オリジナルギター1-7 ネック仕込角検討 [original guitar1]
ネック仕込み角は、設計段階で決めておくべきものですが、今回は周辺部材の加工がかなり進んでいる中で、ネックの元起き対策を組み込んだため、試行錯誤して進めています。
前提として、上図にあるようにフレットボード厚4.5mm ブリッジ厚8.5mmです。
また、下図にあるように、弦高調整はフレットボード面からフレット高さ1mm、12フレットの弦高を2mmに合わせるため、サドルの高さはその2倍の4mmを加えて5mmになるようにします。
ブリッジとフレットボード厚みの差が4mmあり、このまま仕込み角度0°で接続するとサドル高さがとれません。よって、まずこの高さを揃えるようにします。
ボディ端からサウンドホール(=ボディ上のフレットボード長さ)までの距離は100mm、ボディ端からサドル位置までの距離は290mmです。
arctan(4/290)=0.8°
なので、仕込み角を0.8°にすれば、フレットボード面の延長線上にブリッジの面位置がくることになります。
100tan0.8°=1.4mm
しかし、このままフレットボードとネック、ボディを接続すると、ボディ上のフレットボード端(=サウンドホールの始まり)(100mm)でトップとの隙間が、1.4mm開いてしまいます。
ここで基準をブリッジの面位置とします。図は模式的に書いているので、それ以外の線は具体的な部材の位置ではありませんので、注意してください。
この隙間をなくすために、ネック全体を1.4mm下げます。ネックはボディに1.4mm食い込むように作る必要があります。
このままでは、フレットボード面の延長線は、ブリッジの面位置から1.4mm 低くなってしまいますから、さらに仕込み角をつけて面位置に合わせます
arctan(4/(290ー100))=1.2°
仕込み角は1.2°になります。
100tan1.2°=2.1mm
で2.1mmネック全体を下げる必要があります。
この角度はトップの凸状の曲がりとして、サウンドホール辺りで吸収しなければなりません。具体的には、ボディ先端からサウンドホールまでの面とサウンドホールからテイルエンドまでの面にこの角度を付けることになります。
さらに、fallaway(フレットボードは、ボディ端の14フレットから最終フレットに向かって徐々に下がっていく)を0.5mm考慮すると、
arctan((2.1-0.5)/100)≒ 0.9°
ネックを下げるのは1.6mmで良くなり、0.9°の角度をつけて14フレット~20フレットをトップ上に隙間なく置くことができます。この0.5mm分は基準面が下がるので、サドル高さを高くすることで調整します。
12フレットで2.0mm弦高を設定するにはサドル高が4+1=5mmになり、サドル基準が0.5mmさがるので5.5mm 、これに順ぞり方向に1mm余裕を持たせて、6.5mmのサドル高さから調整を始めることになります。
トラスロッドはボディ端から70mmなので、70tan1.2°-70tan0.9°≒0.4mm以上の高さ余裕が必要になるので、ここではトラスロッド溝は1mm深くするようにします。
まとめると、
1.2°のネック仕込み角で、ボディ端からサウンドホールまでの面をトップ面に対してを0.9°の角度で1.6mm下げて接続します。fallawayは、0.5mmついています。トラスロッド溝は1mm深くします。サドル高さは、ブリッジ面位置から6.5mmの高さから調整を始めます。
ということになります。
細かい数字で設計しましたが、0.1°を精度よく加工することはできません。角度では0.5°、長さでは0.2mmくらいが限界でしょう。
実際の製作、調整は、この設計値を目標に現物を合わせていくことになります。
前提として、上図にあるようにフレットボード厚4.5mm ブリッジ厚8.5mmです。
また、下図にあるように、弦高調整はフレットボード面からフレット高さ1mm、12フレットの弦高を2mmに合わせるため、サドルの高さはその2倍の4mmを加えて5mmになるようにします。
ブリッジとフレットボード厚みの差が4mmあり、このまま仕込み角度0°で接続するとサドル高さがとれません。よって、まずこの高さを揃えるようにします。
ボディ端からサウンドホール(=ボディ上のフレットボード長さ)までの距離は100mm、ボディ端からサドル位置までの距離は290mmです。
arctan(4/290)=0.8°
なので、仕込み角を0.8°にすれば、フレットボード面の延長線上にブリッジの面位置がくることになります。
100tan0.8°=1.4mm
しかし、このままフレットボードとネック、ボディを接続すると、ボディ上のフレットボード端(=サウンドホールの始まり)(100mm)でトップとの隙間が、1.4mm開いてしまいます。
ここで基準をブリッジの面位置とします。図は模式的に書いているので、それ以外の線は具体的な部材の位置ではありませんので、注意してください。
この隙間をなくすために、ネック全体を1.4mm下げます。ネックはボディに1.4mm食い込むように作る必要があります。
このままでは、フレットボード面の延長線は、ブリッジの面位置から1.4mm 低くなってしまいますから、さらに仕込み角をつけて面位置に合わせます
arctan(4/(290ー100))=1.2°
仕込み角は1.2°になります。
100tan1.2°=2.1mm
で2.1mmネック全体を下げる必要があります。
この角度はトップの凸状の曲がりとして、サウンドホール辺りで吸収しなければなりません。具体的には、ボディ先端からサウンドホールまでの面とサウンドホールからテイルエンドまでの面にこの角度を付けることになります。
さらに、fallaway(フレットボードは、ボディ端の14フレットから最終フレットに向かって徐々に下がっていく)を0.5mm考慮すると、
arctan((2.1-0.5)/100)≒ 0.9°
ネックを下げるのは1.6mmで良くなり、0.9°の角度をつけて14フレット~20フレットをトップ上に隙間なく置くことができます。この0.5mm分は基準面が下がるので、サドル高さを高くすることで調整します。
12フレットで2.0mm弦高を設定するにはサドル高が4+1=5mmになり、サドル基準が0.5mmさがるので5.5mm 、これに順ぞり方向に1mm余裕を持たせて、6.5mmのサドル高さから調整を始めることになります。
トラスロッドはボディ端から70mmなので、70tan1.2°-70tan0.9°≒0.4mm以上の高さ余裕が必要になるので、ここではトラスロッド溝は1mm深くするようにします。
まとめると、
1.2°のネック仕込み角で、ボディ端からサウンドホールまでの面をトップ面に対してを0.9°の角度で1.6mm下げて接続します。fallawayは、0.5mmついています。トラスロッド溝は1mm深くします。サドル高さは、ブリッジ面位置から6.5mmの高さから調整を始めます。
ということになります。
細かい数字で設計しましたが、0.1°を精度よく加工することはできません。角度では0.5°、長さでは0.2mmくらいが限界でしょう。
実際の製作、調整は、この設計値を目標に現物を合わせていくことになります。
2021-09-27 10:13
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