の3乗に比例して剛性が高くなるということです。10%高さを削ると27%剛性が落ちるということです。ブレースの高さ、16mmと13mmの剛性を比較すると1.86倍(53%)違うということです。

明らかに今の状態はオーバービルド(重すぎ、厚すぎ)であることがわかりました。

この時点では、まだブレースを削ってはいません。


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